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「どんぐり」で感じる「縄文のこころ」 どんぐり未来工房 平賀国雄さん(通称:どんぐり源さん)

by staff on 2013/8/10, 土曜日

 

荻津郁夫建築設計事務所 荻津郁夫さん

 

 
お名前 平賀 国雄(ひらが くにお)さん
お生まれ 横浜市出身 84歳
お住まい 海老名市在住
ご家族 妻子あり
ご職業 どんぐり未来工房 代表
愛称は「どんぐり源さん」
どんぐり食品の開発・販売
どんぐり源さんのブログ
ご性格 のんびりしている

源さんは横浜生まれなんですか?

 横浜市西区で生まれました。幼少時に東京に移って学生時代は東京で過ごしました。父はサラリーマンでした。

 学生時代は、今では信じられないでしょうが、おとなしくて引っ込み思案な子供でしたね。

 ただ小さいころから、「人間はなぜこの世に生まれてきたのだろう。生きるってなんだろう。」と考えていて、周囲にその疑問をぶつけては困らせていました。

 その気持ちが後に、「モノを知りたい」という原動力になって宗教や政治への関心とつながっていっただと思います。

 私の学生時代はちょうど第二次世界大戦の戦後のどさくさの時期になります。旧制中学から新制高校に替わった頃です。

 自動車が好きで修理工場に働きながら、定時制高校に通いました。仕事を終えてひもじい思いをしながらも勉強を続けて高校は4年で卒業しました。

 その後、アメリカの自動車に憧れて米軍基地内にある自動車修理工場に就職しました。東京・神奈川・埼玉といろいろな基地で働きました。結婚をしたのもその頃ですね。

 転職して金融機関に勤めていた1975年頃、公害が社会問題化し、大ベストセラーとなった有吉佐和子の「複合汚染」が発表されました。

 私は、環境に役立つ仕事をしたい・・と一念発起して、自宅(海老名市)のそばに畑を借りて有機農法で無農薬野菜を作り始めました。

 無農薬野菜の販売だけでは食べていけないので、運送業をやりながらです。妻にはそれから今までずっと苦労かけっぱなしです。(笑)

「どんぐり」との出会いはいつ頃ですか?

 無農薬野菜を作りながら、自然素材に傾倒していて研究会などに参加していました。個人的には、ケナフ(繊維目的として栽培されている草)や竹に関心を持って、その効能などを研究してきました。

 8年ほど前に、友人が「どんぐり」の研究を始めたのですね。私自身は「どんぐり」に対してそれほど思い入れはなかったのですが、「どんぐり」の成分の素晴らしさを知るようになって魅せられてしまったのです。

 「どんぐり」はミネラルなども豊富ですが、ビタミンCの含有量がレモンよりも多いのです。縄文時代には「どんぐり」が主食であったことは、遺跡発掘などにより明らかになっています。日本国中にたくさんある「どんぐり」が未利用資源になっているのは、昨今の食糧事情から考えてもとっても勿体ないと思いませんか。

 栄養豊富でどこにでもある「どんぐり」を食品化できないか・・・友人と最初に作ったのは、「どんぐりクッキー」です。「どんぐり」食品だからと言って、味が二の次になるのは私のプライドが許しません。そこから試行錯誤が始まりました。私はちょうど80歳を迎えていました。

 

(クリックで拡大画像)


源さんとどんぐり


どんぐり

 「どんぐり」から「どんぐり粉」を作るのにもいろいろな製法があります。どんぐりせんべい・どんぐりパン・どんぐり麺・どんぐり茶 など様々な食品を手探りで開発してきました。食品製造には認可が必要なので、食品企業との提携が不可欠です。「どんぐりせんべい」は、群馬県の田村製菓さんに製造をお願いしています。

 渡邊さんと出会って、「どんぐり食品」のネット販売を始めたのは3年ほど前からですね。「どんぐり」に夢中になる私を見て、周囲からは「どんぐり源さん」と呼ばれるようになりました。

※「どんぐり」の効用については、源さん制作の「どんぐり物語」をご覧ください。

「まちふく」さんとの出会いが新たな展開になっていますね

 障がい者の就労支援事業所を運営している株式会社まちふくの田中社長と出会ったのはちょうど一年前です。田中社長は「どんぐり食品」製造販売を事業として取り組みたいと仰ってくれました。今は「まちふく」の皆様と一緒に「どんぐり食品」の製造販売を進めています。

 大勢の方が「どんぐり」を採集してくれて、皮をむく作業をしてくれるので「どんぐり粉」の製造量が格段に増えました。若い方々が一生懸命作業してくれるのを見ていると、「どんぐり」に取り組んできて良かったなと感じています。

 

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どんぐりピザ

 横浜市旭区にある「三ツ境どんぐりヒルズ」の一階では、「どんぐり粉」を使ったレストラン事業を展開しています。どんぐり粉が入っているピザやパスタパンなどがお客様に好評です。

まちふく
watana09.wix.com/machifuku

 「どんぐり」の製粉技術も向上してきました。採取した「どんぐり」を炒って、皮をむきます。実を粉にするのですが、以前より微粉末にすることができるようになったので、今後はアイスクリームや豆腐なども作れると思います。

 応援団もだんだん増えてきました。相模女子大学の栄養科学研究科の野田艶子先生もその一人です。食育の場で「どんぐり」の栄養価の高を伝えていきたいとお話しされています。

 私が今、力を入れているのは、「ケルカス・コーヒー」です。ケルカスとは固い殻の植物のことです。健康要素の優れている「どんぐり」を日常的な食品にしていきたい・・・そんな想いから創り出しました。どんぐり粉とコーヒーの配合が難しいのですが、成分でも味でも勝負していける商品にして普及させていきたいと思います。

 縄文時代は争い事がない平和な時代でした。歴史の研究によると、稲作の始まった弥生時代から戦争が始まったようです。縄文時代は、お互いに助け合って生活していかないといけなかったのでしょうね。

 

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ケルカスコーヒー

 縄文時代と同じものである「どんぐり」を食べることによって、「縄文のこころ」を感じてもらいたいというのが、「私の想い」でもあります。

 私はあと16年は現役でがんばるつもりです。(100歳になっています!!)今後の目標として、「どんぐり食品」を中心にしたコミュニティカフェを開設してきたい
ですね。

「どんぐり源さん」にとって横浜はどんなところですか?

 横浜は、生まれ故郷で最も愛すべき街ですね。東京に住んでいた頃も、夏休みには本牧の海で遊びましたし、楽しい思い出がたくさんあります。東京に行ったときは、横浜の「じゃん」言葉が抜けなくて「よそもの」扱いされたこともあります。

 横浜は私の「心のふるさと」ですね。

 

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横浜は私の「心のふるさと」ですね

 取材に伺ったのは、「どんぐりピザを食べに行こう!~ケルカスコーヒーと共に~」というイベントの日でした。老若男女10人ほどの「どんぐり源さん」の仲間が集まってどんぐりピザをメインにしたお料理に舌鼓を打ちました。また、「ケルカス・コーヒー」の試飲会も行われ、参加者一同から忌憚のない意見が出されていました。「どんぐり源さん」は、飽くなき探求心を持って仲間の意見に真摯に耳を傾けておられました。参加者一同、「どんぐりが元気の源なのは源さんを見ればわかるよね・・」と納得しました。

 100歳まであと16年。源さんそれまで元気で突っ走ってくださいね。

(インタビュー・文・写真:ヨコハマNOW代表 渡邊桃伯子)

 

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