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ヨコハマ・ディスコグラフィティー 第17回 第4章 フォークからニューミュージックへ 3

by staff on 2013/11/10, 日曜日


 
 

 

HEART&SOUL代表 原 正行

1958(昭和33)年9月7日横浜生まれ、12歳よりギターをはじめ17歳からミュージシャンとして活動。39歳の時に念願だったライブハウスを開業、現在は関内駅北口駅前に60年代から80年代の洋楽ヒット曲を演奏するライブハウス、ハート&ソウルの経営者。他にもミュージシャンとして演奏活動、作曲、プロデュース等、幅広く活動している。

 

第4章 フォークからニューミュージックへ 4

続ユーミン

 引き続きユーミンですが、まだ売れる前は作曲家をめざしていたので沢山のアーティストに曲を書いています。盲目の天才シンガー長谷川きよしも、早いうちから彼女に注目していました。自作曲 「別れのサンバ」 が大ヒットした長谷川きよしは、フォーク全盛のこの時代に、卓越したギターテクニックを持ち、更に銀座にあった喫茶店、シャンソンの殿堂 “銀巴里” で鍛えられた歌唱力は、他のフォークシンガーとは一線を画していました。彼は早くから彼女の才能を見抜き曲を共作、ひこうき雲をカバーしたりしてガックアップしていました。

 そんな頃、ユーミンの所へ作曲の依頼が舞い込んだのは、やはりデビュー以来ヒットの出ない、ばんばひろふみ率いるバンバンからでした。ユーミンは彼と一回会うとイメージを固め 「いちご白書をもう一度」 を書き上げました。曲は大ヒットしてユーミンは作曲家として名声を上げます。「いちご白書をもう一度」 は、学生運動から夢破れ髪を切って就職してゆく男を描いていて、そのイメージは正に当時の世相を的確に描き同時代に訴えかける魔力を持っていました。

 その後、ユーミンのところへドラマの主題歌のオファーがありました。ユーミンが書き上げ、プロデューサーのところへ持っていくと、詩がドラマに合わないという理由で詩を書き直させられました。天下のユーミンに今では考えられませんが、そうして生まれた 「あの日に帰りたい」 が、オリコンチャートの1位を記録。こうしてシンガーソングライターとしてユーミンの時代が始まります。余談ですが、書き直されてボツにされた詩は、彼女の事務所アルファレコード代表の村井邦彦氏が曲をつけ 「スカイレストラン」 としてハイファイセットが歌いヒットしています。「スカイ~」の詩で「あの日~」を歌うとびったり合いますよ。お試しください。私はこの曲が大好きです。

 

横浜、街と風(私の高校音楽編) 3(18)

スノーウィ・ウッド

 横須賀学院に行っている友人が、ギター上手いヤツがいるぜと紹介してくれたのがK君。産婦人科の息子で、ギターはギブソンのレスポール。家に遊びに行くと、クリームやらブルースやらロックのレコードが山ほど散乱してて、無造作にワシ掴みするとプレーヤーに置き爆音で鳴らすと、それに合わせて見事にアドリブを弾きました。貧乏性の自分は、レコードは大事にスプレーをかけてきれいに拭いて、カセットにダビングしたら大事にしまって置くのに、なんて奴だと思いました。しかし、聞いている音楽のセンスが良く、しかも鮮やかにブルースのアドリブを弾くK君には多大な影響を受けました。この後、仲良くなり一緒にスノーウィ・ウッドというバンドを結成。ブリティッシュブルースロックのコピーをやりました。ツインリードで、もう一人のギターは上大岡の早弾きの天才F君を誘い、ドラムは後にプロになる武相のT君、ベースは美大を目指すR君。自分はボーカルに専念することにしました。

 話があればどこへでも出かけて演奏。100円コンサートや学園祭は高校から大学まで出かけて演奏してました。自分で言うのは何ですが、当時のテープを今聞いても中々小僧のくせに良い演奏ではないかと思ったりしております。

キャバレー

 このK君の知り合いにOさんというギタリストがいて、大学生なのに夜はキャバレーのバンドリーダーをしてる人がいました。実家が大きな乾物の問屋さんをやっていて、倉庫の地下の奥にバンドの練習場があり、ドラムやPA、アンプもマーシャルやらフェンダーが山積みで、最初行ったときはカルチャーショックでした。Oさんとも仲良くなり、一緒にセッションをさせてもらうようになった頃のある日、「今夜空いてないか? ベースがいないんだ、手伝ってくれ」と言われました。ベースギターは、中学の頃ビートルズのコピーをやっていたのと、軽音で遊んでいた程度で、もちろん楽譜なんかコード譜が読める程度で、おたまじゃくしはまったく分からないから無理だと言うと、立ってるだけでいいからと言われて結局やるはめになり、夜横浜駅の西口5番街にあったキャバレー “ハリウッド” へ行きました。

 裏の薄暗い通用門を開け階段を上るとバンドの控え室。早速白いスーツに赤いネクタイを渡されて着替えると、譜面を渡され、1小節に1回ルート音をドンストドンと弾け(ルート音とはAマイナーの時の低音のラ)といわれただけで、いざステージへ。控え室のはじにあるハシゴを昇って天井の穴をくぐり抜けると、そこは光まばゆいステージでラッパの入った15人編成くらいのビッグバンドが演奏していました。スローな曲になり照明が落とされると、後ろから音を切らさないようにひとりずつメンバーが交代していきます。キャバレーでは、BGMがないので全てバンドの演奏で繋げます。前のバンドが全員ハシゴを下りていくと照明が明るくなり、バンドリーダーのOさんがカウントを出して曲が始まりました。もう無我夢中で楽譜を追いかけ、しかも殆ど聴いたこともないような歌謡曲が次から次へと出てきます。何がなんだか分からないウチに1日が終わりました。

 それから何度かお誘いがあり、ちょこちょこ手伝うようになり、慣れてくると色々楽しくなってきました。その巨大なキャバレーは3階までフロアーがあり、奥が吹き抜けになっていて、そこの対面の2階の高さにステージがあり、1階のダンスフロアーではマンボやらジルバやら沢山の客がホステスさんと踊っています。当時の遊び人は、踊りを踊る人が多かったので、ホステスさんも踊れる人が沢山いたのです。50センチくらい高くなったところのメインステージでは、ショータイムになると有名人の歌手やらコメディアンが毎日出演していました。覚えているのはクールファイブ、ツナキ&ミドリなど演歌歌手が多かったようですが、伴奏はビッグバンドが担当していました(対バンと呼んでました)。夜も更けて盛り上がってくると、ゴーゴータイムというのが始まります。これは我々の担当。ボリュームを上げてロックっぽい曲を演奏しだすと下の舞台からのせり上がりから2人、上からゴンドラに乗った2人のゴーゴーガールが降りてきて激しく踊りだします。3曲目の私が歌う 「のっぽのサリー」。ロックンロールになるとゴーゴーガールは胸をはだけてトップレスに。。。17歳そこそこの私は興奮状態! ゴーゴーガールはときおり振り向くと幼いボウヤの自分にウインクしてくれたりしました。

 昭和でした。

ナナハンと事故

 何とかぎりぎりで単位を取り高3に。この頃前出のS君からカワサキのゼットツー(750ccのバイク)を買いました。引渡しの時、そのバイクは運転が不可能と思われる程ハンドルが絞ってあり、おまけに暴走族の旗を立てる旗たてがついていてこのままではとても運転できないので、ノーマルに直してもらおうと、その足で浜松町にあったカワサキの工場に向かいました。工場まであと100メートルの橋の上で、白バイに捕まり整備不良で切符切られました。「今直しに行く所なんだ」 と何度弁明しても許してくれず、あの悔しい気持ちは今でも忘れられません。

 この頃は学校そっちのけでバンドとバイト三昧。前に出ましたが駅の売店に運ぶバイトで、助手をやっているある朝の事、その日は土砂降りの雨でワイパーを最速にしても前が見えずらい程でした。殆どの配送を終え第2国道を仲木戸の駅に向かうところで、運転手が水溜りにハンドルを取られ左方向にスリップして、道路わきの電信柱にまっすぐ向かっていき正面衝突しました。車はハイエースという四角い感じのワンボックスカーで、バスのようにフロントガラスの前は何もありません。電信柱は3人乗りの真ん中に座っていた私の足と足の間にめり込んでいました。とっさに左に避けたので大した怪我にならずに済みましたが、一歩間違ったら両足がなくなっていたかもしれません。あの時、「あ!ぶつかる」 と思った瞬間からぶつかるまでまるでスローモーションみたいに場面が見えたのです。不思議な経験でした。

HEART&SOUL代表 原 正行)

 

HEART&SOUL
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平日:OPEN 19:00 CLOSE 4:00 LIVE START 19:50~
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