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【新年のご挨拶】
みなさま、新年明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

書評 「ど真剣に生きる」 NHK出帆生活人新書 稲盛和夫 著

by staff on 2013/12/10, 火曜日
 

 ページをめくっていて驚いたことがあった。ノギス・マイクロメーター・ルーペの写真が掲載してあり、「創業より使用していると測定用器具」と注がされていた。さらに「特にルーペは必ず現場に携行し、製品を丹念に観察して、問題点について徹底的に考え抜くことが習い性になっていた」測定は原点であり、丹念に観察することに、触れていることに感動した。この本を手に取った日に、私はミツトヨ計測学院での業界の技術研修会の開講挨拶をしているのであった。

 「私の人生を振り返ってみますと、青少年時代は挫折の連続でした」ではじまるこの本は、盛和塾6000名の塾生に、「塾生の会社が発展し、そこに集う従業員も幸福になることを願い、リーダーのあり方や経営の要諦を精魂こめて語りかける」そのものです。だから「入社後どこにも逃げていくところがない状況に追い込まれてからは、不平不満を並べることをやめ、目の前の仕事にど真剣に取り組むようにしました。いま思い返しますと、その時から、人生が大きく好転していったように思います」どのような取り組みだったのだろうか。

 「汚い寮にいるから、気分が落ち込むんだ。研究室で実験漬けの暮らしをしよう。厳しい環境から逃げずに、逆にそこに自分を追い込もう。」と鍋、釜、七輪などの自炊道具を研究室に持ち込んで泊り込んだという。「朝から深夜まで研究に心血を注いだのです。すると不思議なことに、素晴らしい実験結果が出るようになったのです。」と語られます。

 こう語られます。「自分の仕事を心から好きになり、寝食を忘れるほどの情熱を燃やして一心不乱に取り組めば、仕事がどんどんおもしろくなり、すばらしい成果が上がり、人生が明るく好転することを学びました。逆境はどれも、その後の渡しの人生を素晴らしい展開へと導いてくれる糧となりました。」「聞けば、さくらの花は冬の寒さが厳しければ厳しいほど、開花への準備が進むそうです。寒さという逆境が、桜が開花するためには必要だということです。人も同じでしょう。」「逆境に追い込まれたら、それを神様の贈り物と喜び、この逆境を克服すれば、素晴らしい未来が必ず開けると固く信じることが大切です。そして、明るくグチをこぼさずに、将来に向けて、誰にも負けない努力を重ねていけば、その先にはすばらしい人生が開ける、私はそう信じています。」

 信じている。神様の贈り物。これは素直な受け取り方から生まれる。やってみることの大切さだ。やってみることで見えてくることがある。冒頭の測定器がそうだ。計測し観察する。誰が感じるのでもない、自分が感じていくのである。逆境すらも神様の贈り物として受け入れていく。そこから学んだことを取り入れていく。時には全身全霊な取り組みである。

 稲盛さんは中小企業の活動意欲の旺盛な姿を望んでいる。「日本は官僚主導の国であり、ビジネスは多くの規制に阻まれ、さらにはいまだ系列取引が幅をを聞かせているなど、中小企業の活躍できる余地は少ないように見えます。しかしこのような現実に直面しながらも、企業家精神に富む中小企業があふれ出てくるようでなければ、日本経済は活力を取り戻すことはできません。日本再生にあたり、今も中小企業にその力が求められているのです。」そして語ります。「本当にいい経営をしたいのなら、従業員の人たちを少しでも幸せにしてあげたい、社会に貢献したいといった、公明正大な大義名分を持つことが大事です。」「まず心を磨き、立派な人間性を見につけてください」

 経営のあるべき姿に触れている。

 「儲かるか、もうからないかというような私利私欲に基づいた判断基準でなく、人間として正しいことをつらぬく、といった普遍的な判断基準をもったことで、会社はうまくいったように思います。」

 「どんな汚れ仕事にも必ず高邁な意義があり、さらには限りない夢が広がっています。経営者がそれを描き出すことで、従業員は、自分たちはその意義に共鳴し、その夢を現実のものとするために、汚れ仕事を一手に引き受けているんだ、と気づき、経営者を信頼して懸命に働いてくれるでしょう。私はペンキ屋が好きだから、社長と一緒に頑張る、と言ってくれるに違いありません。従業員が仕事に誇りを持てるかどうか、それはまさに、経営者の思い一つにかかっているのです。」

 円福寺で六十五歳の時に一度得度をし、西郷南洲(隆盛)を尊敬する稲盛和夫さんは「人は何のために生きるのか」についても答えている。私たちはついつい成功している稲盛さんを眺めてしまう。その成功すらも逆境があって育てられたということに勇気づけられる本でした。

(文:横須賀 健治)

 

 

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