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第11回 心おきなく“自慢話”ができる便利な魔法の一言

by staff on 2014/7/10, 木曜日

 

自慢話が鼻につく人と、つい聞き入ってしまう人といる。その差はなんだろうか? 今月は、心おきなく“自慢話”ができる便利な魔法の一言と、自慢上手と合わせて磨きたい聞き上手についてお話をさせていただきたいと思う。

弱った体に自慢攻撃

私がその便利な言葉に気づく事ができたのは、自慢話が大変鼻につく同期のお蔭だ。
彼は真面目で向上心があって、努力家。性格も悪くなく、信頼できる仲間だった。まだ若かった当時、遅くまで仕事をして、よく二人でラーメンを食べて帰った。がーっ、しかし、このラーメンの後味の悪いこと。ラーメンが不味いのではない。話が不味いのだ。単刀直入に言えば、「ザ・鼻につく自慢話」のオンパレード。残業の後の弱った体に、ギシギシとダメージが追加されてしまうのだ。
自慢というのは不思議なもので、これから自慢を話すぞと堂々と言うと、不快ではないのに、いつの間にか始まった自慢話には不快さを感じる。
彼の場合は最悪で、大抵会社の運営や会議の進行などの問題定義から始まり、自分ならこうするという話に移行していく。ここまではいい。建設的な話だ。しかしだんだん、自分がいかに努力をしているか、功績を残しているかという話へと展開し、オチもなく終わるのである。様々な工夫や努力は素直に素晴らしいと思い、真似もしたいと思うのに、なぜが不快になる。話し終えた彼のドヤ顔にもイラっとくる。
「またこいつの自慢話を聞かされてしまった。」と毎回思い、「もう二度と仕事帰りに二人でめしは食わないぞ!」と固く誓うのに、これまた毎回、空腹によりその誓いを忘れ、最悪のラーメンを食することになるのだ。

彼の自慢話が始まった際に、その場で突っ込めば良いように思われるかもしれないが、それがそう簡単ではない。彼には笑いのセンスが皆無なのだ。「それ自慢かよ」と突っ込んでも、「違うよ」と真顔で返され、そのまま話を続けられてしまう。こういうタイプの人間は無敵だ。遠回しであろうが、直接的であろうが、突っ込みが一切通じない。私は完全敗北のまま電車に揺られ家路に着く。
悶々とした気持ちをかかえたままお風呂に入り、耐え切れず、お風呂の中でブツブツとエコのかかった一人ツッコミを繰り返す。俯瞰して眺めたら、なかなか恐ろしい光景だが、私にとっては大切なストレス発散方法であり、そのお陰で便利な魔法の言葉が生まれるキッカケにもなった。

便利な魔法の言葉はコレだ!

お風呂場で繰り返したツッコミは、
「毎回毎回自慢ばっかかよ。あんたの自慢話なんて聞きたくないわけ。それを聞いてやってんだから、少しは感謝しなさいよ!」
「どうしても自慢したいなら、初めに “ちょっと自慢聞いてくれ” ってお願いでもしなさいよ。それならしかたなく聞いてあげるわ!」

そうなのだ。人の自慢話なんて、「お願いされるなら聞いてあげもいいわよ」程度のものなのだ。だがそれはつまり、初めにお願いさえしておけば、相手に不快感を与えずに思う存分自慢話ができるという事にもなる。

という事で、便利な魔法の言葉は、自慢の前の「ちょっと自慢聞いてくれる?」である。

あなどるなかれ、会話の立ち位置

単純なようだが、この前置きは、立場を明確にする役割を果たす。自慢をする側は、「お願い」をしている立場。聞く側は「お願い」をされた立場だ。お願いをされた側は、「しょうがねーなー、聞いてやるか」となり、願いを聞いてくれた(いい)人というスタンスを取る事ができる。そのため、聞く側も悪い気にはならない。話す側(お願いした側)は自然と「ありがとう」となる。こういう立ち位置が、自慢話には重要なのだ。

「ちょっと自慢聞いてくれる?」たったこれだけの事なのに、付けると付けないとでは大違いだ。時には大切な人間関係や信用にも大きな影響を及ぼす事さえあるから決してあなどれない。事実、彼の良い処を誰よりもよく知る同期の私でさえ、彼の仕事に対する評価は、実力よりも低くなったし、前置きなしの彼の自慢話が不快である為に、彼とのコミュニケーションは必要最小限に抑えようとした。同じような話を、ほかの同僚からも聞く事を考えると、彼にとっては大きな損失だ。

盛り上がる会話を楽しもう

先ほど自慢には、「ありがとう」という話し手の立ち位置が必要と記したが、自慢話に限らず会話にはこの意識はポイントだ。自慢話は無論、会話は一人では成立しない。聞いてくれる相手がいて初めて成り立つのだ。だから「聞いてくれてありがとう」でいいのだ。
昔、ある友人と数人で話しをしている際、「はっ」と気づかされた事がある。私が気持ちよく話をしている時の事だ。映画についてみどころや自分の感想などを話していたと思う。我ながら面白く話ができたと大満足だったところに、ある友達が、「あんたの話も面白いけど、●●ちゃんも聞き上手よね」とサラッと言った(今思えば、その子の観察眼も大したものだ)。
確かにそうなのだ。私が気持ちよく話せたのは、聞き上手の子がいたためだった。そのため、話題がはずみ、場が盛り上がったのだ。
聞く側が下手だと、反応や相づちが悪く会話が途切れたり、話の途中で腰を折られたりする。会話は盛り上がらず、誰かが極端に疲れたり、気を遣ったり、皆が楽しめないものだ。時間を使ったり、時にはお金を使って集まっているのに、何のための会話かわからない。
一方、盛り上がった会話は楽しい。誰かの話に、誰かの会話が乗っかり、そこからまた話題が広がり盛り上がる。まさに極上のコミュニケーションだ。

自慢上手、聞き上手。どれも会話の盛り上げ上手と言える。盛り上げ上手達の共演があってこそ、皆が楽しめる極上のコミュニケーションが生まれるわけだ。
こういうの、たまらない。

プロフィール

ペンネーム: 津木 雫(つぎ しずく)
オヤジ・オバチャン・オトメのO3マインドを持つ、なんちゃってコラムニスト。
約20年間メーカー勤務。広報・マーケティングを経て、現在フリーランス。
典型的な仕事人間という生活を過ごし、はたと気がつけば人生の折り返し地点。「さぁどうする!」と我が道を振り返っている真最中。
学生時代に、約15カ国を貧乏旅行。
その経験から、今の若者が育つ環境には、問題を自らの力で乗り越える体験が不足していると、感じている。若者教育関連のNPOを立ち上げ、神奈川を中心に現在活動展開中。

今月の1枚:八景島


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<コメント>
これからの時期は夕涼みがいいですね。おすすめはやっぱり八景島。ジェットコースターを見上げるこのポイントが美しい。天気が良ければ、もう少し右手に富士山も。入場料は無料。

 

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