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寂しさに 宿を立ち出て ながむれば いずこも同じ 秋の夕暮れ

by staff on 2014/10/10, 金曜日

♪寂しさに 宿を立ち出て ながむれば いずこも同じ 秋の夕暮れ♪


絵・千絵崇石
 

読み人:良暹法師(りょうぜん ほうし)

現代語訳・・・あまりの寂しさに居ても立ってもいられなくなり 外に出てみたが、どこもかしこも、みな同じ寂しい秋の夕暮れだった。

私・・・なんか・・・すごくこの歌が好きです。この気持ちは清清しいほどの寂寥感。

自由で孤独で。でもその寂しさの向こう側に、ふつふつと沸き出でているのはきっと愛。人恋しさ、というか 慈愛を感じるというのか。これは自立した大人の孤独感です。

もしこんな寂しさを子供の頃に感じていたら・想像を絶するほど不憫です。大人だから受け止められて、その空気の中にこの場合は作者がお坊様なので・仏様の慈愛を感じ取ることが出来ているのだと思います。全体的に白灰色。ホワイトグレーのイメージですが、日本の場合は湿気があるのでその湿気が寂しさの中に柔らか味をかもし出しているのではないかしら。きめの細かい水滴粒子のような。そんな静かに暮れ行く秋に、たった一人 無音の部屋で静寂と言う名の騒音が耳の奥で夏の盛りの蝉のように鳴いている。今私の部屋の窓から聞こえるのは鈴虫のなき声ですが、過疎の山里でまだ紅葉も始まっていない秋の夕暮れの寂しさがしみじみと感じ取れます。

百人一首にはもう一首 同じ秋の夕暮れを扱った歌があります。それもやはりお坊様で。

♪村雨の 露もまだひぬ 槇の葉に 霧たちのぼる 秋の夕暮れ♪ 寂連法師

こちらの歌のほうが秋雨がやんで 霧が立ち上る様子を歌っているので 今私が感じ取っている水彩画のような寂しさにはぴったりなのですが10月と言うよりもう少し晩秋です。紅葉も終わって秋から冬に向かう寒さも厳しい夕暮れ。という感じでしょうか。

どちらにしても「秋の夕暮れ」 と言うのが情緒的に歌になりやすいのでしょう。他にも秋の夕暮れを結句とした有名な歌が沢山残されています。私も口に出して歌ってみました。

♪ 春の夕暮れ 夏の夕暮れ 冬の夕暮れ やっぱり断然 秋の夕暮れです。

作者の良暹法師はあまり詳細文献が残って無くてその生没年などはよく知られていません。

でも歌人として人々から尊敬されていたお坊様のようです。良暹法師といえばこのエピソード!と言われるほど有名になった逸話が「袋草紙」に残されています。それはたぶん彼が無くなってからのことかもしれませんが。

百人一首の74番の作者「源俊頼朝臣」が大原に馬で遠乗りをしたときに、ふと思い立ったように馬から下りました。同行していた人々が、どうしたことかと尋ねたところ、彼曰く
「ここらあたりは昔、良暹法師が住んでいたところ、馬に乗ったまま通り過ぎるのは失礼にあたる」と。その言葉に感じ入って全員が馬を下りて通ったそうです。

私がこの歌から感じる、寂しさの中に隠し味のように込められている慈愛、やさしさ。

何の飾りも無いシンプルな歌が、こうやって百人一首の中に選ばれて、800年近くも人々に愛され続けているのはやっぱり、言葉と言葉の間に込められた作者の愛情が時空を越えて私達の心に触れるからなのだと思います。是非皆さんも良暹法師の慈愛を味わってみてください。

(早苗ネネ♪)

<LIVE INFORMATION 1>

  • 日時:10月10日(金) 開場 18:30
  • 会場:新宿シャンパーニュ
    〒160-0022 東京都新宿区新宿 1-34-11-B1(元東京厚生年金会館向かい、スギ薬局地下1階)
    TEL:03-3354-8540(昼) 03-3354-2002(夜)
    http://www.champagne-live.com
  • 第1ステージ 開演 19:00~19:45
    第2ステージ 開演 20:00~20:45
    第3ステージ 開演 21:00~21:45
  • チャージ:¥5,500(ワンドリンク付き)

 
<LIVE INFORMATION 2>

  • 「じゅん&ネネ Autumn Live in Ladonna」
  • 10月19日(日) 11:00~12:15 ランチタイム/12:15~14:00 ショータイム
  • 会場:ミュージック・レストラン「ラドンナ」
    〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-28-21 ハーモニー原宿 地下1階
    TEL:03-5775-6775
    http://www.la-donna.jp
  • 出演:じゅん&ネネ 司会:島敏光 演奏:JABBA BAND
  • チケット料金10,000円(税込・ランチコースのお食事料金+ライブ料金)
    ★チケットのお申込みはエントレス 電話 03-6454-0469
    またはミュージックレストラン・ラドンナ 電話 03-5775-6775(Webからのお申込み、電話予約も可能です)

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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