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第26回 どあっぷ 「神奈川県知事候補公開討論会で質問者として登壇させていただきました!」

by staff on 2015/4/10, 金曜日

みなさんこんにちは!
市民度アップを目指し活動する、ヨコハマのNPO法人ど・あっぷ!です。
今回は、先日、ど・あっぷのメンバーがパネリスト(質問者)として登壇させていただいた、神奈川県知事選挙公開討論会についてお話させていただきます。と申しましても、今は選挙期間中真っ只中ですので、討論会での候補者の意見のご紹介はさし控え、運営の裏側や質問者側としての内容を中心にお届けしたいと思います。
どうぞ最後までお付き合いください。

 

候補者2名と若者によるユニークな公開討論会!

1兆8650億円といわれる、神奈川県のお財布。
県民から預かるこのお金を、どこにどのくらい分配していくのか、また、将来のために、どのようなビジョンを持ち政策をつくっていくのか。
トップが代わると、内情も大きく変わる(変えられる)のが都道府県政とも言われる中、そのトップ選びは、重要かつ私たちの数少ない意思表示の機会です。


公開討論会ステージの様子

そのトップとなる候補者が、肩を並べて意見を述べあう貴重な機会、神奈川県知事選挙公開討論会が、先月20日、東神奈川のかなっくホールで開催されました。タイトルは「若者が立候補予定者に迫る!」です。
※開催日は告示前だったためタイトルは立候補予定者となっています。

候補者は、現職黒岩祐治氏と、岡本一氏。質問者は若者を代表して、学生団体ivort(アイボート)副代表の桑原稜氏と、私たちNPO法人ど・あっぷ!の大越実花。また司会進行は、横国大・フェリス女学院放送研究会の中井氏と渡辺氏が務めました。皆現役大学生や今年卒業した20代前半の若いメンバーです。

学生団体ivoteは若者の投票率向上を目標に、政治家と若者が居酒屋で話し合うイベントなど、様々な企画を実施している団体。また、私たちど・あっぷ!は、シティズンシップ教育を目指し、民主主義や選挙について考えるオリジナルのワークショップを学校で実施する団体です。
若者の政治離れが叫ばれる昨今、二人ともいまどきの若者とは対極(?)にいる若者と言えるのかもしれませんが、若い彼らがその場で感じた疑問、質問を、両候補者にぶつけ、討論会は大変有意義なものとなりました。

ivorte: http://www.i-vote.jp/
どあっぷ、筑波大付属小学校のワークショップ記事はこちら:
http://yokohama-now.jp/home/?p=12137

≪公開討論会 概要≫

タイトル: 神奈川知事選挙公開討論会
~若者が立候補予定者に迫る!~
日時: 2015年3月20日(金)
開場: 19:00(開演19:30)
会場: かなっくホール(300名)
入場: 無料
主催: 公益社団法人日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会

公開討論会の裏事情。公平性担保のためにする事

今回、公開討論会を開催するにあたり、その事前の準備などから、開催にはたくさんの配慮やルール作りが必要である事がよくわかり、改めて大変勉強になりました。

一番配慮をしなければならないのは、候補者への公平性。
公開討論会には、各候補者の応援者も多数参加されるので、少しでも公平性を欠いていると、後でクレームにつながるのだそうです。場合によっては、今後の公開討論会の開催にも影響しかねないので、この点は慎重に慎重を重ねる必要があります。

そこで、候補者、質問者、観客、司会者に、それぞれ次のルールが求められました。

・候補者: 聞かれた質問の回答時間は2分厳守。
・質問者: 必ず両者に同じ質問をする。
・観客 : 拍手、ヤジ、応援は禁止。
・司会者: 上記のルールが破られた際には、迅速に注意勧告する。
候補者の回答の順番は、質問ごとに変える。

少し堅苦しいようですが、主催者の青年会議所のお話では、過去に上記が徹底されずに、後からたくさんのクレームがついた事もあったのだそうです。
選挙とは真剣勝負の戦いとも言えます。その中で公開討論会とは、戦う本人が相対する貴重な場。スポーツと同様に公平なコートが整備されて初めて、両者が真っ当に戦える事になりますし、聴衆も候補者の力量を測る事ができるようになるという訳です。
候補者の話す内容以外は、極力差異のない環境を整えた討論会の開催が、いかに重要かという事を改めて学ぶ事ができました。

公開討論会、入念に準備! でも本当に大丈夫?

主催者の青年会議所の皆さんは、今回の公開討論会の開催に当たり、かなり前から、様々な準備を重ねておられましたが、候補者を除く登壇者が一同に会したのは、開催当日の約1週間前。ここで、開催に当たっての注意事項の説明を受けた後、青年会議所の方が候補者役に扮して実際のシミュレーションを行いました。

当日の討論形式は次の通りです。
まず、テーマとなる質問に、各候補者が答えます。次にその内容を受けて、質問者が自分の感じた事を質問し、それに候補者が一人ずつ答えるというすタイルです。
この形式までは、事前準備の段階で既に決まっていたのですが、テーマとなる質問の内容や、回答者の回答時間など、学生たちの意見を尊重させたいとの主催者側の意向から、未定でした。

実際に何度かシミュレーションを行ってみて、なんとなくイメージが湧きはじめ、結果、各候補者の回答時間は2分、そして肝心のテーマとなる質問内容は以下の4つとなりました。

1.若者の投票率について
2.選挙権の年齢引き下げについて
3.県としての教育政策について
4.県における就職について

このシミュレーションを行ってみて初めて分かった質問者の難しさがあります。
前述しました通り、上記3つのテーマ質問は事前に候補者に提示されますが、その候補者の回答内容はこちらが事前に入手することはできません。当日候補者が話された内容を受けて、さらに討論が深まるよう、質問者は質問をその場で考え、投げ返す事が求められます。
これだけでも決して簡単な事ではないと思いますが、さらに、先ほどの公平性の担保という観点から、両者に同じ質問をするという制約が加わります。
例えば、A候補が話した内容に、疑問や質問があっても、B候補にも同じ事を聞くという事です。その為、両者にとって適切な質問を返さなくてはなりません。

また、司会の役割も重要です。特に時間の管理。候補者と質問者とのやりとりが盛り上がっていれば、臨機応変に対応し、そのやり取りを続けさせます。切りが良いようなら、次のテーマに移るよう進行させますし、短いようなら、さらに質問を上手に求めていきます。そしてこれに加え、会場のヤジや拍手などにも気を配らなくてはなりません。

大人でも緊張するこれらの役割を、20代前半の若者たちが担うのです。しかも300名もの聴衆の前でです。もちろん、一目見ただけで彼らが優秀な若者たちである事はわかりますが、正直、こちらの方が緊張して、「肩の力を抜いて、リラックスすれば大丈夫よ」なんて、肩をガチガチにして励ます自分がいました。

見事に大役を果たした若者たち

しかし、そんな心配をよそに、当日の彼らは素晴らしい仕事をして、討論会を大成功に導きました。


質問者と司会を担当された若い皆さん

質問者の二人は、若者の視点でいくつもの質問を投げ返し、見事に大役を果たしました。
例えば、ivoteの桑原氏は、候補者が、もっと若者の活躍できる場を設けて成功体験を多く積む事の必要性を訴えた際に、実際には、活躍などせずとも、そこそこで良いと考えている若者が多いと思うが、その点についての意見を聞きました。また、自分が行ってきたivoteの活動で、選挙が近い時は、学生との対話に参加してくれる議員は多いが、選挙が終わるとなかなか参加してくれなくなる現状について考えを求めるなど、積極的に質問をぶつけました。

また、ど・あっぷ!の大越は、候補者の教育政策の考えを受けて、自分が就職活動をする中、国際競争力のある人材が求められていると痛感したが、そういった人材育成に関する教育対策などの意見を問うたり、今年から社会人になるが、女性でも安心して働いて子どもを持っていけるか不安になるといった、将来への漠とした不安も織り交ぜて質問をしていました。

自らの実体験を元に、若者ならではの視点が盛り込まれたユニークな質問が相次ぎ、候補者も、初めて問われるような質問もあったのではないでしょうか。回答に苦慮されているような場面も見受けられました。

また重責を担う司会進行も、開場からの拍手などにも迅速に対応。優しい語り口で厳しく制し、素晴らしい進行を見せてくれました。

彼らの活躍で、候補者お二人のカラーも際立ったように思います。あっという間に時間がたち、まだまだ聴いていたいと思えるような、とても良い討論会でした。

最後にちょこっと筆者私見

選挙期間中につき、候補者の発言内容には言及しないと、冒頭で述べましたが、それでもやっぱり私見として、候補者の発言内容や、印象に触れて終わりにしたいと思います。(出来るだけ、選挙に支障の出ることのないよう、注力したつもりですが・・・)


右:岡本氏 左:黒岩氏

黒岩氏は、若者に対する期待や、自分で考える力の重要性、また、若い人材に任せ活躍の場を作り成功体験を積ませる事の大切さなど、ご自身の体験談を交えながら、わかりやすくテーマや質問に的確にかつ端的に語られる中、取得した3つの特区や、保育師試験を年1回~2回に増やした事など、質問に関連する実績のアピールも欠かさず、見事という印象を持ちました。長年キャスターを務められていた黒岩氏は言わば話のプロ。その実力と、ご自身の明るさ前向きさが存分に伝わる内容でした。

岡本氏については、今回の直接のテーマに上がらなかった、子供や家庭の貧困、医療や保育の現状、コンビナートを含む防災の問題などや、全日制高校への進学率の低さなど、足元のまだまだ解決されていない神奈川の問題にも触れられ、忘れてはいけない防災や福祉充実の必要性についても訴えられました。短い時間ながら、神奈川県の抱える深刻な問題を改めて問題提起された事で、見落としがちな現実を冷静に見る必要性を感じさせられました。

最後に、「若者が立候補予定者に迫る!」とタイトルのついた今回の公開討論会。若い参加者が多く集まる事を期待していましたが、やはりその多くはご年配の方だったように思います。
これから先、長く生きる若い人ほど、その未来構築に真剣になってしかるべきだと思うのですが、現実はそうではないようです。
若い人達は、自分がこれから長く生きていく社会を、自分よりは長く生きないであろう人達に任せてそれで不安にはならないのだろうかと、ふと考えてしまいました。

いずれにしても、公開討論会自体は、数ある制約の中、限られた時間内にも関わらず、内容の濃いものでした。

主催者の公益社団法人日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会の皆さまには、運営のご準備と、私たちど・あっぷ! にお声がけいただき、貴重な機会をご提供くださいました事、心より感謝申し上げます。この場をお借りして御礼申し上げ、終わりとさせていただきます。
ありがとうございました。


若者代表と青年会議所スタッフの皆さん。お疲れ様でした!

(イラスト:NPO法人ど・あっぷ!(DO UP!) / 文・写真:築山 美樹)

ど・あっぷTV


http://www.youtube.com/user/douptv

 

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