横浜スケッチ(第3回) 「代官坂上」2点と「イタリア館」
ペンネーム 成見 淳
道順から言うと「えの木てい」になるのだがなぜか完成作品がない。別の機会に譲ることにして、今回は代官坂上の交差点を挟んでの2点と、「イタリア館」を取り上げた。横浜はスケッチ・スポットの宝庫で毎月1枚ではとても横浜を紹介しきれない。
代官坂の2点は初期中の初期のもので、この頃休日ごとに息子を連れて出かけていた。よくまあおとなしくしていたものだと思う。最初のスケッチはほとんど景色が変わっていないが、2枚目はマリーンタワーがマンションに隠れ、わずかに展望台の一部しか見えない。しかもマンションと同色なので、昔を知っている人でも気が付かない。「みなとの見える丘公園」も「みなとの見えた丘公園」と過去形に、「ギャンブル場の見える丘公園」にと変わってしまうのだろうか。
「イタリア公園」は代官坂のスケッチよりももう少し後に、初めてペン描きを試みたもの。その後風景画の油彩の会に入会し、スケッチは油絵を描くためのメモ代わりとなって行った。このスケッチから70号の油絵を仕上げたが古キャンとして再利用したため現在残っていない。スケッチにある山手女子学院はイタリア館の木々が大きくなってすっかり見えなくなり、いまでは中央大学になったという。
「ヨコハマNOWと言いながら、毎回古い絵ばかり。これでは横浜OLDではないか。」という内なる声に促され新作を描いてみようと5月中旬、張り切って出かけた。外交官の家の前に着くと4人の生徒さんが作品をベンチの上に並べて先生の批評に聞き入っている。
私も後ろで静かに覗いていたが、作品の素晴らしさ、先生のコメントの的確さ、温かさに、描くのを忘れてずっと聞き入ってしまった。心中は穏やかではない。『このグループの絵を見てしまったら、自分の絵はとてもとても連載してもらえるような代物ではない。とりあえず今週末の盆栽カフェと同時開催の絵の展示は辞退しよう。』と思い始めていた。
皆さんの作品の指導が終わったのでトイレに行こうと思ったら、「それでは前回の仕上げを。」という先生の声で全員もう1枚ずつ取り出す。横溝屋敷。私の住んでいる鶴見区内。これで気持ちがグッと引き寄せられる。再び先生の丁寧な指導。指摘するだけでなく「私が以前同じ場所で描いたもので・・・。」と言って自分の絵を見せながらお話をすること数回、数枚以上。
ひと段落しそうなタイミングを見計らって、急いでトイレに行き、帰って来たところに待ち人現れる。「すいません。遅くなって。もう描き上げました?」「いやあ、それが・・・。今週の展示を辞退しようかと思って・・・。」と事の成り行きを説明していると、そのグループは絵を片付けて姿が見えなくなってしまった。
その頃には、『連載される以上今のまでは駄目だ。基礎からやり直そう。』という気持ちになっていたので、一緒に後を追って・・・。
数日後入会の許可をいただいた。月2回なので今度はNOWな絵も登場することになるかもしれない。少しずつでも技量UPして、お見苦しくないようになれば嬉しいなあ。
いつか仕事を辞めたら、好きな所に気ままに旅をして、絵をたくさん描いて、文章も書いて・・・。などという人生を何となく夢見ていたが、長いブランクを経てその夢に近づくことになったのは「ヨコハマNOW」のお陰に間違いない。
筆者紹介
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ヨコハマNOW 動画
新横浜公園ランニングパークの紹介動画 | ||
ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。 |
横浜中華街 市場通りの夕景 | ||
横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。 |
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