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ヨコハマ・ディスコグラフィティー 第38回 第6章 社会人編 10

by staff on 2015/8/10, 月曜日


 
 

 

HEART&SOUL代表 原 正行

1958(昭和33)年9月7日横浜生まれ、12歳よりギターをはじめ17歳からミュージシャンとして活動。39歳の時に念願だったライブハウスを開業、現在は関内駅北口駅前に60年代から80年代の洋楽ヒット曲を演奏するライブハウス、ハート&ソウルの経営者。他にもミュージシャンとして演奏活動、作曲、プロデュース等、幅広く活動している。

 

横浜、街と風(社会人編) 24(39)

不安

ハーバーガイズに勤めだした頃から自分で店を持つまでの15年間、12時までに2軒、深夜に1軒、ずっと一日3軒は掛け持ちしてました。ある時期、深夜も掛け持ちした時期もありましたから、4軒掛け持ちした時は一日15回ステージ! 若かったから出来た事です。何曲演奏するのでしょう? 3軒の時は1日11回ステージ、1ステージ25分として7曲×11で77曲。4軒の時は+3回で21曲。一日約98曲演奏してた訳です。

これだけをすべて歌っていたら喉が持ちません。バンドではボーカルがいたりほかのメンバーが歌ったり弾き語りだったらお客様の伴奏をしたり、それでも一日50曲位は歌っていたでしょう。若かったから出来た事です。毎日の過酷な仕事でしたが、好きな事をやっているので辛くはありませんでした。しかし、関内の街では弾き語りなどを使うお店は日に日になくなっていき、徐々に周りの弾き語りがどんどん辞めていくのを見ると、明日は我が身かと不安になっていきます。私自身は仕事に困ったことはありませんが、今やっている店もいつまでできるというような保証はありません。さすがに煮詰まっていたのかこの頃から転職を考えるようになっていました。

弾き語り協会(SPG)

80年代、時代の波は確実に変化し、音楽事務所も衰退し演奏者は直接お店と契約するのが主流になりました。そうなると弾き語り同士で組合を作って仕事の情報交換や様々な交流をしていこうと言う事で、ソロミュージシャン協会なるものが発足しました。何の略だったかは忘れましたが、SPGと言っていました。私も先輩の誘いで入会。月に一度の例会と年一回の熱海などへの旅行をした記憶がありますが、仕事を紹介してもらった記憶はありません。3年か5年位続きましたか、いつの間にか消滅してしまいました。毎月5千払っていた会費も一体どこへ行ってしまったのでしょう? 役員やっていた先輩たちに聞いても、「いやあれは誰々さんが、、」と言って逃げるばかり。

結局全てがこの業界の様にうやむやに自然消滅してしまったようです。

ダイビング

ハーバーガイズの社員旅行でグアムに連れてってくれる事になり初めて海外旅行しました。日本では冬だったのですが、わずか3時間飛行機にのりグアムに着くといきなり熱風で、ビーチサンダルにアロハ! 地球はすごいと思いました。しかし現地のホテルに着くと社長がケチったのか、かなり安いツアーだった為、あまりのボロさにビックリ。コテージ風の建物が並んでいましたがクロークのある建物に入ると天井にヤモリみたいなのがビッシリ。海からは離れているし、プールには水が入っていないし、部屋に入ると手のひらの半分もあろうかと思うようなゴキブリが登場。流石南国のゴキはすごいと関心しながら、ここで数日過ごすのかと先行き不安に駆られていたら、一緒に行ったお客さんの中に某航空会社のパイロットさんがいて「こんな所にゃいられん。俺が何とかしてやる」とその日のうちに勤めている会社が経営するホテルを抑えてくれました。おかげでビーチが目の前の超リッチな高層ホテルにチェックインすることが出来てほっとしました。しかし、まだバブルの以前の話、グアムはかなりの田舎で遠浅のビーチには特大のナマコがゴロゴロしていて泳ぐのは大変でした。実はこの時一緒に行った女のコでダイビングをやっているのがいて話を聞いているうちに興味を持ってきました。

そして帰国後ちゃんとダイビングの免許を取ろうと、その子の紹介で上大岡にあったダイビングショップでオープンウオーターのライセンスを取得。もろもろの経費で17,8万位だったと思いますが、機材が高かったですね、全部で30万位かかったように記憶しています。そしてここからこれにはまってしまうのです。

 

ここからは原の音楽夜話 - ファルセットボイス(ブラック編5)

ファルセットボイスブラック編もいよいよ最終章! 私(原)が一番好きなファルセットの声アース・ウインド&ファイアーの高音担当フィリップベイリー、 “やさしく歌って” のロバータフラックにして「世界でこの上もない美しい声」と言わしめた美声です。

アース、ウインド&ファイヤーは、“インストゥルメンタル&ボーカルバンド” これは楽器演奏をしながらボーカルもこなしてしまうグループの事で、ファンク系のバンドに多く見られます。有名な所ではスライ&ファミリーストーン、クール&ザ・ギャング、タワーオブパワーなどソウルの歴史に偉大なる足跡を残したバンドばかりです。“インストゥルメンタル&ボーカルバンド” は基本的に楽器を演奏できるリーダーによって結成される事が殆どで、ボーカルはメンバーが兼ねたり別に入れたりします。歌手や歌のみのグループの場合、バックのサウンドはレコーディングした時のレコード会社のミュージシャンによって決定されます。例えば、初期のモータウンでは歌手は違ってもバックのミュージシャンはほとんど一緒なので、オケはモータウンサウンドと呼ばれていました。(他にもフィラデルフィアサウンドなど)しかし、インスト&ボーカルグループはグループごとにメンバーが違いますから、それぞれのバンドサウンドに強力な個性が出ます。アースのリーダー “モーリスホワイト” も元は黒人音楽専門のチェスレコードのスタジオミュージシャンからキャリアが始まり、ブラック系インスト(歌がない)人気グループ、ラムゼイルイストリオのドラマーとして名声を得ました。ですので彼らのビートにはモーリスのリズムに対するこだわりが顕著に出ています。

結成時、モーリスには新しく作るグループのアイディアが頭の中にあり、しっかり紙に書いていたそうです。それはサウンドの細部に至るまで、どんなメンバーか何を表現していくかを明確に表していたそうです。時代は60年代終盤でまだ音楽は様々なジャンルに分かれていました。この頃からラテンやジャズの融合、ロックとソウルの融合など、様々な音楽の垣根を越えようと試みる人たちが現れ、クロスオーバーなどと呼ばれました。モーリスもそれを自らのグループで試みようとしていました。16ビートを貴重にしたシンプルなドラムに複数のラテンパーカッションが絡むリズム(ラテンとロックを融合した初期のサンタナにかぶります)底辺を支えるファンク系のベース、ドゥワップやゴスペルから継承された厚いコーラス、さらには黒人独特のアプローチから生まれるキレの良いリズムのホーンセクション! 正にモーリスの個性抜きには生まれなかった最強のサウンドが形を整えていきました。モーリスはバンドのメッセージとして「音楽におけるさまざまな音楽の融合=和」。「和を表現する事=平和」をメッセージに掲げていたと思われます。彼らの歌詞にもそんな肯定的なイメージを感じ取ることができます。そして、モーリスは最終的に黒人のみならず白人のマーケットまでをターゲットにしていこうと初期の段階から考えていたようです。

そんなモーリスが最初に出した2枚の実験的アルバムは鳴かず飛ばずで、その後レコード会社を移籍ここでメンバーを総入れ替えこの時に加入したのが高音担当フィリップベイリーでした。

アースは3人の男性ボーカルを擁していて、フィリップベイリーは高音のファルセット担当。モーリスはバリトンで主メロディの中域担当、目立ちませんが足りないコーラスパートを歌うラルフジョンソンがボーカルでした。(最初は女性ボーカルがいました)

ここでモーリスの描く最高のサウンドに最強の花形ボーカル、フィリップベイリーの参加でそのサウンドは世界最強の魅力を備えたインスト&ボーカウルグループの誕生となりました。

(続きは次号へ)

HEART&SOUL代表 原 正行)

 

HEART&SOUL DATAMAP

HEART&SOUL
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営業時間
平日:OPEN 19:00 CLOSE 4:00 LIVE START 19:50~
休・祝日:OPEN 18:00 CLOSE 24:00 LIVE START 18:40~
TEL:045-664-5569
JR関内駅徒歩より1分
地下鉄関内駅より徒歩1分
Websie http://www.heartandsoul-live.com/

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