都田舎の津久井便り 五日目 「わきみず」
わきみず
「三太ぁぁミセから水を汲んできくんろーー」
「ええーーオラ今、勉強をしてんだょーー」
「うそ言うでねえ! 母ちゃんにはちゃんと見えてんだぞーー」
「マンガを読んでんでべーー?」
「うーーーん、わかったよ。 ふんじゃー行ってくんよ」
「気をつけてな、リヤカーに空気がへーってるか(入っているか)見んだぁぞ」
「まったく、母ちゃんには嘘つけねえなー」
かつて童人夢農場入口の聖徳太子碑脇の桜の古木の下には、山から木樋を使い引いてきた、わきみずを貯める苔むした水槽があった。この水温は年中一定で夏冷たく、冬暖かく村人に美味しい飲用水として親しまれ、生活用水として使われ、水槽の横にはコンクリート製の三和土が作られていて、牛乳の集乳缶や三度の食事の食器や鍋釜を洗う、さらに洗濯場として賑わっていた。 この水は童人夢農場オーナーの祖母が存命中の頃は、山から木樋を使い、まず別棟の風呂場へそして母屋の台所に引かれており、さらに延長され聖徳太子碑横の苔むした水槽に導かれていた。 |
(クリックで拡大画像) |
かつてはと言ってもせいぜい60年程度前までは、津久井のそこかしこに、湧水(わきみず)が有り、沢水を利用していたが、山間の津久井でも東京オリンピックの関連工事(道路整備、河川改修、ダム開発、、、)により、開発が進み自然破壊が始まり次第に淘汰されてしまった。
さらにゴルフ場、新興住宅地が作られ、土からコンクリートに変容して行くのに時間は掛からなかった。
かく言う童人夢農場も店舗の建設に伴って、祖母が亡くなり無人となって傷んでいた屋敷を壊し整地し、さらに木樋が腐り周囲が沼のようになって維持管理に悩んでいたこの湧水道を、撤去してしまい否応なしに、村人の集会場も無くしてしまった。 しかしすでに村人の家庭には県営水道が引かれ、LPガスが普及されており、このようなわきみずを使わなくてもよい、文化的な生活が始まっていた。
(津久井弁監修:奈良哲弥)
(文:山羊髭)
筆者紹介
梅澤 勉 |
相模湖・津久井の本格薪窯ピッツェリア | ピザレストラン「童人夢農場 | ドリームファーム」オーナーオーナーシェフ 梅澤勉さんのインタビュー動画。
緑あふれる津久井の魅力、童人夢農場(ドリームファーム)のこだわり、デザートピザへの想い
についてオーナーシェフの梅澤勉さんが語ります。ご覧ください。
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