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I love Japan(第3回) 文化に役割を

by staff on 2015/10/10, 土曜日
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皆さんこんにちは、NPO法人フォーエヴァーグリーンの渡邊です。少し暑さが和らいできましたね。
さて前回の続きですが、一期一会に始まり和の心に敬意の眼差しが芽生えた私に、アメリカで出会う日本文化はどれも目に刺激的に映りました。伝統文化継承者達は皆、日本代表としての誇りと強い責任感を背負い、ロサンゼルスという人種の坩堝の中で個性を爆発させていました。ファッション誌ヴォーグで世界的スタイリストと着物のコラボを発表する着付師!Jazzミュージシャンと一緒にグラミー賞を受賞する琴奏者!!ミスエジアンカリフォルニア準ミスでプレイボーイの誌面を飾る茶道家!!!総領事も出席する華道のパーティーでは、トラック以上の大きさの見たこともない巨大な生花がステージを占拠!!!!私は圧倒されました。日本に居ては経験できないような体験の洪水は、正にアート留学そのものでした。もちろん私も負けじと、音楽・ジュエリー・環境のテーマでロサンゼルス中を駆け回りました。そして訪れたチャンスが「日本人のアイデンティティに働きかけるような環境イベントをやってほしい」というオファーです。ドジャースの選手の息子等のセレブが通う、学校の記念イベントをプロデュースする機会が巡ってきたのです。それが現在メイン事業となっている環境学習プログラム【温故知新】の始まりでした。その経験は、今思い返すと「良くあんなこと出来たな、、」とにわかには信じられないような内容で、日本国総領事館、国際交流基金を後援に、着物のファッションショーからお茶会、NASAの教授まで来るというお祭り騒ぎで、2つのTV Newsで放映されました。勉強に勉強を重ね、領事館に提出し領事秘書が「完璧!」と評価して下さった報告書が、現在の取組の基礎概念を産みました。私は長く「何故環境活動が広まらないか」を深く考察するウチ、大量廃棄を抑止する何かを、人の憧れに演出できたらと考えるようになり、そのテーマを模索する中でこのイベントを機に閃いたのが茶道なのです。

茶道の相手を想うことだけを一心に追求した、人、物を大切に扱うその点て姿を改めて見てみましょう。その様はただただ美しく、客人の為に用意した空間の中で、無駄なモノは一切存在しないのです・・・想いを伝える大事な媒介だからモノは大切に扱い、沢山の人の手によって誕生したその一瞬の感動を無私にする姿勢が、その心を長く伝えてきた。私自身これまで日米で20回程お茶会を開催してきましたが、毎回、その茶会の凜とした空気に包まれた瞬間、参加者の佇まいは引き締まります。作法が分からないという事もあるでしょうが、横で解説をしていても顔は強張り、手は震え、たった一杯のお茶を飲むだけなのに、誰もが感動のコメントを述べるのです。その精神はモッタイナイや3Rの価値を最大化できると確信しました。「環境がXXだ!」と声を張り上げるのも良いでしょうが、限りある資源を無駄にするのは「勿体無い」と、多くの人が自然と想うようになるために「心から美しくなろう」と呼びかけるのは、CO2の説明よりよほど関心を持ってもらえるだろうし、「一期一会」「おもてなし」という人との接し方を通して、環境への接し方も見つめ直す。茶道の凛とした空気に包まれ「心を感じる」という優雅な時間を過ごすって、そもそもなんかオシャレじゃないですか?

5歳の子どもや80歳の高齢者だって環境問題の当事者なのです。「低炭素社会が・・」とか「太陽光の発電所を・・・」など、ハッキリ言って全く私事じゃない。それよりも毎日の生活に少しだけ背筋を伸ばす時間を設け、美しい生き方を学び、季節を感じることで自然を想う時間も取り入れる。「それこそが環境を想うことだ!」とか偉そうに主張せずとも、毎月でも毎週でもお茶会を繰り返す中で、自然と身に付く事の方がきっと多いでしょう。エコ講習会になんか何度も足を運ばないですよね? これが私の提案です。

モデル:徳友庵SOURIN

文 章:渡邊圭
モデル:徳友庵SOURIN
NPO法人 Forever Green
Email: ngo.fg@hotmail.co.jp
URL: http://npo-forevergreen.jimdo.com/

筆者紹介

渡邊圭(わたなべ けい)

アーティストとしてアメリカで勝負しようとしていた自分が、マーケティングとして、最初にしなければならなかったことは、日本人が何を美しいと想い歴史を重ねてきたのかを知ることだったのだ!と思うと、目から鱗が落ちる気分でした。そして、学んだ「茶の湯」の世界観の精神性の高さと、何を美しいのかと定義する独自性、その茶道の在るべき姿とは、途方もなく美しかった、、、こんな芸術があったのか!と、感動を禁じ得ませんでした。その後、自国の文化に自信を持てた時、世界の誰にも負けない物を持っていると心から思えた時、それはどんな励ましの声よりも私の心を強くしました。それはそうでしょう「世界の誰にも負けない」なんて気持ちでいられたら、こんなに心強いものなんてないですよね。

この経験は、帰国後の私に大きな示唆を産みます。そんな目線で地球儀を眺めたことなんかなかったからです。「日本人として、世界に何を訴えるか。」きっと我々にしか出来ない仕事/提案があるに違いないと確信しました。私は日本文化の特性を分析していくうちに、それが世界的大きなニーズに当てはまることを発見したのです。その可能性を考えると、ワクワクします。

 

 

 

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