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書評 「今日は、心を 見つめる日。」 サンマーク出版 衛藤信之 著

by staff on 2015/12/10, 木曜日
 
タイトル 今日は、心をみつめる日。
単行本 207ページ
出版社 サンマーク出版 (2010/11/18)
ISBN-10 4763131117
ISBN-13 978-4763131119
発売日 2010/11/18
購入 Amazonで購入

まえまえから衛藤さんの本を読んでみたいと思っていました。とても気になっていました。読んでみて驚きました。何か大きなヒントをいただいたような気がしました。

「幸せはどこにあり、どうすれば手に入れられるのでしょう? 一つ確かなのは、幸せは外から訪れてくるものではないということです。それは自分の内側からうまれてくるものです。」おぼろげながら、自分のどこかに思っていることです。「あって当りまえの世界で、うまくいって当然という価値観のなかに生きています。だから、その当りまえが少しでもうまくいかないと、それがそのままストレスや不満になってしまう。」「その意味で、ないこと不足していることは、けっして不幸につながるマイナス要素ではありません。むしろ幸福の種子であり、人が成長するための力となるのびしろだとかんがえるべきなのです。」

インディアンに学ぶ悲しみを受け入れる知恵という項目のところがあります。
「あきらめという知恵が生まれてきます。ここでいうあきらめとは、私たちがふだん使っている断念するという意味の後ろ向きの言葉ではありません。人間の力ではどうにもならない事実を明らかに知る“明らめ”という意味です。目の前の現実をしっかりと見きわめてそれをありのままに受け入れること。大切な人との別れという、どうしようもなく悲しく、認めたくない事実から目をそらさず、その現実を自分のなかに受容することです。」筆者はインディアンの知恵を伝える語り部としても注目されています。

今という瞬間の大切さという章があります。
「今に満ち足りて、先のことを思いわずらわない。現代に没頭して、過去のことも未来のことも頭から放している。それによって、いまを深く生きることが可能になっているからです。過去、現在、未来。人間はその三種類の時間をもっていると思っていますが、どこまでいっても私たちは現在しか生きられません。」「過去のことをいつまでもくよくよ悩んだり、未来のことを先回りして心配したりしてないでしょうか。それは今という時間をおろそかに扱っていることにほかなりません。」といいきります。

「コップ一杯の水にもストーリーを感じよう」といいます。幼い頃の和尚さんのお話が出てきます。「それは今日の水だ。ほら窓の外を見てごらん。山の上に雲があるだろう。あの雲から降り注いだ雨が地面にしみこみ、大地の栄養分を吸収しながら土の中を通り、やがて貯水池から水道管で運ばれて、蛇口からそのコップへ注がれた。飲んでもらうために、長く遠い旅をしてきたんだ」今日だけの特別な水だと思って飲む水は、ただの水よりもはるかにおいしいと感じた記憶がありますといわれる。

さて、いい人を演じているといい人になれるといい、いつも笑っている人は幸せになれると言います。愛さなければ愛されないという不変の法則もあると言います。「自分の嫌な部分を認め、受け入れていれば、他人の嫌な部分がみえたとしても、じぶんにも似たところがある、と思え、他人に寛容に接することができるでしょう。他人に寛大な人は人からも認められ、愛されもするのです。」結論をいえば「人から愛されたいと思うなら、まず自分から人を愛さなくてはならない。また自分を愛することから始めなくては人を愛することもできないということです。」

さて、最終章に入って、「死後に結ばれる大いなるものとの永遠なきずな」という項があります。「インディアンの世界では、彼らは死とは土に帰ること、風になることだと考えています。彼らにとって、自然の中で死ぬことは最高の喜びなのです。なぜなら生きているあいだに、母なる大地からたくさんの水や空気や食べ物などをいただいてきた。だから死んだのちも、その自然が自分を迎えてくれる。」「死は帰ることであり、またつながることであるとおもっています。」「そう、あの世は、大好きだった人やなつかしい人たちと再会し、彼らとまた“つながる”ことができる、やすらぎと慈しみに満ちた世界の場でもあるのです。」

筆者はあとがきのなかで私たちに示唆しています。
「もっと、もっとの精神は、ムダな消費を生み出し、地球環境を破壊しかねません。」
「インディアンにホビ族という部族がいます。彼らは、 “母なる大地にこれ以上負担をかけると人類は滅びる” といっています。」
「これからは、なにげない日々の生活の中で小さな幸せを発見する能力を開発し、個人、家庭、地域、国家、地球を豊かな心で満たす時代だと考えています。」
心を見つめる日を持てたことに感謝しながら、この本を読み終わったのでした。

(文:横須賀 健治)

 

 

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