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かささぎの 渡せる橋に置く霜の 白きをみれば夜ぞ更けにける

by staff on 2015/12/10, 木曜日

♪ かささぎの 渡せる橋に置く霜の 白きをみれば夜ぞ更けにける ♪


絵・千絵崇石
 

読み人:中納言家持 (ちゅうなごんやかもち)

現代語訳・・「凍てつく冬の星空。かささぎが羽根を広げて橋を作り織姫と彦星を逢わせてくれると言う伝説の橋は、今、私の目の前でまっ白な霜をかぶって宮中へと続いている。夜が更けているんだな」

夜更けにふと目を覚まして、窓から広がる夜空を見上げる時があります。窓を開けてみれば星空は冴え冴えと静寂に包まれて、その上寒くて長く開けていられませんが、その一瞬の美しさは永遠普遍のメッセージを運んでくれたりします。

人が夜空を見上げる時はどんな時なのかしら、なにを思うのでしょうか?
この歌は、作者が二つの題材を一つに重ねて歌ったもの、と言われています。
ひとつは七夕の夜にかささぎが織姫と彦星が逢えるように、その翼を重ねて銀河に橋をつくるという天の川伝説。そしてもう一つは自分の目の前にある橋。昔の宮中は建物と建物を結ぶために橋がかけられていたそうです。その橋が霜に覆われてまっ白になって暗い夜更けに浮かんでいる。そしてああ夜が更けているんだと思う。
説明が難しいけど短い言葉から伝わってくるその美しさが、わたしの心に響きます。
作者の中納言家持とは あの有名な大伴家持のことです。

彼は万葉集の編纂に携わった事で歴史にその名前が残されています。小倉百人一首の藤原定家も有名ですが、大伴家持も私自身は子供のころから彼の名前だけは覚えていました。小学校の歴史で習ったのでしょうか? それとも誰か大人が話してくれたのを覚えていたのでしょうか? オオトモノヤカモチ という名前の響きだけが心に残っていました。

何をした人かは、「和歌うた」を始めるまでは知りませんでした。それも私にとっての大伴家は彼の父親の大伴旅人の方が先に親しみがありました。彼のお父さんの大伴旅人は軍人でしたが風流な歌人でもありました。大伴旅人が九州の太宰府に赴任したときには、奥様と一緒でしたが、太宰府赴任中に奥様が無くなって、都に戻る時には一人の船旅となり、その悲しさを来る時と同じ寄港先で読んだ歌が、もう涙を誘うものばかり。

♪ わぎもこが 見し智の浦のむろの木は 常世にあれど 見し人ぞ無き。 ♪
現代語訳・・・「私と妻が見た 智の浦海岸のむろの木は いまでも見えるが、一緒に見た妻はもうこの世にはいない。」  愛妻に先立たれた老夫の悲しみが伝わってきます。
やっと我が家に帰り着いてみれば、庭で妻が植えた木が大きくなっていて、そこでもまた悲しくて歌を読む。本当に奥様を愛していたのでしょうね、彼はその後すぐ無くなります。

息子の家持は両親が無くなってからは大した出世も出来ずに不運な生涯を送ったと言われています。現在 万葉集と言う日本文化の基盤と言われる歌集を編纂して残した事により、其の当時成功していた人達とは比べ物にならない程長きにわたってその名前が日本人の口に上る人物になるとは・・・人生は本当に分かりません。当時、彼が夜更けに感じとった 冬空の美しさとファンタジー。この和歌を取っても、人生の栄枯衰退とはまったく関係のない「美しさ」というピュアな永遠性を彼の内側が、常に把持していたのだと思います。

(早苗ネネ♪)

三十六歌仙CDアルバム発売記念ライブ

三十六歌仙CDアルバム発売記念ライブを次の要項で開催する運びとなりました。是非ともお越しください。皆様に会えることを楽しみにしております。

日時 2015年12月14日(月) 19時~
場所

Piano Bar 本牧
横浜市中区相生町5丁目79-3ベルビル馬車道1F
TEL:045 664-9711
JR/地下鉄関内駅みなとみらい線馬車道駅。馬車道から相生通りに入る(角に平安堂薬局と生香園の間)とすぐの白亜の建物の1階
チャージ 当日 ¥5,000(1drink+おつまみ)
前売り 当日 ¥4,000(1drink+おつまみ)
お問合せ 045-322-0846(高野慈子まで)
サポート
ミュージシャン
中尾博行(Pf)
イタリア・ポルトガル、中国などでオペラの伴奏をエレクトーン一台で行う。帰国後は、ヴォイストレーニング指導や、ジャズ・クラシック演奏、有名歌手の伴奏までマルチにこなす。2013年、天皇・皇后陛下の踊りの伴奏を行う。また、「The Mash」というバンドを結成、日野皓正氏とも共演し好評を博す。音楽活動を通じて東北の復興支援を積極的に行っている。
 
松本ジョージ(VO/Pf)
Piano Bar 本牧のオーナー
新曲披露 『恋のかけひき』 作詞:高野慈子/作曲:早苗ネネ
後援 ヨコハマNOW

 

三十六歌仙CDアルバムによせて

 

10代の頃、じゅん&ネネのネネとして歌っていた時、多くの方から「北の政所のねね様と同じ名前ですね」と言われ、歴史上に残る方と同じ名前を頂いた事で直ぐに覚えて頂き、良い事が沢山ありました。時が経ち、50歳を過ぎた頃にやっと自分のライフワークを見つけ、「和歌うた」を歌い続けて13年程に成りますが2014年の京都高台寺音楽祭に出演させて頂いた折に、三十六歌仙が高台寺様に遺されているのを知りました。その時にぜひ三十六歌仙にメロディーを付けて同じ名前のねね様に奉納したいとの思いを抱き、2015年9月6日、ねね様のご命日に発表させて頂く事に成りました。

和歌のアルバムとしては10年ぶりでやっと二枚目アルバムです。一枚目のアルバム「花のいろは」は蟠龍寺スタジオの仲間に助けられて生まれました。そして今回のアルバムも製作費は今まで私の和歌うたを聞いて応援して下さった方々のご支援で賄われています。暗中模索と無我夢中で今までよろよろと歩いてきましたが、そんな私を支えてくれる大きな愛情に気が付いて、なんて幸せ者なのかしらと思います。有難うございます。これからも自分の道を信じて歩いてゆきます。

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
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横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
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