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映画になったヨコハマ(第10回) ゴジラがみなとみらい21をなぎ倒す

by staff on 2016/1/10, 日曜日
ゴジラvsモスラ  

ゴジラvsモスラ

制作 1992年 東宝
脚本 大森一樹
監督 大河原孝夫
出演 別所哲也 小林聡美 村田雄浩 小高恵美 宝田明
DVD・Blu-ray発売元 東宝

本作は、平成ゴジラシリーズでは最大のヒット作。日本が生んだ史上最大・最強(?)の怪獣ゴジラが、横浜で大暴れする。

ゴジラは、『広辞苑』に唯一その名が登場する怪獣だ。「ゴリラとクジラを合わせた造語……ビキニ環礁近くに太古より眠る生物が水爆実験の放射能で巨大化し、日本を襲う。続編も次々に作られ、怪獣映画を世界的に流行させた」とある通り、歴代ゴジラ映画は外貨獲得にも貢献している。第1作は1954年、同年のビキニ環礁での核実験に触発されて製作された。核の落とし子として出現した怪獣が最後は人間に葬られるという、人間の身勝手さが描かれたが、徐々に社会的色彩は薄れ、娯楽色が強くなっている。

本作の主人公、拓也(別所哲也)、タイの遺跡で盗掘をしていて逮捕され、釈放と引き替えに、国家環境計画局からインファント島の謎の巨大物体の調査の依頼を受ける。それは、元妻の雅子(小林聡美)の差し金でもあり、家族の再生が縦軸の物語である。

インファント島を訪ねた拓也、雅子、同島を開発する丸友観光社員である安東(村田雄浩)は、モスラの卵を発見する。

モスラは、ゴジラ、ラドンに続く “東宝三大怪獣” の1つで、moth(蛾)から命名された、体長100m超の巨大な蛾の怪獣だ。1961年の映画『モスラ』は、中村真一郎、福永武彦、堀田善衛という文人3人による小説を原作としている。「小美人」と共に登場するモスラが母性のイメージを持ち、その神話はロマンチックである。

本作の「小美人」は、地球破壊を憂う先住民族、コスモスとして誕生する。日本に船で移送中、モスラは孵化。さらに、丸友観光に連れ去られたコスモスを探して東京に上陸し、国会議事堂で繭を作って成虫となる。

隕石で復活したゴジラ、モスラに、モスラと同族のバトラを加え、クライマックスの三つどもえ戦は、横浜が舞台。「ゴジラが横浜に向かっています」のアナウンスで、人々が逃げ惑う。本当の主役である怪獣たちの闘いを見守り、声援を送る元夫婦とその幼い娘。

公開時、開業直前だった横浜ランドマークタワーを含め、横浜みなとみらい21は大きく破壊されたが、環境破壊問題に警鐘を鳴らすこと、家族の絆を取り戻すことには成功したようだ。

横浜度(横浜の露出度、横浜を味わえる度) 35%

筆者紹介

塚崎朝子(つかさき あさこ)

ジャーナリスト。世田谷生まれの世田谷育ち。読売新聞記者を経て、医学・医療、科学・技術分野の執筆が多いが、趣味の映画紹介も10年以上書き続けている。年に数時間だけ、横浜市内のキャンパスで教壇に立たせていただいている。

著書に、『慶應義塾大学病院の医師100人と学ぶ病気の予習帳』『新薬に挑んだ日本人科学者たち』(いずれも講談社)、『iPS細胞はいつ患者に届くのか』(岩波書店)など。「日経Gooday」で「その異常値、戻しましょう-STOP・メタボの12ステップ」連載中。

 

 


 

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