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I love Japan(第8回) 大学生50名の大茶会!

by staff on 2016/3/10, 木曜日
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皆さんこんにちは、NPO法人フォーエヴァーグリーンの渡邊です。一番寒い2月が終わり、春の訪れが待ち遠しい3月になりました。年度末ということもあり、慌ただしい日々を送られていることと思いますが、私は人生初のインフルエンザを体験し、38.5度くらいまでは「ゼンゼン平気」と強がっていたのですが、解熱剤を飲んでも熱は上がる一方で39度を超えたあたりでダウンしました。皆様もくれぐれもお身体にはお気を付けて下さい。

さて、先月は久しぶりに大茶会を開催し、改めて茶道の素晴らしさを体験したのでお伝えさせていただきたいと思います。2月20日はRCE横浜若者連盟なる学生団体さんにお招きいただき、「ハマコン」という横浜を中心とした5つの大学の環境サークルの発表会で、約50名の大学生達にお茶を振舞ってきました。「お抹茶を飲んだことがある方は?」と訪ねたところ、驚いたことに半分以上の方がYesと答えました。これは比率としてはとても高く、「環境と茶道(伝統文化)」という提案も、代表者5名に感想を伺いましたが、ほぼ正確にご理解いただけました。これまで「なんで?」という質問が圧倒的に多かったので、今回はどうなのだろうと思っていましたが、とても嬉しい結果となりました。以前、杉並区の茶室のある小学校で開催した際の理解率は97%だったことを思うと、茶道体験者は「環境と茶道」という問いかけをほぼ正確に理解するということが読み取れます。そう、茶道の世界観を正確に感じることができた人は、ほぼ間違いなく、環境保全に必要とされる倫理観や、日本文化の端々に散りばめられているエコロジカルなライフスタイルがどういうものかを理解するのです。茶道の何が素晴らしいかというと、茶碗がどうとかそういう意味での素晴らしいということもありますが、私的には、環境保全に求められる倫理観を100%肯定できる価値観って、なんて都合が良いのだろうと思います。少々、表現の仕方に悩みますが、要するに、現代社会で次世代を気遣おうと呼びかけても、個人が「気遣わないことを悪いこと」と咎められることは稀です。「お前、次世代を思い遣ってないの?最低だね!」とは滅多に言いませんよね。当然私も、環境保全団体の理事長だからといって、友人に対してそんなこと決して口にしません。飲み屋でそんな風に問い詰められたらヒキますよね。しかし、お茶の世界では、次の人を思いやらない人は叱られるのです。茶室で一番最初にお茶をいただく方のことを正客(しょうきゃく)と呼びますが、お茶を受け取ると茶室の客人全員に向けて、最初に一言「お高いところから失礼いたします。」と先にお茶を召し上がることにエクスキューズします。次に飲む方も、その次に待つ人に対し「お先に失礼いたします。」と礼をします。お稽古でそれを学ぶのですが、その茶道の世界観、芸術性の概念において、次の人に対しての配慮ができないことは「悪い事」なワケです。

私は環境保全をどうやったら「誰もが無理なく、進んで、出来るようになるだろうか」と考えている人間です。それは最初から、私一人で解決できることとは思っていないので、赤の他人にどのように呼びかければ自発的に動くのだろうと知恵を絞って参りました。そのアイディアの根本をどこに、一体何に的を絞るかが最も大切で、私は環境問題とは心の問題と定義付けたのです。モラルと心の豊かさです。

どういうことかというと、全世界的に環境問題の殆どはエネルギーの問題とされておりますが、一つだけ実質的な矛盾があって、それは「今の生活を手放さないこと」を前提に語られている点が、私は大きな問題だと考えています。こんなに便利な必要ってあるのでしょうか?裕福な生活、快適な暮らしを求めることを悪いことだなんて思いませんが、そもそも私達が満足するに足る本当の豊かさを考えると、省ける無駄って一杯あるはずです。それを考えずに一方的にエネルギーを消費し続ける生活を維持する前提で、どうやったら少ないエネルギーで今の暮らしを保てるかを語るのって矛盾してると思いませんか?その矛盾の何処を正すかの線引きをすることはとても難しい課題の一つで、どこまでを許して、何は規制するか等の議論はいつまでも収束に向かいません。

そこで私が提案させていただきたいのが「茶の湯」の世界。茶道の価値とは、一言で言うと「私とあなたの幸せ」だと思います。表現の仕方に重みがないことはお許し下さい。そんなに大袈裟に語らなくても、その価値は十分に伝えられます。大前提、茶道は一人では絶対に成立しないのが、他の芸術とは大きく一線を画します。多くの芸術は自身の内面を表現する際に、一人で己と向き合いますが、茶道は常に他者との関わりの中にその答えを求めるのです。絵画や音楽は作者の手を離れてもメッセージを発信しますが、茶道は茶人の目の前には常に客があり、その目の前の客人とどう有意義な時間を過ごすかを考える芸術なのです。二人の人間がお互いにハッピーになれることを追求するのが茶道だとすると、いかがでしょうか。たった二人で世界中の幸せをシェアできる。そんなに大量のエネルギーも、溢れるほどの食べ物も、壁を埋め尽くすほどの飾り物も、何も要りません。お互いが思いやりを持って、ひと時をゆっくり過ごすだけで心豊かに楽しく過ごせたら、それ以上に必要なものって逆に探す方が難しいと思いませんか?

足るを学び、思いやりの無さを良しとしない。それこそが、現代に求められる倫理観と心の充足だと思い、環境保護団体として、日本文化を発信しています。もちろんこれは極論で、理想主義に聞こえるかもしれません。当然、世界中の人が茶筅を回せば気候変動が止まるとは断言できませんが、何から「次の世代の生き方に相応しい指針」を学ぶかを考えると、日本文化は素晴らしい教材だと思います。
何より女の子が可愛いって最高じゃないですか(笑

※ハクビ京都着物学院様ご協力誠に有難うございました。

文 章: 渡邊圭
Model: 徳友庵SOURIN & RCE横浜若者連盟
写真提供: RCE横浜若者連盟
NPO法人フォーエヴァーグリーン Email: info@forever-green.jp
URL: http://www.forever-green.jp/

筆者紹介

渡邊圭(わたなべ けい)

アーティストとしてアメリカで勝負しようとしていた自分が、マーケティングとして、最初にしなければならなかったことは、日本人が何を美しいと想い歴史を重ねてきたのかを知ることだったのだ!と思うと、目から鱗が落ちる気分でした。そして、学んだ「茶の湯」の世界観の精神性の高さと、何を美しいのかと定義する独自性、その茶道の在るべき姿とは、途方もなく美しかった、、、こんな芸術があったのか!と、感動を禁じ得ませんでした。その後、自国の文化に自信を持てた時、世界の誰にも負けない物を持っていると心から思えた時、それはどんな励ましの声よりも私の心を強くしました。それはそうでしょう「世界の誰にも負けない」なんて気持ちでいられたら、こんなに心強いものなんてないですよね。

この経験は、帰国後の私に大きな示唆を産みます。そんな目線で地球儀を眺めたことなんかなかったからです。「日本人として、世界に何を訴えるか。」きっと我々にしか出来ない仕事/提案があるに違いないと確信しました。私は日本文化の特性を分析していくうちに、それが世界的大きなニーズに当てはまることを発見したのです。その可能性を考えると、ワクワクします。

 

 

 

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