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書評 「いまを生きる言葉『森のイスキア』より」 講談社 佐藤初女 著

by staff on 2016/4/10, 日曜日
 
タイトル いまを生きる言葉「森のイスキア」より
単行本 210ページ
出版社 講談社 (2002/11/27)
ISBN-10 4062116197
ISBN-13 978-4062116190
発売日 2002/11/27
購入 Amazonで購入

食材を「命」と思うことは、
      人を大事にすることに通じます。

「こころの入った手作りをたべていると、心が満たされてきます。」「生き方と食事には、不思議なつながりがあるって考えているの。素材の命を生かすような料理をすれば、人も生かされるって。」
この本を書評にしたいと思っていたら、佐藤初女さんの訃報が報道されたのです。初女さんの話は前々から人づてに聞いていました。野菜の皮をむくとき、にんじんにも命があるのだから、いたくないようにと心をこめて、包丁でうすくむいていきます。もし自分がにんじんだったらどうされたいかと考えるのです。食べることは、いのちをうつしかえることです。それをいかすためにどんな調理が合うか考えますというのです。

こころの扉を開く「おむすび」の作り方が出てきます。

  1. ご飯はその時のお米の様子で」水加減を決めて炊く。一粒一粒が立っていると、呼吸できているとおもいます。
  2. のりはなるべくうすいものを選ぶ。長辺のほうを少し切り、四等分して四枚の正方形をつくっておく。
  3. 小鉢か茶碗にそっと盛り、平らにならし木のまな板にふせてごはんの山を作る。
  4. あら熱が取れたら、ごはんの真ん中をへこませ梅干をおいていく。ひとつの梅干しを三等分するくらいで。
  5. 手にあら塩をまぶして、「おいしくなあれ」との気持ち、米粒が呼吸できる力具合でいつも握っています。
  6. のりをつける時は手をよく吹いてから。まず、片側に貼って互い違いにご飯みえないように反対側にも。
  7. のりでまんべんなく包んだおむすびは、ザルにタオルを敷いた上に乗せ、またタオルでおおっておくこと。

「森のイスキアにある大きなちゃぶ台は、みんなの顔が見えるし、話も通じるのです。」「家族がテーブルを囲んで一緒に食べる。すると、自然に和ができてくるのです。」「一緒に食べることは、深いところでこころが通い合えるのです。おなかだみたされてくると、自然に感謝の気持ちが湧いてきて、次には、他人になにかしてあげたくなるもののようです。」
「食卓で一番心がけたいのは、素材を作った(神様)、調理する人に感謝するこころではないでしょうか。」「太陽の下、人間にとって  飲み食いし、楽しむ以上の幸福はない。それは、太陽の下、神が彼に与える人生の日々の労苦に添えられたものなのだ(コヘレトの言葉)。」

佐藤さんの住む弘前市の岩木山のふもとにある森のイスキアには、冬は3,4メートルもの深い雪に埋もれていますが、春の雪解けを待って、こころが疲れた人や生きる方向を見失た人が、全国から毎日のように訪れているのです。訪れる人は男女を問わず、年齢も、抱える問題や課題もさまざま、“受け入れられたい”と願いながら満たされず、こころに傷を抱えています。

「出会う一人ひとりをだいじにして、小さいと思われることもだいじにして、今、ここにあることだけにいっしょうけんめいになる。」「後悔や不安などのこころの迷いは、ちょうど重い荷物のようなものです。不必要なものまで背負い込んでいると、いつの間にか重荷に押しつぶされて、自分が心配していた悪いことばかりの現実になってしまいます。そして、自分自身が招いた悪い結果を見て、“やっぱりわたしはダメなんだ”と、また別の重荷を背負いこんでしまうのです。」「重荷を背負いこんでいるという自分自身に気づき、不要な荷物は自分で捨てることしか、解決のみちはないのです。」「苦しみから這い出す時は、自分の好きなことに挑戦して、気分転換し、少しずつ、忘れていくようにします。」

イスキアは地中海にある島の名前だそうです。思いを寄せる女性に愛を打ち明け、うけいれられ、これですべてが満たされたと思った途端に生きる気力を青年はうしなって仕舞ました。青年は、何とか生気を取り戻したいと思った時、幼い頃に父親に連れられて行ったイスキア島を思い出しました。荒れ果てた教会跡に住み、夜になれば壊れた窓ガラスから月光を眺めながら暮らすうち、見事に立ち直りました。ナポリの町に帰ってきてから、父親の仕事を手伝いながらいきいきと社会のために奉仕したのです。この物語の青年の生き方が、佐藤さんたちの活動の主旨によく通じるので、それこそがふさわしい命名だとおもったそうです。

「せいかつのなかにこそ 祈りがあります。」「幸せも安らぎも、どこか遠くに求めるものではありません。 ちょうど、今に満足できることが 本当の豊かさであるように、 大切なのは“今、ここ”を生きること。」「自分本位に暮らしたり、いいかげんに妥協したりして生きると、過去が悔いになってしまいます。その反対に、今をていねいに生きていると、今が明日に続き、希望や夢につながっていきます。そして自然と、望ましい未来があけてくるのです。」

佐藤初女さんが永久の旅に出られたこの2016年2月1日に「今を生きている自分」をそれを知らずに書いていました。「亡くなったひとが“こうなったらいいなあ”とおもうように生きることがその人を生かし続けることができる。」とのコメントが寄せられていました。佐藤初女さんは「そばにいて共感し、その人自身が解決方法を見つける・・。それを一番大事に思っている。」とおっしゃっている。心がけていきたいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。

「今を生きている自分」
人生は今あること  今あることが人生
あなたに嫌われたくて  生きているんじゃない
人生は生かされている今  今をいきている自分
  かぎりある人生を  どうゆたかにしていくか
  今がある  役目を自覚していくことだ
  自分がつくり出す人生  今日は新しい月のはじまり

(文:横須賀 健治)

 

 

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