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かくとだに えやはいぶきのさしも草 さしもし知らじな もゆる思ひを

by staff on 2016/5/10, 火曜日

♪ かくとだに えやはいぶきのさしも草 さしもし知らじな もゆる思ひを ♪


絵・千絵崇石
 

読み人:藤原実方朝臣(ふじわらのさねかたあそん)

現代語訳・・・こんなにも好きなのに言う事ができない、伊吹山のさしも草じゃないけれど、くすぶって燃えているんだ。胸を焦がしている事 貴女はしらないだろうな。

文献を読んでみると、この歌は非常に技巧がほどこされていると言われています。色々と韻を踏んでいるからかもしれませんが、言葉にしてみると、意味は分からなくてもすぐ覚えてしまいそうなリズムの良さが在ります。

この歌は私の楽曲の中ではちょっと変則のリズムで 4分の4にワルツが入ってきます。最近メロディが出来たばかりの歌なので今一番気に入っているうたです。私が勝手に付けたタイトルは「片思い」そしてこの片思いの相手は・・・ やはり清少納言でなくちゃ!!

清少納言の方は 「枕草子」で彼の事をさらっと、書いているだけなんですって。
(ごめんなさい未だ枕草子を読んでおりません。ですので聞きかじりです)
きっとただの 和歌友だち ぐらいにしか考えてなかったようですが、彼の方は 清少納言とのやり取りの歌などは「実方朝臣集」にきちっと記録として書いてあるそうです。

私はこの歌には、なぜか、けだるい午後の気配を感じます。恋に落ちた若者が彼女の事ばかり考えて何も手につかない状態で、自分の気持ちを持てあましている日々。
そして数日かけて、やっと出来たのがこの歌。このうたを彼女の元に送れば 送ったで又その返事がいつ帰ってくるのか、もしくは、返ってこないかもしれない。もんもんとして何も手につかない。恋って厄介な物ですね。私も何度か恋に落ちた経験が在りますが、苦しさの方が先に立って本当に大変でした。そして恋に落ちた男性とは絶対進展しなかったので、わたしの恋はいつも片思いのままで終わっていきました。

藤原実方朝臣のエピソードで有名なのは、宮中で、出会った同僚と口論した揚句、相手の烏帽子を怒りにまかせて叩き落してしまった事件です。情熱的で激しやすいタイプの男性だったのでしょうね。想像するだけで、そんな事をやっちゃおしまいだよ!!と思いますが、やはり偶然にそれを見ていた一条天皇が怒りました。
天皇は彼に「陸奥の歌まくらでも見てまいれ!!」と。 なかなか素敵な怒り方です。
そして実方は陸奥へ左遷されてしまい、その土地で事故に遭い40代で無くなります。その後、彼が望郷の念から雀になって、宮中に現れたと言う話しもあり、京都の四条大宮にある更雀寺には実方の雀塚があると言う事です。若い時は女性にもてて、源氏物語のモデルの一人と言われていた藤原実方さん。ちょっぴり人生の悲哀を感じます。

お陰さまで 早苗ネネは和歌うた 小倉百人一首 全首メロディ達成です。
6月から8月上旬までの2カ月間クラウドファンディングでこのアルバムの制作資金を募ります。
目標達成金額は250万円。
来月は、「和歌うた」はちょっとお休みさせていただき、そのプロジェクトのお知らせをさせて頂きますね。
最近の私はその事もあって、とても燃えています。
さしも知らじな 燃ゆる思ひを♪

(早苗ネネ♪)

 

三十六歌仙CDアルバムによせて

 

10代の頃、じゅん&ネネのネネとして歌っていた時、多くの方から「北の政所のねね様と同じ名前ですね」と言われ、歴史上に残る方と同じ名前を頂いた事で直ぐに覚えて頂き、良い事が沢山ありました。時が経ち、50歳を過ぎた頃にやっと自分のライフワークを見つけ、「和歌うた」を歌い続けて13年程に成りますが2014年の京都高台寺音楽祭に出演させて頂いた折に、三十六歌仙が高台寺様に遺されているのを知りました。その時にぜひ三十六歌仙にメロディーを付けて同じ名前のねね様に奉納したいとの思いを抱き、2015年9月6日、ねね様のご命日に発表させて頂く事に成りました。

和歌のアルバムとしては10年ぶりでやっと二枚目アルバムです。一枚目のアルバム「花のいろは」は蟠龍寺スタジオの仲間に助けられて生まれました。そして今回のアルバムも製作費は今まで私の和歌うたを聞いて応援して下さった方々のご支援で賄われています。暗中模索と無我夢中で今までよろよろと歩いてきましたが、そんな私を支えてくれる大きな愛情に気が付いて、なんて幸せ者なのかしらと思います。有難うございます。これからも自分の道を信じて歩いてゆきます。

早苗ネネ/京都・高台寺 北の政所・ねねさまに捧げる三十六歌仙 『和歌うた』CDアルバムは、 ヨコハマNOWオンラインショップ で販売しております。

 

早苗ネネさん 和歌うたLIVE

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
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