第11回　夏と手仕事

　梅雨も明け、いよいよ夏本番という季候になって参りました。外からは蝉時雨が聞こえますが、気温が上がってからというもの、蚊に悩まされることは減ったように思います。暑すぎると蚊も活動出来ないという話も聞きますが、ともあれ、人間も暑さに負けないように体調管理に気を付けて過ごさないといけませんね。白崎文子です。

　最近、ポリプロピレンのバンドでかごを編むことを始めました。「PPバンド」という名称で売られている、元々は梱包用の平たいバンドです。近年は、手芸用として様々な色合いのもの、やや柔らかく扱いやすいものなども売られています。これらは特にベトナムなどでは一般的で、街のいたる所で様々な色・柄に編まれたかご・バッグを見ることが出来るそうです。
　ポリプロピレンは丈夫で軽く、水にも強い素材ですから、水辺へ行く時にも活躍します。また、山菜や木の実などを傷めずに運ぶことにも向いていると言いますから、野外活動に適したシーズンは特に魅力を感じますね。
　今は本をしまうためのシンプルなバスケットを編んでいるだけですが、少しずつ大きいものや持ち手付きのもの、ふた付きのものなどにも挑戦したいと思っています。半透明のバンドで編んだバッグなど涼しげでこの季節にはぴったりだと思うのですが、編めるようになる頃には冬になってしまいそうな気もします。来年のお楽しみですね。
　こうした編み物などの手仕事は、精神安定や脳の活性化など様々な有益な効果もあると言います。実際、黙々とかごを編む作業はとても楽しいものです。毛糸などに比べると随分とかさばるので、出先に持って行けないのが残念なほど。とは言え、手仕事は目も使いますし肩も凝りやすいですから、いかに有益な効果があると言っても、ほどほどにしておくのが丁度いいのかもしれません。

　家の中で細かなものを作ると言うと秋の夜長や冬の仕事のイメージもありますが、暑くて外に出たくないような日もこうした作業には向いているのではないでしょうか。
　セミや蚊の活動も変わりつつある昨今、屋内で体を休める機会も意識して取ることが現代的な夏の過ごし方かもしれませんね。白崎文子でした。

（文：白崎文子／）