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横浜は、私にとって「受け入れて背中を押してくれる街」です。日本茶インストラクター 井上香織さん

by staff on 2016/10/10, 月曜日

最近、美味しい日本茶と出合うことができる『日本茶専門店』が増えてきました。京都では特産の宇治茶使ってお抹茶はもとより、抹茶ミルクや抹茶/日本茶サワーなどの飲み物、和菓子や洋菓子、茶そば、茶葉の天ぷら等の料理まで・・・お茶や茶葉を使ったものを出す店舗を多く見つけることができます。 日本茶の専門店は東京都内では言うまでも無く、横浜でも大型商業施設や元町などの繁華街で見かけるようになりました。 老舗茶舗が全国にチェーン展開をしています。一方、急須の無い世帯も増え、お茶はペットボトルで済ませるといった風潮も出ています。今回は日本茶インストラクターという肩書きを持つ井上香織さんにご自身のこと、日本茶のことをお伺いいたしました。

日本茶インストラクター 井上香織さん
日本茶インストラクター
井上 香織さん
撮影:辰巳隆昭
 
お名前 井上 香織(いのうえ かおり)
お生まれ 1966年10月 京都/舞鶴
お住い 港北区
ご家族 夫 大学生と高校生の息子2人
ご趣味 鉄道ファン、マラソン
お仕事 日本茶インストラクター
Facebook 井上 香織
BLOG 井上香織 Tea navi life

話を引き出してくれる先生との出会い

小学校4年生までは、本が好きな内気な少女でした。「小学校4年生まで」というのは、もともと活発な子だったのでしょうけれど、言葉にまとめるのが苦手で内気だと思われていたためです。

小学4年生の頃は歴史物が大好きで、『東海道中膝栗毛』の弥次喜多道中の話を読んで、「江戸時代の旅が面白い」と言った時、先生が「どう面白いの?」と話を繋げてくれました。頭の中にはいつも言いたいことが整理されずにいっぱいありました。その先生は上手に話を引き出してくれたので、小学校4年生からは、やりたいこと言いたいことがちゃんと言える子になりました。

父の顔を見ることができなかった。。。

海上自衛隊だった父の仕事の関係で一か所に定住できませんでした。港町を転々としました。港町は開放感溢れていました。来るものは拒まず、去る者は追わずといった感じです。父は艦艇で外洋に出ることもあり、半年以上帰って来ないこともありました。病弱な母と父の帰りを待つ生活でしたが、さて帰って来る日になると、照れてしまって父の顔をまともに見る事ができませんでした。このころの経験がのちにファザコンになるのです(笑)

父はラジオの『基礎英語講座』で英語を勉強していました。私も傍で一緒に勉強しました。私の方が先に覚えることもあり、そんな時は「父に勝った」という優越感に浸りました。そのお陰で、英語と歴史が得意でした。スポーツは軟式テニスと陸上(200m走)をやりました。最近、また走っています。以前と違って、ランニングステーションがあったり、銭湯で着替えることができたり・・・と、街がランナーにやさしくなってきました。

法律と政治(社会学)が専攻でした

三重短期大学に入学し法律と社会学を専攻しました。社会学は特に面白かったです。短大生の時でした、サークルの先輩が全日空に受かりました。私は、自分が事務系のOLには向かないと思っていたので『CA(キャビン アテンダント)も悪くないな』とピーンと来ました。身近な人がCAになったので、ならば私もなれるかも・・・って思ったのかもしれません。引っ越しが多く地方を転々としましたから、『地理』も好きでした。CAになって日本で、世界で働いてみたいと思いました。

初フライトは女満別

東亜国内航空(のちに日本エアシステムその後日本航空に統合)を受験し、わりとすんなり合格し、東京で訓練生活を送りました。訓練生はみな女性。皆のモチベーションが高いのでビックリしました。 「女同士って大変だ」と思いました。羽田の訓練施設と寮の往復で一日が終わり、季節が変わっていることにも気が付かない訓練生活でした。

初フライトは羽田と女満別(めまんべつ)の往復でした。地理が得意でしたが「女満別」は読めなかったです(苦笑) 始めて見る北海道の景色にただただ「広いな」という印象で、初フライトは外ばかり見ていました。

遠距離恋愛

夫は千歳空港勤務、地上職でした。遠距離恋愛です。(笑) 営業で転勤が多く、東京勤務の時に子供が生まれました。その時住んでいたのは横浜、子供達は「はまっ子」です。
2001年に主人の仕事の関係で鹿児島に引っ越しました。そこで出合ったのが「かごしま茶」でした。縁とは不思議なものです。

日本茶のインストラクターに

鹿児島では夫は仕事、子供たちは幼稚園や小学校と、社会との繋がりはありましたが、開放的な港町に育った主婦の私にとって、その土地はちょっと保守的に感じられました。
鹿児島にはフライトで度々来ていましたが、観光するのと住むのは違うと実感しました。

学校の保護者や近所の皆さんと「お茶」をして「かごしま茶」と出合いました。私も社会と関わっていたいと思って、新聞を見ていると「日本茶について書いてある記事」が載っていました。それには、「日本茶インストラクター」という資格があり、人を募集していると書いてありました。読んだその日の内に東京の日本茶インストラクター協会に電話をし、どうやったらインストラクターに成れるのかを聞きました。

撮影:辰巳隆昭

同じお茶を入れるにも

長年勤めたCAという仕事でも乗客の皆様にお茶を提供いたしますが、ピッチャーに入れたお茶をこぼさないように渡すことばかりに気を取られ、お茶の入れ方や味にはあまり関心がありませんでした。お茶の味はお茶の葉の良し悪しに関わるものだと思っていました。

ところが、インストラクターの講習を受けると、お茶の葉のこと、歴史、器の選び方、お湯の温度・・・と多岐にわたっての講習で、初めて知ることも多く、「日本茶を侮るなかれ」と思い知らされました。一生懸命勉強した成果が実り、試験に合格し、こうして、日本茶インストラクター井上香織が誕生しました。

インストラクターになると、日本茶についての講座のようなことを各地のカルチャーセンターなどで行うことができるのですが、集客できずにいました。「あえて日本茶のことを学ばなくても」と思われるのでしょうか? しかしながら、『少数精鋭』というように参加される方の日本茶への関心は高く、私も一生懸命に『日本茶の良さ』をお伝えしました。

そうそう「飲んで感動したことをお伝えしたい」という気持ちが、同じ志を持った女性との出会いとなりました。本当に縁とは不思議なものです。いろいろな催し物の企画から運営まで、アイディアを出し合い2人でそれを形にしていきました。苦労を共にしてきたので、私が横浜に移ることになった日には、別れを惜しんでワァワァーと泣きました。住む場所は違っても、新しい企画を始める時は真っ先に彼女に相談します。

美味しいお茶をどうぞ

最近は使用後のお茶の葉の処分が面倒だからと、ペットボトルやティーパックの緑茶が好まれるようになりました。急須の無い家庭も増えてきているとか?

会合などで、私がお茶を入れると「えっ? 同じお茶なの」と驚かれたり、値段の安いお茶も「どこの銘茶なの?」と言われたりと。。。こんなサプライズから「井上さん、お茶の入れ方を教えて」とお声を掛けられるようになりました。 まずはいつものお茶を美味しく飲んでいただき、感動してもらうこと、「どうしてこんな違いが生まれるの」と疑問に思っていただくことが、大切だと思いました。 こうして、コツコツと地道に続けてきたことが、認められてきたような気がします。

銀座有楽町にある鹿児島県のアンテナショップ「かごしま遊楽館」でイベントがあると「かごしま茶」のPRを頼まれたり、大手デパートでのお茶の販売のPRに呼ばれたりと、「かごしま茶」は元より、日本全国の美味しい日本茶のPRに呼び出されるようになりました。
日本茶インストラクターとしてお話する機会も増えてきています。2010年には横浜で開催されたAPEC CEOサミットにて足柄茶をPRさせていただきました。

ヨガとのコラボワークショップ

お茶を楽しみましょう

番茶や煎茶、玉露の違い、ほうじ茶や玄米茶、産地による違い・・・体を温めるお茶、喉の渇きを癒すお茶、食事を美味しくするお茶、おしゃべりを楽しくするお茶。。。お茶にもTPOがあります。 加えて、茶器に急須でお茶をいれる仕草はとても美しいと思います。

私はこの時期(8月に取材)は、朝は「くき茶」をお勧めします。カフェインが少なく、朝のひとときを清々しい気分にします。昼は深蒸しの渋みのあるお茶(煎茶)がお勧めです。食事をした後の口の中をスッキリさせます。3時は焙じ茶をいただきます。カフェインが少なく、香りを楽しむことができます。夜は家族団らん、時間をかけて水出しの緑茶を楽しみます。夏はガラスの急須を使い、茶葉が開いていくのを観て楽しむのも粋だと思います。お茶を楽しみましょう!

ヨコハマNOWでコラムを書きはじめました: コラム「お茶にしましょう
毎回、お茶の楽しみ方をご紹介いたします。こちらも是非お読みください。

インストラクターを育てる

ペットボトル時代の若い方たちにこそインストラクターになってもらいたくて、日本茶インストラクター協会の普及活動も行っています。
日本人だから緑茶を入れれば「日本茶」だというレベルでなく、本当に美味しい日本茶を入れるには、茶葉の特徴を知り、良さを引き出す方法を知ることが大切です。それを自身の言葉で伝られる日本茶インストラクターを育てることも大切な仕事です。

NPO法人日本茶インストラクター協会: https://www.nihoncha-inst.com/

井上さんにとっての横浜とは?

日本人の味覚は鋭く舌は肥えていて、味には敏感に反応します。例えば、日本酒の銘柄の多さには驚きます。最近のワインブームではソムリエのごとく、ワイン産地や味にこだわる人が増えました。飲食店では舌の肥えたお客様への対応に、所狭しと酒の銘柄を並べるようになっています。
そんな日本人の好む「日本茶」ですから、もっと「日本茶文化」を楽しく、美味しく、美しくすることが出来ると思います。

戦前は横浜から日本茶が世界中に輸出され、良い茶葉が商人に買い占められたという歴史があります。今、また日本食ブームが広がって、日本食に合う日本茶が世界に輸出されています。
港のある横浜、私が育った街と同じ、懐が深く毎日が新しい、気持ちになれます。
そんな、日本茶の歴史のある横浜は、私にとって「受け入れて背中を押してくれる街」です。

受け入れて背中を押してくれる街

撮影:辰巳隆昭

(インタビュー:高野慈子)

 

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