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横浜スケッチ(第18回) スケッチ一人旅

by staff on 2016/10/10, 月曜日

ペンネーム 成見 淳

先月9月5日から19日までの半月間、スケッチだけが目的の気ままな一人旅を続けていました。そのような事情で、今回は横浜の絵がどこにも出て来ない横浜スケッチ、かつ旅日記になってしまいました。

1993年9月後半、シルバー・ウィークを挟んで、遅い夏季休暇を取りIR活動(インベスター・リレーションズ。投資家に対する広報活動。)を行う為にバックパック姿でスコットランドランドのエディンバラを訪れたのがきっかけで、すっかりこちらに魅せられ、以来ほぼ通算10回位来たことになるでしょうか。その間こちらに友達や知り合いも出来、「Hi! Jun!」とか言われると来るたびに里帰りしたような気分になります。
私は2歳になる前からの横浜育ちですが、今やスコットランドが第2の故郷になりました。
今回、チューリッヒ以外は少なくとも一度は行ったことのある所ばかりでしたので、街のイメージは頭に入っており安心感はありましたが、やっぱり一人旅は予想外のことが起きますね。それが楽しみでもあるのですが・・・。

アムステルダム市内に9月5日の昼過ぎに着きました。ロンドンのヒースロー空港が嫌いで、もっぱらアムステルダムから乗継でエディンバラに行くことが多いのですが、今回は24時間以内に出国すれば乗継料金という制度を利用して運河を描くためだけに一泊しました。
宿はアンネ・フランクの家の近くで周りは運河だらけです。どこでも絵になる場所ばかりで、逆になかなか決めきれず苦労します。もう一つ困ったのが自転車。橋の手摺や柱にチェーンを括り付けて絶好の駐輪場。数が多過ぎて描き切れません。自分の技量と相談して省略することにして、翌朝人が少ない時間帯を狙って素早くデッサンをしました。

「アムステルダム1」水彩 F4 2016年9月

9月6日午後、アムステルダムからエディンバラ空港に着きました。入国手続きはとても簡単でしたが、EU離脱後はそうは行かないのでしょうね。
9月8日までエディンバラに三連泊し、かれこれ20年前にSNSで知った行きつけの日本人の女性が経営するMussel & Steak Bar と言うとても美味しいレストランに通いました。
前回来たのは2011年。エディンバラ祭りの直前。パントマイムとか色々なパフォーマンスを街中でやっていましたので、お店の前で友人に私の顔の能面を被ってもらい宣伝ビラを配ったり、ホテルの受付の女性に「写真を撮らせて欲しい。」と頼まれたりと、旅先でのノリで遊んでいました。
お面を友人の子供に見せると「Oh No!」と言って怖がるので「Yes this is a Japanese Noh Mask.」とジョークのつもりでしたが、分かったかなあ?
このお面を見せると誰でも簡単に仲良くなれて、コミュニケーションツールとしても有効です。結構あちこちと一緒に旅しています。

スコットランド人のご主人と知り合って結婚し、一緒に店を出し、子供を育て、しっかり異国の地に根を下ろしている女性を見ると応援したくなってしまいます。前回会ったのは5年前。
「すっかりスコットランドに根を下ろしましたね。」
「もう人生の半分をこちらで過ごすことになりましました。思っても見なかったです。」
「人生ってそんなもんでしょうね。」
「またいつか会いましょう」

エディンバラ城は高い岩山の上に立つ天然の要塞で、寝台列車で1993年に初めて訪れた時、早朝でまだ真っ暗な中にライトアップされてそびえ立つ姿に感動し、思わず声をあげました。駅は城の真下にありますからなおさらそびえ立って見えます。城は市内の至る所から見えますが、城のある街は趣があって良いですね。ここは軍隊の駐屯地でもあり、ミュージアムでもあります。午後1時になると大砲が1発(日曜以外は)鳴ります。また、街中でバグパイプの鳴る音が聞こえます。

「エディンバラ城2016」水彩F4 2016年9月

9月9日はゴルファーなら知らぬ人はいない街セント・アンドリュースに行き、コース内や市内のスケッチ・ポイントを探し回り友人宅に泊まりました。
友達となったのは偶然のなせる技ですが、2007年7月に兄と一緒にゲストハウスに泊まり、一緒にオールドコースを回ってくれたのが彼の奥さんのお父さん。プレー後クラブハウスに招待してくれてギネスを何杯もごちそうになり、兄は81という素晴らしいスコアだったこともあり「帰国後に自作の能面を送ります。」と言うと「いや。娘夫婦が来月新婚旅行で日本に行くから、その時に渡して。」となって、本当に我が家に来ました。ビーチサンダルに大きなバックパック姿で。
2011年にまたゴルフ場でお会いして、今回が3回目。この間に6歳の息子と5歳の娘(泊まった日がちょうど誕生日)の親となっていました。
今回はスケッチだけが目的の旅ですからゴルフはしません。
9月10日、ベッキー似の奥さんお勧めのスケッチ・ポイントを教わり、友人に送ってもらってスケッチを始めました。廃墟となった城、教会、湊に面したカラフルな家並みや投影。勧めてくれた理由がよく分かりました。
今年の始めに描いたゴルフ場に掛かる有名な小さな橋と併せてご紹介します。

「セント・アンドリュースの小さな湊」水彩F4 2016年9月
上の写真は友人が翌日メールで送ってくれたものです。
写真の右側もまた素晴らしい景色ですが、いつか描くことにします。

「スウィルカン・ブリッジ」水彩F4 2016年2月
コースを横切る小川(バーン)にかかる小さな橋。
この絵は今回セント・アンドリュースの友人に差し上げました。

9月10日の夕刻エディンバラに戻り、翌日11日、イギリスの田舎中の田舎コッツウォルズのチェルトナムに一泊。列車とバスを乗り継いで7時間。バイブリに直接行きたかったのですが、普段でさえ3時間に1本のバスが日曜日は完全運休のため交通手段がありません。
9月11日、19年前の1997年に息子と車で訪れたバイブリ―のスワン・ホテルを目指し、早朝から翌日夕刻までたっぷりと描くつもりでした。しかしホテルに着いてみるとどうも景色が違う。おまけに予約が入っていないと言われ、確認書を出すと全く別の、しかも方向が正反対の同名のホテル。そこからチェルトナムに戻り、目的地に着いたのは午後4時過ぎ。貴重なスケッチ時間が消えました。
9月13日、ホテルにお願いしてプライベート・ガーデンから、泊まったホテルを描き始めました。今度はバスを逃さないようにと午後一番のバスで小川が流れる街、バートン・オンザ・ウォ―ターに向かうため、デッサンだけで切り上げました。未完成ですので写真だけ紹介します。泊まったのは2階の左から二番目の部屋。

Swan Hotel 2016年9月12日撮影 19年前と全く変わらない。

9月13日から15日までバートン・オンザ・ウォーター滞在しましたが、川のほとりのベンチで描き始めたとたんに雨が降って来て、さらに雷まで鳴ったりしたこともあって大きな木の下に避難しました。一息ついて良く考えると木の直下は落雷の恐れがあるので急いで引き上げ、翌朝仕切り直し。デッサンを終わって片づけようとすると、後ろで描いていたらしいおばさんが作品を見せてくれました。

15日、バス、列車と乗り継いで、ヒースロー空港近くのホテルに向かうバスの中で膝に痒みを感じ、空港からホテルに向かうバス待ちの間に今度はチクッと痛みを感じました。ホテルに着いてみると虫に噛まれて赤く腫れた跡。
16日、ヒースロー空港からチューリッヒに着いた翌日にも新たに噛まれた跡。我慢できないほどの痒みではなかったのでユトリベルク山に登ったり、旧市内を歩き回って湖のほとりまで歩き回ったりして過ごし、18日朝には新たに噛まれた跡はなく、早朝6時前にチューリッヒ空港に着いて19日朝帰国しました。
チューリッヒではスケッチをする時間もなく、する気も起きませんでした。

帰国後の24日、ヨコハマNOWの有志の方と山手のフレンチ懐石「此のみち」でランチ会食があり、久しぶりに横浜山手を回ってみたら何とスケッチ・ポイントの多いことかと再認識しました。
やっぱり横浜が本当の故郷だ。

<参考資料>

筆者紹介

Jun Ohsawa 大澤 淳さん  
お名前 Jun Ohsawa 大澤 淳
E-mail j-narumi@ug.netyou.jp
URL http://home.netyou.jp/kk/ohsawa/
成年月日 1967年1月15日成人式。おひつじ座。いわゆる団塊の世代。誕生日はもっと前。
年齢 その年の西暦 - 1947(3月25日以降)
生息地 横浜市鶴見区に60年以上在住。いわゆる浜ッ子。
血液型 いわゆる典型的なAB型
性格 内気、控えめ(だが信念は曲げない)、人前に出るのを極度に嫌う・・・だったが、 最近は少しずつ変わって来た。これもネット化のおかげかな。
割りと簡単に物事をはじめてしまう。(衝動的、意思決定が速い、好奇心が強い) 。忘れやすい。(最近特に)
趣味 絵画(スケッチ、油彩、水彩)ヨコハマNOWのお陰で、2015年より主に水彩画を中心に絵画を再開した。
文章を書くこと(エッセイ、旅行記など)。
フォルクローレ(アンデス音楽、ケーナ、サンポーニャ演奏・・・だったが、今はたまに聴くだけ。
年1回(と決めているわけではないが)の海外放浪の旅。
(心の洗濯:すぐ心が汚れやすいので。)
ゴルフ(1979年にホールインワンをしたことも。神奈川県津久井湖ゴルフコース、最近は月2~3回、ハンディキャップは全盛期13だったが、この頃は何とか10代後半。)
退職後は散歩や庭を眺めたり芝生の雑草を取ったり。
2015年作曲を始める。

 

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