エリスマン邸で演奏する私のピアノを聴きに来て下さい。 ピアニスト 渡辺まこみさん
エリスマン邸は横浜を代表する洋館の一つです。1926年(大正15年)に建築され、1990年(平成2年)に現在の元町公園に移築復元されました。1階には暖炉のある応接間、居間兼食堂、庭を眺めるサンルームなどがあり、簡潔なデザインを再現しています。2階は、写真や図面で山手の洋館に関する資料を展示しています。誰でも自由に見学することができます。先日、エリスマン邸を訪れた際に、ピアノの調べが邸内に流れていました。応接間にあるピアノを演奏されていたのはピアニストの渡辺まこみさん。ひかえめだけど存在感のある音色です。今月の「ヨコハマこの人」は、ピアニストの渡辺まこみさんにお話を伺いました。
ピアニスト 渡辺まこみさん |
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小さい時はどんなお子さんでしたか?
父、母、私、妹の4人家族で、高校生まで岐阜市で育ちました。のんびり、ぼんやり、マイペースな性格で、目立つのが嫌いでしたので、極力学級委員などはやりませんでした。自らやっている子を尊敬して見ていました。運動会では足は早い方だったと思いますが、リレーの時に間違えて反対に走った恥ずかしい記憶があります(笑)。
「まこみ」さんって珍しいお名前ですね
そうですか? 両親は私が生まれるまで男の子と思っていたそうです。ですので男の子の名前ばかり考えていて。でも女の子が生まれてきたので両親は驚いて、そして、急いて名前を、、、と思った時に、父の名前と母の名前から取って名付けたそうです。大した由来ではなくゴメンなさい(笑)。
ピアノは何歳から始められたのですか?
3歳から習い始めました。ピアノの音色に惹かれたのがきっかけだったと思います。他には習字と水泳を習っていました。
ピアノを弾いていたいと思ったのは、中学を卒業する時期に夢を書く時があり、教えるだけじゃなく弾くこともちゃんとできる人になりたいと思ったと思います。
高校は岐阜県立加納高等学校に進学しました。この高校は、普通科と音楽科と美術科のある個性的な学校で、小学生の頃からそこの制服に憧れていました。普通科があるので教育がしっかりしているのと、美術科があるので刺激になると思ってこの学校を選びました。
県立高校ですから、県内から生徒が集まってきます。こんなに上手な人がたくさんいるんだ、と入学当初は少し落ち込みました(笑)。
大学はフェリス女学院大学音楽部ですね
当時就いていた先生がその大学にいらっしゃるのと、高校の憧れの先輩がフェリスに進学されたので私も行きたいと思いました。また、フェリスの音楽部は小人数制でしたので、少人数の中でもまれていくのが自分のスタイルに合っているというのが志望動機です。
学生生活は、1限から5限まで毎日ビッシリ授業を詰めていました。同じ授業料だったらと(笑)、語学、教職も沢山とりました。
そして、フェリス女学院大学大学院音楽研究科へ
大学の時に就職を考えました。月曜から金曜日まで普通に働いて、週末に音楽活動するというような事を考えていました。その方が収入も安定するし、、、でもやっぱり大学院に行きたいと思って。 大学で仲の良かった友達が皆そろって大学院でも一緒でしたので、大学と大学院の6年間は楽しい学生時代でした。 |
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一人暮らしの子と仲良くしていて、家が近い子とは相談や悩む事があると、急にファミレスで会ったりしてました。ピアノで上手くいかない時なんかは、公園で泣いたりしていたのを覚えています。
ピアノ講師と演奏活動について
島村楽器でピアノ講師をやっています。大学院を卒業して2016年3月までは週に4日から5日はピアノ講師として、残りの日を演奏活動としてやっていましたが、現在はピアノ講師を2日+αにして演奏活動に軸を置いてやっています。
色んな人が通ってくれています。年齢も4才から大人まで幅広いですし、目的もそれぞれです。レッスンの空き時間は大抵練習しているのですが、その様子が外から見えるので、生徒さんはその練習する私の背中を見て応援してくれたり、 “頑張る事” を分かって刺激を受けてくれたりするのが嬉しいです。
演奏活動としては、コンサート企画、船やレストランでの演奏、イベント等のコラボレーション、ボランティアといった活動になります。
エポックなのは、2014年7月15日に横浜みなとみらいホール(小ホール)で行ったチェリストの遠藤希さんとのデュオ・リサイタルです。
「みなとみらいがドイツになる」という企画で、バッハ、ベートーベン、ブラームス、クレンゲル、シューマンの作品を演奏するという内容です。会場のブッキングから後援の取り付けまで行いました。ドイツ特集ですので、横浜日独協会様に後援をお願いしました。日独協会といった日本とドイツの架け橋のような人たちが聴きに来て下さって、演奏を気に入って下さいました。そして、この協会のパーティで演奏する機会が生まれました。パーティに参加された方から他の演奏の依頼を頂くというようになりました。一つのコンサート企画がご縁で演奏の機会が生まれています。
またユニークなものとして、「本活コミュニケーション in エリスマン邸」というイベントがあります。このイベントは、中区役所と公益財団法人 横浜市緑の協会が読書活動の推進と本好き同士の交流を目的として実施する読書イベントです。設定したテーマにちなんだピアノ演奏、ミニゲームをお楽しみ頂けるほか、本の世界からヒントを得た創作料理をご提供する内容です。最近では、11月26日に開催しました。テーマは、「ミステリー」でした。
来年、2017年2月14日にエリスマン邸でフラワーアレンジメントとのコラボ企画を行います。お花をイメージした音楽を聴きながら、ヴァレンタインフラワーアレンジメントを作りましょう! という内容で、フラワーアレンジメントは福田博子さんが、私がピアノ演奏を行います。
お申込み・お問合せは、 pf_makomi<@>yahaoo.co.jp までお願い致します。
注:<@>は@に変更してメール送信して下さい。
エリスマン邸でのピアノ維持ボランティアについてお話下さい
大学3年からボランティアを始めて現在も続けています。大学の先輩がやっていらっしゃったので私もお願いして仲間に入れて頂きました。地方出身だったので、横浜に根付いているものに携わりたいという想いもありました。ピアノ維持というのはエリスマン邸にとってもいい事だと思います。現在は毎週月曜日14時から演奏しています。
知らない人の演奏を初めからコンサートホールで聴きに行こう! というのはなかなかハードルの高い事だと思います。エリスマン邸でピアノ演奏させて頂くことで、私の人となりを身近に知って頂く良い機会になればと思って続けています。そして、コンサートと同じ曲を弾く訳にはいかないのですが、少しでも雰囲気が伝われば、コンサートに足を運んで頂ける事に繋がるのではと期待しています。
「心地よい音楽を聴けてとても嬉しかった、ありがとう」という言葉を頂いたり、ブログを見て聴く事を目的に、エリスマン邸に来てくださるお客様がいらっしゃる事は本当に感謝です。
各種の音楽賞を受賞していらっしゃいますが、印象にのこっている受賞などありまか?
コンクールよりコンサートの思い出なのですが、2015年のコンチェルトがやはり大きいですね。
オーケストラと一緒に演奏する事が初めてということもありますが、仕事をしながら練習をする事が、、、時間がなくて焦っていたと思います。
前日のリハの時にボロボロになり、本番が怖くて仕方がなかったです。出る直前まで泣いてました(笑) でも指揮者の方と団員の方に言われた一言で奮い立たされ頑張れたと思います。
また自分が恋い焦がれている曲(ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番)だったので、本番は嬉しくて演奏しながら・・・また泣きました(笑)
ピアニスト/ピアノ講師として今後の活動の計画と抱負
色んな方々に支えられて今があるなと最近よく思います。人が好きなので色々な人と関わりながら、音楽だけじゃなく、色々な物・事と企画をして、多くの人に音楽のある空間を楽しんでもらえる事ができたらいいなと思います。
渡辺さんにとって横浜とは?
大学生から横浜に住んでいます。今まで素敵な方と多く出会う事が出来て今の自分が成り立っていると感じています。ですので、私にとって横浜とは、「好きな人にたくさん出会える街」です。
「好きな人にたくさん出会える街」
撮影:辰巳隆昭
(インタビュー&文:辰巳隆昭)
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