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アートのひみつ(第1回) 絵画と心の関係 ~感性は自由! 心は自由! ~

by staff on 2017/1/10, 火曜日

第1回 絵画と心の関係 ~感性は自由! 心は自由! ~

みなさま、明けましておめでとうございます!
はじめまして! Art Factory星組の山田明子です。
私は現在、横浜元町でアート教室、「横浜MOTOMACHIアトリエ星組」 を主宰しています。

さまざまなアートを楽しめる街、横浜。ヨコハマNOWにてこのようにコラムを書かせていただくことになり、大変うれしく思っています。

今年、2017年には横浜トリエンナーレ(横浜で3年に一度行われる現代アートの国際展)もありますね!
アート、美術、芸術、ゲージュツ‥‥などなど、呼び方もジャンルもいろいろあります。近年ますますアートイベントも増え、これらを身近に感じる方も多くいらっしゃると思います。こちらでは、さらにアートを楽しむための「学校で教えてくれるけど、教えてくれないゲージュツの話」をわかりやすく、おしゃべりしていきたいと思ってます。

さて、絵画はあなたにとって身近なものですか?それともちょっと特別なものでしょうか?
絵画といっても表現方法はとても幅広いですね。日本にいて観ることができる西洋絵画の貴重なコレクションの数々。世界中に散らばり日本に里帰りした日本画のコレクションも素晴らしい作品ばかりです。
ジャンル、その歴史もさまざまですが芸術、表現とは人間の生活に近いところにいつもあると私は思うのです。

絵画は布や紙の真っ白なキャンバスに描かれるだけではありません。たとえば、チベット仏教の僧侶は数日~数十日かけてあざやかな色砂を使って緻密な砂曼陀羅を描きます。これは儀式として行われます。絵は完成したらすぐに壊してひとつの砂の山になり、そのあとは自然に還すので観ていられるのはわずかな時間だけ。現代でも人間と自然と信仰の濃密な関係の中に美を垣間見ることができます。

また、あるアフリカの画家は建築資材の板をキャンバスにしてエナメルペンキを使い、雄大な自然と独自の文化を生き生きと描きだしました。画面いっぱいに明るくリズミカルに動物や文様を描きこみ、生命感にあふれたアフリカン現代アートとしてその土地の若者たちによってこのスタイルは引き継がれています。

絵画に描かれる意味や対象は長い歴史の中で変化してきました。もちろん写実性についても深く追求されてきました。いわゆる本物そっくりの上手い絵はプロの画家でなくてもこんなふうに描けたらなあ、と思いますよね。日本でも人気の高いフランス印象派、ルノワールのこの作品が描かれた19世紀、カメラが発明されます。写真は絵画にとってかわるのではないか? 絵画の危機だと思われていました。

これは「日傘をさすシリーズ」の初期の作品です。人に光の当たるとき、影になるとき、どんな色合いになるか? を分析し、試みた絵でもあります。名画の詳しい解説は他におまかせするとして‥‥。
この絵が描かれた年代には銀盤写真は発明されていました。本物そっくりに描いて肖像を記録として残すだけならばとっくの昔に絵画を描く人がいないはずです。
ですが、21世紀になっても人間は絵を描いてます。現在、写真にも記録以外に芸術表現としての作品がたくさんありますね。写真を撮った人の目線や、ときには人柄までも感じることができます。
こうして絵や写真に「心を動かされる」のは人間に感情があるからです。私たちは、ただ記録された事実を綴った文章にすら心を動かされるときがあります。私たちの心は、時間や経験を重ねて豊かにもなれば、その日の気分でも移ろったりするものでとても自由です。自由な感覚、感性を持っています。

なので、同じ絵を観ても「あ、これ、きれいだなあ!」とか「カッコイイ!!」って思うのはみんなそれぞれちがうものなです。同じものを見ても、感じ方がちがうのです。観る人が「自由な感動」を持ち、描く人の表現と向き合う。ときには向き合った表現の中に自分の心を見つけることもあるでしょう。
名画の解説は作品を深く知るための手がかりになります。ときには難解な解説が必要なこともあります。ただ、解説があってもなくても対話のように絵画を通して心のやりとりをすることは、より私たちを豊かにしてくれると私は思っています。

このルノワールの作品の中の女性は誰かを待っているのでしょうか? それとも、散歩の途中で何かを見つけてちょっと立ち止まっただけなのでしょうか?
また、自分の気持ちを重ね合わせて見るとき、この絵の中の女性が寂しそうに見えたり、うれしそうに見えたりするでしょう。
柔らかで繊細な筆のあと。
若緑色の草、森のにおい、木陰は少し涼しいかもしれない。

あなたはこの絵のどこに心を動かされ、どんな対話を楽しみますか?

このコラムが「自由な感動」を持ってひと味ちがった視点からアートを楽しむお役に立てたらと思っています。
どうぞよろしくお願いします。

筆者紹介

 
本 名 山田 明子 (やまだ あきこ)
略 歴 東京都生まれ
1994年 女子美術大学短期大学部卒
美術家 臨床美術士
Art Factory星組 代表
 
通信会社勤務を経て、2014年より高齢者施設などへ出張アート教室をおこないながら、横浜元町で「感性を生かし、育てる」アート教室「横浜MOTOMACHIアトリエ星組」を運営中
星組、臨床美術についての情報
  ☆横浜MOTOMACHIアトリエ星組☆
~「自由な感動」を育む「感性のレッスン」を~
http://artfactory-hoshigumi.crayonsite.com/
 
Art Factory星組Facebookページ
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☆臨床美術について☆
「臨床美術」は医師と芸術家によって作られた芸術療法です。
現在では学校やオフィスでの感性教育、病院や高齢者施設でのリハビリテーションに取り入れられています。

 

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