絵本から笑本へ(第10回) 絵本に謙遜しない
絵本作家 保科琢音の連載コラム「絵本から笑本へ」
早いもので第10回を迎えました。
毎回、なんだかんだと好き勝手な事を、
おしゃべりしています。
ときに、生意気に。
ときに、偉そうに。
そして常に、自信過剰に。
本当に好き勝手な事を、しゃべってきました。
でもぼくは、このコラムで嘘をついた事は一度もありません。
いつも本当に思っている事を、
本当に考えている事を、しゃべってきました。
生意気で、偉そうで、自信過剰に思われても、
全て嘘はなく、全て自分の本当の気持ち。
ぼくは絵本作家として、
とにかく「嘘」や「謙遜」をする事をやめています。
どうしてか?
失礼だから。
そりゃ嘘をつく事は、失礼どころの話じゃない。
けど、ぼくからすれば謙遜も嘘をつく位、失礼な事だと考えています。
謙遜ていうのは…
自分の能力や価値を、低く評価する事。
これって、ほとんど嘘ついているのと
変わり無い事だと、思いませんか?
ぼくの中では、
嘘と謙遜はイコールに近い。
テレビなんかで、よく見かける光景。
とある女優さんと司会者の会話。
「○○さんはいつ見てもお綺麗ですよね」
「そんな事ないですよ」
「美容に気を付けている事はあるんですか」
「特に何もありません」
これ。
めちゃめちゃ無意味な会話。
だったら…
「○○さんはいつ見てもお綺麗ですよね」
「そうですか、ありがとうございます」
「美容に気を付けている事はあるんですか」
「毎日、一生懸命頑張っています」
これの方が良くない?
だって、毎日一生懸命頑張ってんだもん。
だから、自分でも綺麗だって思ってんだもん。
そういう人の方が、ぼくは魅力的だと思うな。
謙遜は相手にも、そして自分にも嘘をつく行為。
だから、ぼくは絵本作家として「嘘」や「謙遜」をする事をやめました。
そう強く思わせてくれるのは、いつも子ども達の存在です。
ぼくには可愛い娘がいます。
子育て広場をプロデュースしているので、
毎日のようにたくさんの子ども達と遊びます。
子どもは常に「正直」で。
子どもは常に「正しい」。
嘘や謙遜なんて知らない。
存在すら知らない。
そんな子ども達に比べれば、
大人は「ウソのかたまり」。
ぼくも偉そうな事を言ってても、
嘘をついてしまう事もある。
謙遜してしまう事もある。
それはやっぱり、大人だから。
言い訳したくないけど、大人だから。
そういう時に、
物凄く恥ずかしくなる。
子ども達に対して、
物凄く恥ずかしくなる。
だったら、子ども達と一番長い間、関わっている
絵本作家としては、嘘をつくのをやめよう。
自分の書く絵本には、謙遜するのはやめよう。
そう、決めました。
「この絵本、すごく面白いですね」
「そうでしょ!面白いんですよ!」
「どんな絵本作家になりたいんですか」
「絶対、日本一の絵本作家になります!」
ぼくは絵本作家として、
こんな風に、生きていきます。
嘘をつかない、謙遜もしない絵本作家に。
「絵本から笑本へ」
また、次回。
(文・イラスト:保科琢音)
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筆者紹介
絵本作家 保科琢音 |
ヨコハマNOW取材記事
「僕にとっての横浜は「未来へ笑がおをつなぐ街」。絵本作家の保科琢音さん」
http://yokohama-now.jp/home/?p=13904
『読絵ん会(どくえんかい)』の様子を動画でご覧下さい。
ヨコハマNOW 動画
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ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。 |
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