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横浜から花育。有限会社ジャパンアート代表取締役 飛田秋彦さん

by staff on 2017/8/10, 木曜日
有限会社ジャパンアート代表取締役 飛田秋彦さん
有限会社ジャパンアート
代表取締役 飛田秋彦さん
 
お名前 飛田 秋彦(ひだ あきひこ)
お生まれ 50代
お住まい 横浜市旭区在住
ご家族 3世代同居6人家族
お仕事 有限会社ジャパンアート 代表取締役
 http://jp-art.jp/
 
フラワーライフ研究会 代表
 https://flowerlifestudygroup.jimdo.com/
 
神南フラワー株式会社 取締役
 http://www.shinnan-f.co.jp/
 
横浜中央花き卸売協同組合 理事
JA横浜 横浜農業協同組合 食農教育マイスター
花き流通専門家
フラワーライフデザイナー

 

幼少のころからお花と関係があったのですか

父親が造園業を営んでいたので、植木の世話など小学校の高学年から仕事の手伝いをしていました。仕事が大変だったからでしょうか、後は継ぐ必要はないと言われて、高校卒業後はIT企業に就職しました。3年間働きましたが、陽が当たらない場所は性に合わないと退職しました。将来は自分で事業を始めたいと考えて、それには花業界がいいなと思って、花の仲卸会社に就職しました。そこで花について猛烈に勉強しました。

そして、花の資材、例えば器やリボンなどを扱うジャパンアートを創業しました。前職で花屋さんを回っていたときに、欲しいと言われた資材類を販売しました。またイベント会場などの装飾なども手がけました。花資材のインターネット販売も2010年頃から始めて、花業界では早い方でしたね。5年ほど前から、若い頃働いていた仲卸会社の役員として経営に参画しています。

フラワーライフ研究会を立ち上げたのはどうしてですか

花業界の売上は下降の一途をたどっています。野菜と花は生産者が自分で価格を決めることができません。自分で作った花を市場に出荷して、セリで初めて売上金額が決定するのです。最近は輸入物が増えて、安売りが顕著になり、生産者の年収が下がる一方なので、跡取りはいらない、俺の代で終わりだ・・。という風潮になっています。日本国内の花農家は減少していくばかりです。花業界を盛り立てていくためには、花のあるライフスタイルを提案していくこと、そのためには異業種とのコラボが不可欠なのではないかと考えて始めたのが、フラワーライフ研究会です。

フラワーライフ研究会のメンバーは、生産者、お花屋さん、お花の先生や異業種の方など多士済々です。植物の五感を使った各種プロデュース、「食べられる花」や「お花のドレッシング」などを販路拡大のお手伝いをしています。また、各地のマルシエに花関連商品を出品して一般消費者の声を伺うことも行っています。様々なネットワークを作っていくことで、フラワーライフを広めていきたいと考えています。

広報宣伝活動(秋田市のダリア)

障がい者が作っている商品を販売しているそうですね

幼馴染が障がい者に対しててボランティア活動をしていて、それがきっかけで2年ほど前から障がい者施設を訪れるようになりました。施設長と話して、作業所の方々が一生懸命作った制作物の売り先がないこと、地域とのつながりを持ちたくても持てないこと等を知りました。何とか力になれないかと考えて、作業所の制作物を仕入れて販売することにしました。それで、横浜市の担当部署に相談に行ったところ、横浜市には500以上の作業所があり、それぞれの作業所が別々に活動していることを知りました。「飛田さんがやろうとしていることは素晴らしいことなので協力はしますよ」と、担当者に紹介してもらった作業所を回って、制作物を見せてもらいました。クッキーなどの食品やキーホルダーなどの雑貨小物、カバンを作っているところもありました。現在は10を超える作業所から、一般向けの商品を仕入れてフリーマーケットやイベント等で販売しています。知り合いの花屋さんにスペースを借りて委託販売も行っています。イベントに作業所の方にも来ていただいて、販売することもありますが広がっていないのが実情です。私は一生懸命やっている方々を見ると、応援したくなる性分のようです。花業界も作業所も頑張っているのに社会になかなか伝わらない、そこを何とかしたいと思っているのです。

作業所の販売(栄マルシエ)

作業所の販売(商大バザール)

「花育」を提唱されているそうですが・・・

花が売れなくなったのは、家庭から花がなくなっていることにも原因があります。小さい時から「花」に触れる生活をしてこないと、植物に対する関心もなくなりますね。「花」が家庭にあることで、植物に興味を持って世話をする心が育ちます。これが「花育」です。毎日花々を「見て、触れて」育った子供たちは心優しい、人の痛みのわかる子どもに育ちます。まず自分の娘(小学校2年生)からということで、我が家では花を欠かすことはありません。「花」の世話は娘の担当です。おかげさまで彼女は心優しい子に育っています。

今、小学校で困っていることは、植物を植える前の花壇が荒れていても、整備をする方がいないこと。そのため、植える時期が遅れてしまい、授業がてできたとしても植物にとって最適の状態ではないという現実です。

学校花壇の現状

花業界の人間としては、立派な花を咲かせることの喜びを感じてほしいし、育てた野菜を美味しいと言いながら、食べられるような環境を整えてあげたい。野菜の嫌いな子も、自分が育てた野菜だったら、きっと食べるのではないでしょうか。これがまさに「花育・食育」です。

今年から娘の小学校のPTA会長になりましたので、まず、この小学校をモデルケースにしていきます。草むしりしませんか・・・。と地域の方々に呼びかけて協力を仰ぎたいと思っています。父母を中心とした地域の方々、特にシニア層ががお世話係になってもらいたい、そしてその作業に作業所の方々も加わってほしいのです。地域の方々や作業所の方々が花壇を世話してくれるのを、子どもたちに見てもらいたい、そして社会にはいろいろな人がいること、お花を咲かせるには手間暇がかかることを知ってもらいたいのです。「花壇」を整備することを通じて、バリアフリーを実現していきたいというのが私の願いです。娘の小学校から始めて、区内全域、市内全域に広げていきたい。そのためには私一人だけの力では微力ですので、地域の方々、障がい者の方々、行政の方々、様々な方々に協力を仰ぎたいですね。

飛田さんにとっての横浜は?

私にとっては・・・「横浜から花育」です。
「花育」でみんなが植物に関心を持ち、心優しくなる。そんな社会にしていきたいですね。

私にとっては・・・「横浜から花育」です

<取材を終えて>

飛田さんは自ら率先して動く方です。作業所の制作物を販売していくことを伺ったときに誰もやらないから自分がやるのです。と私たちが運営している横浜商科大学のバザールにふくろうのキーホルダーや小物入れ等、様々な商品を持ってこられました。あれから2年。飛田さんは各地のイベントやマルシエに出店を続けられています。今回のインタビューで、「学校花壇」を通じた「花育」について伺いました。恥ずかしながら、「花育」という言葉を知りませんでした。飛田さんはPTA会長として「花育」を実現されるでしょう。「横浜から花育」・・・私も微力ながら応援していきます。

(インタビュー:渡邊 桃伯子  写真提供:飛田 秋彦)

 

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