Skip to content

書評 「あなたの心が 光でいっぱいになる本」 青春出版社 鈴木秀子 著

by staff on 2017/9/10, 日曜日
 
タイトル あなたの心が光でいっぱいになる本
単行本(ソフトカバー) 192ページ
出版社 青春出版社(2009/3/17)
ISBN-10 4413037081
ISBN-13 978-4413037082
発売日 2009/3/17
購入 あなたの心が光でいっぱいになる本

「幸福は心の中にあります 人生は愛に満ちています」という帯の文字でこの本を手に取った。生きていることを肯定したいのである。いきていることに喜びを感じていたいのである。思うことは自由であると言われています。著者は「愛と幸せの鐘をならすのは誰でしょうか。それは自分自身です。他の誰でもありません。そしてそれはほんの小さな努力でいいのです。些細なことからはじめることです。」とはじめに!でいわれる。

「人は誰でも三つの平等で生かされているのです」が最初の稿です。「私たちは、多くの誘惑に取り囲まれて、日々の生活を送っている、というのが偽らざる現実の実感でしょう。お金に誘惑される、権力に誘惑される。その結果、人間関係にヒビが入る、友人をおとしめる、自分自身を見失う、ということになったりします。」存在するという世界には「三つの平等」があるのです。その三つとは!

  1. どんな人にも限界があり、いつかは必ず死んでいく
  2. どんな人も完全ではない
  3. どんな人も一人ひとり大切な命を与えられ、毎日を生かされている

著者は「私たちは、人間を超える大きな存在によって命を与えられ、生きることを認められ、生かされ続けるかけがえのない存在なのです」と語られる。ところどころに「心を静かにする時間をあなたに」として「愛と幸せをさがす詩」をとりいれている。

  「ひとり林に・・・」(立原道造)
だれも 見ていないのに 咲いている 花と花
だれも きいていないのに 啼いている 鳥と鳥
通りおくれた雲が 梢の 空たかく ながされて行く
青い青いあそこには 風が さやさや すぎるのだろう
草の葉には 草の葉のかげ
うごかないそれの ふかみには てんとうむしが ねむっている
うたうような沈黙(しじま)に ひたり
私の胸は 溢れる泉! かたく
脈打つひびきが 時をすすめる

「絶望したときこそ、自分の無力を徹底してかみしめること」という項があります。著者は何事も起こらないことはありえないと言われます。すぐにはどうしたらいいのかわからない、というような絶望に陥ったと感じたら「今絶望にあえいでいる自分を、心底真正面から見つめ直して、自分の力の足りなさを徹底かみしめてみることです。」と。「多少の時間はかけながらも、自分を責めるようなことは決してせず、ただひたすら今の自分の気持ちと向き合っていることで、必ず少しずつ気持ちが鎮まってきます。」心のなかにさわやかさを感じるようになれば、「それは絶望からの一歩を踏み出したということなのです。」

「ちょっとだけ、がいい人生を育てます」の稿で、「健全な生き方とはどんな生き方を指すのでしょうか。」と問われます。「甘やかしではない、“健全な慈しみ”を持つことで、自分自身を人間として、本当の意味で幸せにするのです。では健全な慈しみを持つには、ちょっとだけ努力することです。」「小さな積み重ねが、大きな喜びと幸せをつくるということを、私は確信しています。健全な生き方とは、ちょっとだけを大事にする生き方なのです。」

「自分の自己暗示の言葉で、歓びを感じられます」の稿で、「家族を愛することで、自分は生かされていると感じる。生かされている自分は幸せである。幸せだから、仕事にもやる気が出る。」これは自己暗示のプロセスの一つです。自己暗示をするうえで、一番大切なことは「自分は、今ここにいる」という意識だといわれます。「過去は後悔を引き出します。未来は不安をあおります。今の自分から離れそうになったら、今ここにいる自分に引き戻してください。」そして、頭ではなく、体で実感できる、そんな感覚に集中することです。「自己暗示の効果はあなたの想像以上に大きいのです。」

  「愛と幸せをさがす詩」から
    「椰子の実」島崎藤村
名も知らぬ遠き島より  流れ寄る椰子の実一つ
故郷の岸を離れて    なれはそも波に幾月
もとの樹は生いや茂れる 枝はなお影をやなせる
われもまた渚を枕    ひとり身の浮寝の旅ぞ
実をとりて胸にあつれば 新たなり流離の憂い
海の日の沈むを見れば  たぎり落つ異郷の涙
思いやる八重の汐々   いづれの日にか国に帰らん

「幸せであるかのように振る舞います」の稿で、「どんな人にも悩みは起きるものですが、起きてしまった悩みをぐるぐると思い巡らさないことが、幸せな人生をつくるにはどうしても必要です。私はこのことを、“悩みを悩まない”という言い方で話しています。」と言われます。そして悩みを悩まない人になるためには、まず自分が理想的な人になっていることをイメージしてみなさいと言われる。それは「たとえ悩みがあっても、幸せであるかのように振舞うこと」だと。そうすることで、心に不思議な快活感が泉のように湧いてくるそうです。「心と行動は別々のものではありません。いつもお互いがしっかりと支え合っているのです。ですから、人生に起こるどんな悩みも、一方向から片づけようとは思わずに、必ず両方向から、あるいは多方向から向き合って、問題の悩みを徐々に無くしていくことが大事なのです。」

「人生で出会うすべての人をだいじにしましょう」「自分で自分を愛せる人になりましょう」「何かを注意されても、“ありがとう”」等、楽しみな稿が多い。最後に著者はいわれます。

「生きている喜びと幸せは、小さな努力で自分が自分でつくるものです。」

(文:横須賀 健治)

 

Comments are closed.

ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

Page Top