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楽しい文字の世界(第7回) 同じ漢字を足していく「理義字」

by staff on 2017/9/10, 日曜日

第7回 同じ漢字を足していく「理義字」

文字には同じ漢字を2つ、3つあるいは4つ以上組み合わせて構成されるものがあります。それを理義字(りぎじ)といいます。
同じ漢字を組み合わせることによって数や量の多さを表しています。

誰もが馴染みのある漢字の1つとして「木」「林」「森」が挙げられます。
木より林、林より森、と量が多くなっていきます。
いずれも小学1年生で習いますが、教える方も教わる方もこのあたりだと楽しいですね。

又はいかがでしょう。
「又」は右手の指を出した形で、訓読みで「みぎて、また、ふたたび、たすける」と読みます。
「双」は2羽の鳥を右手の上に乗せた形で、「ならぶ、ふたつ、たぐい」と読みます。
「叒」は桑(くわ)の葉が茂る形で、「したがう」と読み、「順であり、道があい似ていること」という意味があります。
「叕」は紐をつづり連ねる形で、「つづる」と読み、「連なる」という意味です。
「また」「またまた」「またまたまた」「またまたまたまた」と遊べそうな漢字です。

金が3つ、「鑫」(キン)を見たことがあるでしょうか。
金が増えるという意味があるそうです。
先日発売になった海江田万里氏著書「人間万里塞翁馬」(双葉社)に興味深い文章がありました。
…わび、さびを大事にする日本人は金よりどちらかといえば銀を重んじる傾向がありますが、中国人は金が大好きです。上海、香港、台北などの都市に行くと「鑫」(中国語でジンと発音)の字を使っている商店の看板を見かけます。…また時々人の姓にも使われています…
必要から文字は生まれていく訳ですが、好きから生まれることもある訳ですね。

他にも品、朋、轟、羽、昌、贔…まだまだ出てきますね。

筆者紹介

 
書家名 粟津 紅花 KOUKA AWAZU
本 名 粟津 絵里 ERI AWAZU
略 歴 愛知県生まれ。 横浜市在住。
3歳から筆を持ち、書を学ぶ。
銀行勤務を経て紅花書道塾を主宰して25年。
現在8か所の教室で門下生を指導。
また古典書道の作品制作に加え、店舗ロゴ、商品ロゴ、ポスター等のデザイン書道を手掛ける。
書道パフォーマンス、障害をお持ちの方への書のボランティア指導、セミナー講師などにも力を入れるなど、国内外で幅広く活動中。
読売書法会会員。
謙慎書道会会員。
横浜書人会審査員。
日本デザイン書道作家協会正会員。
カルチャーセンター講師。
著 作 法華経書写書き込み練習帳―釈尊の究極の教え
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