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ゆるマナー講座(第24回) 「十五夜」と「十三夜」の話

by staff on 2017/10/10, 火曜日

マナーアドバイザー/フレアLLP 柳田 圭恵子

今年の「十五夜」は観賞されましたか?
晴れていれば月はいつでも見えますが、空気の澄んでくるこの時期の満月は格別きれいですね。
今回は、日本の年中行事、お月見の話しです。今はハロウィンやバレンタインデー、クリスマスの方が大きなイベントになっていますが、昔から伝わる日本の年中行事も子どもたちに伝えたいものの一つです。

お月様への感謝

旧暦8月15日の満月は「十五夜」、「中秋の名月」といって、秋の収穫に感謝して、秋の七草を飾り、月見団子などを供え月見をします。昔は月の満ち欠けをもとに暦が作られていましたから、お月様は今より身近だったのではないでしょうか?灯りの乏しい時代、月明かりは特別に美しく神秘的でさえあったでしょう。

一日一日形が変わる月には、「新月」に始まり、「三日月」…「十三夜」「十五夜」「十六夜」「立待月」(十七夜)、「居待月」(十八夜)、「寝待月」(十九夜)……などの名前があり、月が親しみのあるものだったことがわかります。
ちなみに、「立待月」は、夕方立って待っている間に出てしまうから。翌日の「居待月」は座って待ち、「寝待月」は、月の出るのが深夜になり寝て待つからとか。月の出るのを待ちわびる様子が見に浮かぶようです。昔の人のネーミングのセンスにもユーモアを感じますね。

「十五夜」は、元々中国の「中秋節」が日本に伝わり、平安時代頃には貴族の間で詩歌などを読む月見の宴が行われていました。その風習が庶民にも広まり、農村では、この時期に収穫される里芋を供えていたので「芋名月」とも呼ばれています。
「お月見泥棒」の子どもたちは、この夜のお供え物は盗んでもよいということになっていますが、皆さまの地域ではそのような風習は残っているでしょうか?
子どもは月からの使者なので、お月さまが持って行ってくださったと考えおめでたいのだそうですよ。


http://01.gatag.net/0013442-free-illustraition/
(著作者 上田ひろこ)

<秋の七草>
はぎ、ききょう、おばな(すすき)、なでしこ、おみなえし、くず、ふじばかま

十五夜の後の月「十三夜」

十五夜からおよそ1か月後の旧暦9月13日の月を「十三夜」と言います。
昔は、十五夜と十三夜の両方を観るのが縁起が良いと言われ、片方だけ観るのは「片見月」と言って嫌われました。この時期の収穫物は栗や豆を供えるので、「栗名月」「豆名月」と言います。「十三夜」の習慣は日本で生まれたものです。満月だけでなく、欠けていく月を愛でるのは、日本的な風流でしょうか。
今年は11月1日です。ちょっと夜空を仰いでみませんか?

年中行事を通して伝えたい

日本人は古来、太陽や月、山、川、木、田んぼなど、自然の中にも神々を信じてきました。「八百万の神」ですね。お正月には、新しい年を連れてくる「歳神様」を祀り、季節の変わり目(節目)には邪気を祓う行事を行い、収穫の時期には自然の恵みに感謝をする祭りがあり、先祖供養として彼岸やお盆のしきたりがあります。
大人になると忙しく日々を過ごしてしまい行事に疎くなりがちですが、子どもの頃に経験した地域のお祭りやお正月、お盆の行事、雛祭りに飾ってもらった雛人形や桃の花、端午の節供に空高く泳ぐ鯉のぼりの記憶は、一緒に過ごした家族や親戚、幼なじみの賑やかな笑い声も思い出させてくれます。

時代の移り変わりと共に年中行事のしきたりも簡略になり、その意味さえも忘れられているものもありますが、季節の節目に子どもたちと一緒に楽しみながら伝えていきませんか?
きっと当たり前にある日々に感謝する心が育まれていくと思います。

今年11月の「十三夜」も観えるといいですね!

 

筆者プロフィール

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)  

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空株式会社国際客室乗務員を経て、2009年よりマナー講師に。企業や自治体、大学、専門学校で接遇研修や マナー・プロトコール講座を行っている。NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師。

岡田 承子(おかだ しょうこ)  

岡田 承子(おかだ しょうこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空国際線客室乗務員を経て、国際交流協会での仕事、また社会福祉法人では障がい者国際スポーツ大会事務局の運営業務やマナー研修に携わる。現在は、自治体、企業での接遇研修や、NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師として大学で指導をしている。

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