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ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 からくれないに 水くくるとは

by staff on 2017/11/10, 金曜日

♪ ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 からくれないに 水くくるとは ♪


絵・千絵崇石
 

読み人:在原業平朝臣(あり わらのなりひらあそん)

現代語訳・・・竜田川の水面が紅葉で真っ赤に染まっているなんて。不思議なことがよく起こっていたといわれる、神様の時代でさえ聞いたことがない。

最近の高校生のカルタブームに火をつけた漫画「ちはやふる」ですっかり若者に知られるようになったこの和歌の作者は あの在原業平さん。
私はちはやぶるの句は昔から知っていました。又在原業平という名前も知っていました。でもその二つが結びついてこの歌の作者が在原業平だと知ったのは2~3年前でした。

アルバム「和歌うた 小倉百人一首」の中の第10章 WALTER SCHMIDのギター曲「TANGO IN RED(紅のタンゴ)」の中で最後に歌っています。

子供のころからアリワラノナリヒラはどこの誰だか知らないけれど名前だけは知っている。まるで月光仮面のような存在でした。(この例えはちょっと古すぎて団塊の世代の方にしか意味が通じないかもしれません) 歴史上の有名人。ただそんな感覚で覚えていたのでしょう。そして定時制高校時代に受けた古文の授業で初めて在原業平が平安初期の歌人で、伊勢物語の主人公モデルであり、作者でもあると学んだわけです。

そんな彼が一世一代の恋をしたのがのちに清和天皇のお后さまになられて皇太子春宮を産んだ藤原高子さん。彼女がお嫁に行く前に出会って、恋に落ち、その後人妻それも天皇の奥様になられたので、表向きに恋は終わりになりましたが。
この歌はそんな高子さんが二条の后と呼ばれていたころ、ご自分の住まいの屏風に描かれた絵をテーマにうたを詠んでくださいと、業平にお願いして生まれました。
そんなエピソードを知ってからこの和歌を味わってみると なかなか複雑な心境になります。歌の中に秘められた情熱を感じてしまうのは私だけではないと思います。

話は飛びますが、最近この「ちはやふる」を題材にした落語をYOUTUBEで見ました。
久しぶりに日本人の笑いのツボに触れてもうおかしくてお腹を抱えました。
いまでは、古典落語と言われていて、1776年ころに出版された笑話本に原話が出され、その後 初代桂文治さんが 落語として完成させたとのこと。
物語は・・・千早さんという花魁がお相撲さんの大関竜田川の求愛を振って、その後、大関竜田川さんは、それなら、と言って今度は千早さんの妹の神代ちゃんに求愛しましたが、神代ちゃんも 「お姉さんの嫌がる人は私も嫌だ!」と言って聞かず、「千早ふる 神代も聞かず 竜田川」と物語は進んでいきます。
ご存じない方は是非、笑えますよ! おススメです。

でも在原業平さん、ご自分が生きていた当時も有名でしたが、その後古今和歌集の紀貫之さんにも平安初期の歌人として評価され、また、時代を超えて、この歌が古典と言われるまでの落語になって、今は人気漫画のタイトルになって現代の子供たちに知られて、高校の授業ではいまだに古文で古典文学の題材としての伊勢物語が学ばれて、そういう意味では 日本文化の和歌の継承に一番貢献しているのではないでしょうか。不思議な宮廷歌人です。

(早苗ネネ♪)

 

三十六歌仙CDアルバムによせて

 

10代の頃、じゅん&ネネのネネとして歌っていた時、多くの方から「北の政所のねね様と同じ名前ですね」と言われ、歴史上に残る方と同じ名前を頂いた事で直ぐに覚えて頂き、良い事が沢山ありました。時が経ち、50歳を過ぎた頃にやっと自分のライフワークを見つけ、「和歌うた」を歌い続けて13年程に成りますが2014年の京都高台寺音楽祭に出演させて頂いた折に、三十六歌仙が高台寺様に遺されているのを知りました。その時にぜひ三十六歌仙にメロディーを付けて同じ名前のねね様に奉納したいとの思いを抱き、2015年9月6日、ねね様のご命日に発表させて頂く事に成りました。

和歌のアルバムとしては10年ぶりでやっと二枚目アルバムです。一枚目のアルバム「花のいろは」は蟠龍寺スタジオの仲間に助けられて生まれました。そして今回のアルバムも製作費は今まで私の和歌うたを聞いて応援して下さった方々のご支援で賄われています。暗中模索と無我夢中で今までよろよろと歩いてきましたが、そんな私を支えてくれる大きな愛情に気が付いて、なんて幸せ者なのかしらと思います。有難うございます。これからも自分の道を信じて歩いてゆきます。

早苗ネネ/京都・高台寺 北の政所・ねねさまに捧げる三十六歌仙 『和歌うた』CDアルバムは、 ヨコハマNOWオンラインショップ で販売しております。

 

早苗ネネさん 和歌うたLIVE

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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