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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第57回)

by staff on 2017/12/10, 日曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第57回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

中学・高校は野球三昧でいつも腹ペコ。今も大食いで食べる話は大好き。最近は洋食と和食のコラボが進み、フレンチでは昆布・鰹のダシに柚子を添えて奥行きを演出するとか。柚子の泥臭さが肝で、レモンでは爽やかすぎるとの見立て。先日、知人と食事の折、店に掲げられていたのが “見蛇首 知長短” の額。蛇の首の高さで、蛇の長短を推し量るという意でしょうか。では “蛇の首” をどう特定するか。ビッグデータから抽出するにはどうするのか。例えば、顧客のビッグデータを単に分析するだけで可能なのか。顧客にはそれぞれ “背景・事情・意図” があるはず。それには顧客のストーリーを創出した上で “蛇の首” を抉り出すしかなさそう。能楽の世界の名人は “達者・上手” を超えるレベル。名人への到達には、日常の “知的好奇心” と “技術・スキル” の持続的練磨あるのみ。イチローや羽生棋士の生命線は “継続的学習” 。梁塵秘抄では “これより北には越の国 夏冬とも無き雪ぞ降る 駿河の国なる富士の高嶺にこそ 夜昼とも無く煙立て” とあります。越の国には白山、駿河の国には富士山。神とはケンカせず。 “人間が人間の基準で人間世界を考える時代は終わった” とメディアアーティスト・落合陽一。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

毎日働けば出口は見えてくる 働くことは生きることであり熟考すること
武者なら表情は理知的に 苦渋の君主は労わるように、が描く極意らしい
まずは精神力、次に身体 代表の選抜基準は技術が五〇%、残りは判断力
正確に蹴る シュート練習でなく正確な蹴りの繰り返し、と釜本邦茂選手

釜本邦茂選手は、日本を代表するサッカー選手の一人でJリーグができる前の日本サッカーのエース。1968年のメキシコオリンピックでは7得点を挙げて得点王に輝き、日本に銅メダルをもたらしました。自らのシュートについて “5割は右足。左足が3割で、頭が2割” と語っています。若い頃、プレースタイルに魅せられた名ストライカーのフィルム映像を繰返し見て分析。その分析から、シュートに至るまでの一連の動作が自身の動きより1つ少ない事に気づき、そこからシュートフォームを体得。そのスキル修得には “正確に蹴ること。シュート練習でなく正確な蹴りの繰り返し” との強固な基盤が前提。 “人としての優しさは大人の狡さと一緒にしか成長しない” と作家・三島由紀夫。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

人生に一度は無理をした方がいい その覚悟がジャンプを生む
好きな本を一冊抱えて人生を終える 丁度プラスマイナスゼロ
モノづくり 構想・企画からと用途・サービスからの両側目線
誰かの言葉で不快に感じるなら聞くに値する、とオルドリッジ

NBAは米国で大変な人気スポーツ。バスケットのファン人口は世界で5億人に近く、テニス・ゴルフ・野球ファンを大きく超えるといいます。バスケの殿堂・NYマジソンスクエアガーデンで見たNBAの試合は米国出張の貴重な宝物。オルドリッジはダラス出身のNBAスター選手で、身長211cm、体重111kgの巨漢。 “誰かの言葉で不快に感じるなら聞くに値する” とはスターとして見事な心構え。試合で戦う時間は短くて、自分と戦う時間はそれより更に長く、それが勝負を分けるとの透徹した判断。日本人初のNBA選手・田臥勇太も “他人に自分の限界を決めさせたくない” と不退転の覚悟。 “ある程度、人は楽観的になろうという姿勢を持たなくてはいけない” と作家・村上春樹。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

理詰めで進める限り どんな考えにも必ず反対意見が存在する
完璧な成功が不可能だからこそ 永遠の誓いが欠かせなくなる
素晴しいものは死とは隣り合わせ セリフも細部・語尾に宿る
激動・艱難に挑む 俺の誇りの前に立ち尽くせ、と詩人シラー

フランクフルトに出張の折、たまたま公園でシラーの銅像を見つけて感激。その昔、岩波文庫でシラーの “群盗” を読み、興奮のあまり深夜の道を歩き回ったことを思い出します。シラーはドイツの詩人・劇作家でゲーテと並ぶ存在。理想主義と自由を求める不屈の精神。代表作の ”群盗“ の執筆開始は18歳の時。疾風怒濤時代の理想に燃えた自由への希求と正義心。権力に反抗する崇高な犯罪者を主人公とした作品の上演は、観客に強烈な衝撃を与え、若者たちに熱烈に支持されました。詩人としてはベートーヴェンの交響曲第九番 “合唱” の原詞でも知られます。 “人生とはその時々に自然に変化し、移りゆくものです。変化に抵抗してはなりません。それは悲しみを招くだけです” と老子。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(五)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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http://www.syplus.jp/ooura/

(第57回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(五)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

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