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書評「悩まない(あるがままで今を生きる)」 ダイアモンド社 矢作直樹 著

by staff on 2017/12/10, 日曜日
 
タイトル 悩まない—あるがままで今を生きる
単行本(ソフトカバー) 208ページ
出版社 ダイヤモンド社(2014/7/26)
ISBN-10 4478027226
ISBN-13 978-4478027226
発売日 2014/7/26
購入 悩まない—あるがままで今を生きる

ある方の御縁でつながった。「幸せも不幸も受け止め方しだい」こうおっしゃる矢作先生は救急部・集中治療部の部長さんなのである。表表紙には「視点を変える。足るを知る。それだけで人生は輝く。」(救急医療の現場で医療と向き合ってきた医師が語る、与えられた人生を、悔いを残さず生き切る秘訣)とあった。

はじめに! で次のように述べられる。「悩みと上手、今を楽しむ。今を楽しむことで、いきていることを実感する。これが人生で最も大切なことです。人生の醍醐味と言っていいでしょう。 “悩まない” というテーマは一見、 “言うは易く行うは難し” のように思われるかもしれませんが、実は誰にでも容易に出来ると思います。」

項を見ていきます。「物が多くなると、不自由になる」 「必要なもの、不要な物の分類から始めよう」 「悪口を言う人の仲間入りをしない」 「虚心坦懐に見る、考える」 「自分がいらいらする状況を知っておく」 「あるがままを受容する」 「想念というパワーを活用する」という項があります。 「こうなったらいいというプラスの想念、つまり “願い” にはある種の見えないパワーが宿ります。願いには皆さんが想像する以上に強い効果があるのです。それが最も謙虚に表れるのがリハビリです。」 「一見すると不思議ですが、エネルギーの循環という仕組みを理解できれば腑に落ちると思います。意識や思いというのは、一種のエネルギーです。」 そうして言われます。 「強く思ったビジョンやイメージが意識エネルギーとなって内側にも外側にも放たれた結果、自分も周囲もそのエネルギーに影響されて動き始め、実現する方向に近づくということです。」 続けて 「その際、こうなったらいいな、ではなく、 “こうなりました。ありがとうございます” と完了形で願うといい。」 何かを願う時には、成功した、成就した、と確信していることが必要だと言います。

「何よりも対面することが重要」の稿では次のように言われます。 「まずは自分の言葉で伝えてることこそ、対面という場の価値を高める最上の手段だと思います。その経験を繰り返すうちに、不信感や予断を持つことが消えます。」 対面することで生まれる感情と感情の混ざり合い、そこで複合されて生まれるコンセンサス(合意)がお互いの意思疎通がスムースになることだと語られます。

「こだわらない」という章があります。 「考える事は大切ですが、考え方にこだわる必要はありません。何かが閃いたなら、その直観をどうぞ大事にしてください。」 「幸せと不幸せを分けるのは自分の心ですと、過去をどう判断するかということも自分の心次第です。」 「自分はどこにいるのが幸せなのか、そこにいて本当に心地いいのか、無理していないか。内なる声に耳を澄ませると、正直な気持ちが発露されます。心地よくなければその友人・知人関係は断ち切ればいいのです。一つの縁を切ると必ず新しい縁が生まれますから、何も心配はいりません。日本人は本来、人付き合いに慎重な民族です。」 日本語について続けて語られます。 「英語や中国語などが主語と熟語が連動して構築されるにたいして、日本語は最後まで読んだり聴いたりしないと、誰の発言なのか、賛成なのか反対なのかがわかりません。これは場の空気を読みながら、つまり波長を感じながらコミュニケーションをとってきた民族特有の特徴です。国際社会では意図がわかりにくいと批判されることもありますが、この構造のおかげで無益な争いや激しい衝突を未然に防ぐことができるというのが日本語の素晴らしい点です。」

「家族には期待せず、つかず離れず」の稿があります。 「母親と娘のねじれた感情や父と息子の複雑な感情など、親子はさまざまな事情をはらむ集合体ですから、そういうものだと割り切って “お付き合い” するのが賢明です。だれも聖人君子ではありません。失敗だらけいいのです。そもそもこの世に私達が転生しているのは、そういうことを学ぶためだと信じています。最初から一片の曇りもない素晴らしい感性を備えている魂なら、この世に転生する必要がありません。ケンカしたり、失敗したり、感情がもつれたりしながら学ぶ、それが修行そのものです。」 そして著者はいいます。 「家族とは意外にゆるいチームなのです。」

「自分にダメだししない」という項があります。心配がこじれると、自分へのダメだしが始まります。これが固着すると負の感情が連鎖します。著者はいいます。 「この状況があとあと役に立つ、と自分を客観視できるようになれば、その人は本当に強さを手に入れることができます。」

「別れも学びの一つ」 「ストレスが病気の元凶」 「すべては時間が解決する」 「どこで死のうが、行く場所は同じ」これらは心配しないの章です。何十年も生きると、私たちは余計な殻を身にまとってしまいます。著者は言います。 「大半はどうでもいいプライドやしがらみ、執着、世間体、その他もろもろです。捨てる機会もないまま今日までまとってしまったおかげで重くて仕方がない、それが実情でしょう。素直になるのは、それらを脱ぐ絶好の機会です。もう一つは、できるだけ自分を客観視することです。」

矢作さんは最後に言います。 「過去を悔やむのでなく、今を生きる。」 「自分が動かなければなりません。自分を経営するのは自分だけ。周囲に相談することは自由ですが、最終決定権を持つのは自分です。」

いい時間をいただきました。

(文:横須賀 健治)

 

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