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2017年12月 三ツ池だより 「ちかくて とおい」

by staff on 2017/12/10, 日曜日
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2011年3月11日のことを忘れかけている。

それは、実は2017年11月22日のことであった。「ちかくて とおい」の映画が横浜西区の藤棚の映画館で上映されると聞いて出掛けた。忘れているはずはないとおもっていたのだった。あの風光が全く変わってしまっているのだった。当然復興という名で復旧が進んでいるわけだし、数メートルかさ上げするのだから、景色が全く一変しているのは当然の話ではあるし、よく進んでいるなぁという思いが、浮かばないわけではない。復旧は進んでいるのである。

「ちかくて とおい」は、どう・なぜ変わってきたのかを記録にとどめておく映画である。あの風光明媚な街が突然地震の水害で壊滅したのであった。復興は町をかさ上げしなければならないのであった。多くの犠牲者をだし大切な地域の伝統をなくしてしまったのだ。地域とはなんなのだ! 文化とはなんなのか。それでも地域の復興はされていくのだった。

今私が住んでいる横浜市鶴見区駒岡と言う地域は、60年前と全く変わってしまっている。バス通りから10分から20分歩かないといけない地域であった。田圃にいって蝗(いなご)を捕まえてくると、それを甘辛くしてくれておやつになる時代であった。おねしょをするので、ミミズをとってこらされて、煎じて飲まされたりもした。それが新横浜と川崎を結ぶ幹線道路をつくるために、尾根が削られて全く景色が一変した。それぞれの生活の仕方もかわった。1960年代は日本が変わろうといていた時でもあった。

岩手県大槌町はどのようになっていくのだろうか。

映画は「主人公は風景です。人間はでてきません。28歳の作者が震災から30年後の2041年に28歳になるであろう姪に語りかける形でつづられたモノローグは作者みずからの記憶のなかの風景を映像に映しながら、未来を問いかけるのです。」のコメントをつけている。

映画は列車の音で始まった。トンネルを出る。出口があって、またトンネル。そこは2003年大雪が降り、あちこちで雪と取り組んでいる。それはそれであたりまえの姿を映し出している。そして一転する。 「町はわすれられたような、ここはあなたのお母さんが生まれた町。」 2015年8月の工事中の姿が打ち出される。2m以上の盛り土の場所が至る所に存在している。かろうじて残った建物も解体されてきた。壊されてきた。時が立つにつれ、記憶にあったものが次々に姿を消していく。列車音のあと再び以前の光景が映し出される。港の活気ある漁業、農耕、そして新年の消防隊の列、さわやかな家々、それらが列車音の中で映し出される。そして “これから大震災でご不明な方々のご冥福をお祈りし、サイレンを鳴らします。もくとうをささげられますように” 音が鳴り続ける。

時代はかわっていくのです。変わらざるを得ないのです。私が今のところに住んで、60年前がどんな思いだったかが、不思議となんの思い出になってないのは、風景が全く変わってしまっていることであり、時代の変化が激しかったこともありなのでしょう。この地に根差す生活をしていなかったこともあるのでしょうし、生活環境も激変だったこともあるのでしょう。

大槌町もそうですが、日本がこれから、いや世界がどのように変わっていくのか未知でもあります。今回の映画で感じたことは復興という名で何かが変わること、主体の元住民の声がどこに反映していっているのか、ということ。大きな変化の波がおきていることはまちがいなさそうです。留まるのか変化するのか。どちらがいいとか、悪いとかいうのでなく、今生きている私たちが何を選択していくのかの問いかけと、決断なのであろう。

映画の題名が「ちかくて とおい」です。ここに込められたメッセージはなんなのでしょう。チラシには次のような文章が書かれています。 「2041年、あなたの目の前にはどのような町並みが広がっているのだろう? そこはどんな景色が見え、どのような音が聞こえるのだろう?」 そこにはこうも書かれている。 「ある日突然消えていった風景から、これから生まれる風景を想像させる映像詩」 と。

これは 「そこに、今があるからいいんだ!」 と言っているんではない。過去の上に今があり、今の先に未来がある。その時に生きている人は未来を見ながら生き・生活している。そして生きている限り、過去を知り、これから先に期待しながら生活していくのだ。この映画は、私たちに物の考え方、生きる上での大切なものはなんなのかを考えさせてくれる時間を与えてくれた。貴重な映像なのである。

もうひとつ忘れてはいけないことがある。生活の場を横浜に置きながら、行政の支援で現地の復興に携わっている方がいらっしゃることだ。今は復興の最中であるということも忘れてはならない。二年後に控えたオリンピックの時も復興の最中だということだ。大事なことは隠すのでなく、現状をしってもらうことなのだ。そういった意味でどのようになるのか気になるところだ。大事なことは過去のことではなく、今も復興は続いていることを忘れてはいけない。そしてそれらを乗り越えて、日本がしっかりと歩む姿もしってもらいたいものだ。

最後に、この映画を見る場を作っていただけたことに感謝し、みんなで後押ししなければいけないと思った。

 

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(文・写真:横須賀 健治)

 

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