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書評「稲盛和夫・KCCS実践経営講座 心と生き方」 PHP研究所 稲盛和夫 著

by staff on 2018/1/10, 水曜日
 
タイトル 稲盛和夫・KCCS実践経営講座 心と生き方
単行本 (ソフトカバー)283ページ
出版社 PHP研究所(2017/10/24)
ISBN-10 4569836070
ISBN-13 978-4569836072
発売日 2017/10/24
購入 稲盛和夫・KCCS実践経営講座 心と生き方

まえがきで「これから日本経済をリードしていくべき若い人たちが、人生に対して大きな希望も抱かず、仕事のやりがいもしらないままで毎日を過ごしていると、日本経済はいつまでたっても低迷から脱することが出来ないのではないかと、私は危惧しています。」「“心のあり方” をかえるだけで、人生は変わるー。この大切な人生の真理を私は機会あるごとに講演会などでお話しさせていただいていました。今回、PHP研究所様の勧めもあり、このような私の講演記録を京セラコミュニケーションシステムにてまとめ、本書を出版させていただくことにしたしだいです。」とあります。そして、次のように書かれます。「私たちの人生では、思いがけない困難に直面することはよくあることです。しかし、本書で述べているように“心のあり方”を変えることによって、それを乗り越える素晴らしい人生を送ることができるのです。そのような人生の真理を本書を通じてぜひ理解していただきたいと心から願っています。」

第2部心と経営の第一章心のあり方で「幸せな人生、幸せな企業経営は心がつくる」と言われます「幸せな人生も幸せな企業経営も、すべてはその人の心がつくり出すもの、ということです。」そして「幸せに思うことが、自分を豊かにする」といわれ、「無理なことなんですけども、無理でもいいから、とにかくそう思うんですよ。そういうふうに、あえて自分を仕向けていくのです。」どのように!「この芋を食べてお酒を一杯飲んで、“なんと幸せなことだ”と思うようにするのです。つまり物理的に幸せだとか、物理的に豊かだというのは関係ない。ほんのわずかでもいいから、幸せを感じられるようにする。それによって、自分自身をまず幸せだと思うことが大切です。」「だから豊かさとか幸せというのは、大変なお金がなければ生まれてこないものではないんですよ。わずか、この芋とお酒がいっぱいありさえすれば、幸せは得られるんです。そして満足し、 “ほんとにいいわな” 思った瞬間に、世の中はガラツとかわるんです。これは事業も一緒です。よしんば、相手が権謀術策を弄する。つまり悪い人がいてもそれに同調したり、それに対抗しようと思わないことです。」

サイエンスの領域に心がもたらす影響については「たぶんこれは難しすぎてうまくいかん、むりやろうな、と思って行う研究と、うまくいくんではないか、と思ってする場合とでは研究成果がガラツと変わってきます。これはもう、まことに、不思議なぐらいに変わってきます。」そして「心の状態が経営に写る」と語られます。「自分の周囲の現象は、すべては心の反映である。我々はそのためにより立派な人格者であるべきだ、と、まさに研究している時に、これを考えたのです。それは、研究といういわゆるサイエンティフィックで全く物理化学的なことでありながら、研究しているその当事者の心の状態というものがじつは研究成果にまで反映するのです。これは経営を行う際にも当てはまります。」

稲盛さんは「人格が変わる2つのきっかけ」を話されます。変える方法の一つが「凄まじい災難にみなさんが遭って “もう、この世にいられなくなるのではないか” と思うぐらいの状態になることです。」災難にぶち当たって、心から反省したときに、初めて人間は変わることが出来る、と話されます。もう1つは、「しょっちゅう繰り返し、繰り返し、自分自身の人間性に反省を加えている人がそうなります。」 「繰り返しの反省をやっていれば、じつに潜在意識に入っていきます。人間のなかで人格の相当大きい部分をしめているのは潜在意識です。その潜在意識というものが、繰り返しの反省によって変わっていくのです。」と語られます。そして経営者は人を雇い、その人を幸せにしてあげてくださいとも話されます。「高い給料をはらって、その人に喜んでもらうということは、これは立派な、どんな善行、良きことをすることよりも、それは立派な善であります。」

「会社の拡大は利他行の拡大」の稿があります。「少なくとも自分の妻子だけは守ろうとすると、ファミリーのエゴになります。ファミリーのエゴですけれども、これは個人から見た場合には、利他が入っています。奥さんを大事にしよう、守ってあげよう。子どもも守ってあげよう、というのですから利他が入っているのです。だから家庭単位のエゴというのはもうすでに利他が入った物であります。」「それがちいさな会社であっても、会社を守ろう、会社の従業員を大事にしようと考えると、個人のエゴから見た場合には、もう立派な利他行が入っています。つまり人を救ってあげようということが入っていますから、これは大変なことなのです。」

稲盛さんは言われます。「経営者の人たちは、少なくとも自分も幸せにならなければいかんし、自分の商売もよくならなければいけませんが、少なくとも社員を、地域社会を、みんなをよくしていこう、そのために自分が一生懸命頑張るんだと考えてもらいたい。苦労もいとわない人たちであって欲しいと思います。」総スカンを食らっても妥協しない。垂直登攀で自らを追い込む。など多岐にわたってのお話が詰まっている。

今年もいい年であって、努力の甲斐がある年でありますようにお祈りしております!

(文:横須賀 健治)

 

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