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横浜から新しい文化を興したい。セグウェイジャパン株式会社社長 大塚寛さん

by staff on 2010/9/10, 金曜日
セグウェイジャパン株式会社大塚寛社長  
名前 大塚寛(おおつかひろし)さん
出身地 横浜市戸塚区 22歳、大学卒業まで暮らしていました
年齢 38歳
家族構成 妻と二人暮らし
現在の住居 みなとみらい
趣味 ゴルフとテニス
自分の性格 物事をちゃんと考えながら進む慎重派だが自分のフィールドに入っていった瞬間にかなり積極的になる。イノシシ年なので、猪突猛進タイプかもしれない。
会社のHP http://www.segway-japan.net/

 

セグウェイとの出会い

1995年にスーパーコンピュータの会社である日本クレイに入社(スーパーコンピュータの会社)して、つくば市で研究所相手にビジネスをしていました。
2年後に日本クレイは日本シリコングラフィックス株式会社という3Dの会社と合併しました。同社は、1999年に日本SGI 株式会社に社名変更しました。
2007年まで12年間、日本SGI 株式会社に社名変更に在籍して、営業やマーケティングを担当していました。当時のスーパーコンピュータのレベルは、現在のスマート端末として話題のiPhoneと同じくらいでしたね。

最先端のコンピュータ会社で働きながらも、常にデジタルとアナログのギャップを感じていました。デジタルはデジタルでいいが、アナログにも捨てがたい魅力があるからです。

短いサイクルで新製品を発売することで、物を大切にする心がなくなっているのでは?と常に思っていたときに、会社から新規事業を立案するようにと指示がありました。そこで出した答えは、IT会社が考えるロボット事業でした。

ロボットは要素技術の結集です。ロボットは、人間の変わりになるのではなく人間との共存が重要になり、そのためのテクノロジーを今後研究開発されてくるでしょう。2001年9月11日ニューヨークの同時多発テロでは、瓦礫の山の中をレスキューロボットが活躍するシーンが話題になりました。
人間ができないことを実現することで社会貢献の役割を果たしたのです。

 
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日本でも2001年ごろ電気通信大学の先生と共同研究で、レスキューロボットの開発に着手しました。産業用ロボットの研究は進んでいたのですが、瓦礫の山の中を移動するロボット研究は、難しいと言われていました。山野を走ることのように、人間が当たり前にできることがロボットには難しいのです。
日本人は一つの目的に対してテクノロジーを追求する事は大変上手なのですが、マーケットを創出することは下手ですね。アメリカは軍需産業から民需へ向け様々なマーケットへと展開するのが非常に上手。
私は日本でロボット産業の様々なマーケットを生み出したいと考えました。
まさにIT産業が、様々なマーケットを塗り替えたように。

セグウェイは車やバイクと同じような乗り物とよく言われるのですが、私はセグウェイは搭乗型ロボットだと考えています。人が乗っているロボットなのです。
人と機械のバランスが1対1の関係性にあるプロダクトがまさにセグウェイであり、ロボットに携わったのをきっかけにセグウェイに出会う事が出来ました。
まさにテクノロジーと人間との親和性がとれるプロダクトがセグウェイなのです。

2006年に日本SGI 株式会社で、セグウェイの国内総販売代理店権を取得しロボット事業ならびにセグウェイ事業を戦略事業推進本部として立ち上げ、同時に最年少執行役員本部長として携わる事になりました。

その後、今までに経験をした事がないくらい日本SGIには多くの記者達が取材目的に来社し、日々雑誌やTV出演など注目をされる存在になりました。
しかし、その反響とは正反対に、会社の方針でコンピュータ事業への原点回帰が社内で明確になり、私は、これからの社会にはロボットを活用したサービス事業の発展が大きく進展すると考え、それにはセグウェイのような環境に配慮した社会意義のあるプロダクトに携わるべきと判断し、独立する事を決意しました。まさに世の中がリーマンショックの最中でしたが、、、

 

セグウェイでできること

セグウェイができることは、楽しく移動出来る事です。さらに環境に配慮したプロダクトです。1回の充電で、約40km(約10円で)走ります。
セグウェイの全世界の用途として30%以上が、警察、警備分野で使われています。
9.11の同時多発テロ以降、アメリカで警察官の離職率が増加しました。それを抑止するために、警察官にセグウェイを与えました。まさに機動性の確保を行い、歩行と変わらず隅々まで巡視出来るという利点を活用したのです。
またセグウェイに乗っていると住民から声をかけられるようになり、視認性が確保され軽犯罪が減るという定量的な効果が生み出されるようになりました。

また一方で観光地での移動手段として使われています。海外では公道走行が出来ますので、首都部を2時間程度かけてガイド付きツアーする事に多く利用されております。国内では、私有地の活用になりますが、沖縄や長崎、北海道などでセグウェイに乗ったガイド付きツアーを実施しています。歩く負担もなく大自然を満喫できるこのツアーはいつも満員で大人気になっているようです。

国内でも公道(歩道)走行できるように国に働きかけております。特に地方行政と共に公道走行実験などを行っております。
具体的には、特区申請を行い観光名所をガイドツアーで回ったり、警備パトロールを行い安心安全町づくりに協力したりと様々な議論を行っております。
特に茨城県つくば市では、今年度より実証実験が始まる予定となっております。

 

なぜ横浜でセグウェイジャパンを輿したのですか

前述したように将来のビジョンを明確に持ち、前職で新規事業として行った事業を引き続き行おうと決心したからです。そこで、私(大塚社長)が、前職の会社に対してMBOを行い、2008年12月に独立することになりました。

※MBO(management buy-out)
企業の経営者や幹部社員が、当該事業の継続を前提として既存オーナー(株主や親会社)から株式もしくは営業資産を買い取って、経営権を取得すること。

ちょうどリーマンショックのときで、MBO後に第三者割当増資の資本を入れることは困難と判断し、セグウェイ在庫を販売する事で、キャッシュを作りました。また私は浜っ子なので、起業するならば横浜で!という思いがあり、2009年4月に、現在の場所に本社をかまえ本格的に営業を開始しました。
そして2009年5月22日、セグウェイジャパン設立の記者会見を行いました。

横浜は、様々な発祥地である事は多くの方がご存じでしょう。まさに150年前に鉄道が発祥した土地であり、外来のものを持ってきて発展させることをうまくやっていた場所です。横浜には、いろいろな人が産業を発展させるために夢や希望を持って集まってきました。日本の近代の輸送機関が始まった原点ともいえるところです。21世紀には環境に配慮し近距離移動体をもっと見直す時期に来ているときに、ここで起業したかったのです。

現在、セグウェイは、先進国の中で、公道走行出来ない国が日本とイギリスだけになりました。

私は、この横浜には環境に配慮したエコな乗り物を気軽に乗れる環境作りと、移動を楽しく行え、多くの観光客を受け入れる横浜の実現を望んでいます。
まさにパリやサンフランシスコのように観光が盛んで環境に配慮している国と勝負できる場所でもあります。また、多くの観光客の安全を見守る為にも警備会社や警察の方々、NPO団体の方々にもパトロールやコンシェルジェとしてセグウェイを活用頂きたいと日々考えております。

 
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近距離移動をしっかりと考えると様々な発見が見えてくるため、街にとって大変良い効果をもたらすと思います。
単なる今までの自転車やバイクのような移動手段ではなく、人にもたらす効果が大きい事をセグウェイは世界規模で証明してくれるでしょう。

 

横浜について

昔の横浜は、情報や文化を発信する力があったように感じています。育ってきた感覚ではなく、横浜で商いを始めた感覚では、この横浜は今、かなり閉塞感が漂う街になっていると強く感じます。大きな都市の形成が完成されると保守的になるのかと思うと、少し残念に感じる部分も多々あります。
伝統と革新こそが本来の横浜であると私は考えております。
それを実現するためには、行政の力も重要になってくると思います。
特に横浜で起業する場合は、行政支援がとても重要になり、横浜ビジョンとシナジーがある企業には横浜を多く世界へ配信出来るような支援体制を是非考えて頂きたいと思っております。

 

横浜への導入状況はいかがですか

パシフィコ横浜で24時間警備としてセグウェイを導入頂いております。
警備分野での活用は、軽犯罪が少なくなると世界的に言われており、国内でもトイレの落書きがなくなったり、公園を訪れている方々から声をかけられるようになり、視認性の確保などが出来るようになったと伺っております。
まさに機動性の確保と視認性の確保により軽犯罪の低下に繋がったと言えると思います。今年は、パシフィコ横浜でAPECが開催されるため、是非、APECで警備にご利用頂きたいと思っております。
本来ならば、海外と同様に警官や警備会社が公道走行出来るような社会を実現し、犯罪の低下に繋がるような動きを頂ければ社会に貢献させて頂いた実感が得られると考えております。その実現には、法律問題をクリアしなければ実現には至らないため、日々努力し安全の徹底に努めております。
まだ多くの方は、残念ながらセグウェイをエンターテインメントの1つの道具としてしか考えていません。よって、警備分野やガイドツアー分野など業務に利用できるシーンを多くの方々に見て頂く機会を増やして行く事が重要であると思っております。
是非、この横浜でも湾岸エリアでのガイドツアーと安全パトロールとしてセグウェイを活用した見回りを行いたいと願っております。

 

今後の展開についてはどう考えていますか

新産業を創出するときには、法律の壁にぶつかる事が多々あります。
セグウェイもその一つです。前述でコメントさせて頂いたように軽犯罪の低下やコミュニケーションツールとして人との親和性に優れている乗物でもありますので、一つのエンターテイメントの乗物とは違います。
また世界ではほぼ公道走行が可能になっている状況は事実ですので、この日本でも公道(歩道)走行を実現し、様々な効果をもたらせるように実現に向けて邁進します。そのためにも自治体の方々と特区を取得することで走行できるエリアの拡大がまずは出来れば良いと思っております。
それだけセグウェイに毎日携わっている我々以上に世論がそれを望んでいるのも大きな事実ですから、頑張りたいと思います。

 

セグウェイはこれからどのように進化していくのですか

米国セグウェイ社は、二輪にこだわりを持っております。独り乗りタイプを製品化してから10年が経ちましたが、現在上海万博で未来の乗物として二人乗りの二輪タイプを車メーカーとタイアップして展示しております。倒立振子技術を継承し、体重移動での伝達部をハンドルでまかなう機構となっています。まさにシンプルなモジュールで部品点数も少なく、将来は車間通信を行いながら安全に走行できる乗物です。まさに移動ロボットと言って過言ではないでしょう。これを既に米国ではニューヨークで公道走行実験が行われたり、中近東ではゼロエミッションタウン構想にも盛り込まれているほど進んでいる様子です。

 
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まさに街のライフスタイルそのものが変わる重要な時代に入ってきていると思います。
また、セグウェイのようなパーソナルモビリティの普及はこれからが本格的に市場拡大になると予測されており、自動車メーカー各社は、このパーソナルモビリティの開発が盛んに進んでいるように思えます。
米国セグウェイ社も新しいスタイルの研究が行われており、常に人に喜んびをもたらす乗物の追求を目指し開発をされています。

私たちはもともとIT産業に従事しておりましたので、サービスを創出する事を常に考え、利便性の追求だけではなく、自然と笑顔が出てしまう乗物やロボットの開発研究を続けて行きたいと思います。
さらに、アメリカは今やIT企業が車を作る時代になりました。データーセンターと移動体(車)を常に通信し、様々なサービスを展開する事を実行するために車メーカーに自らなり、まさに今までの常識を変えようとしています。

 
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弊社は、米国セグウェイ社の総販売代理店権を保有しているだけで、資本が入っているわけではありません。よって、日本独自の開発を進めることができます。まさにロボット要素技術を利用した近距離移動体を開発し米国セグウェイとは異なるプロダクトを出す事も可能になります。
それを証明するために米国セグウェイ社が商品化しているロボットプラットフォームを当社が全世界で一番理解しコンサルして販売を行っておりますので、米国セグウェイ社からは、当社をテクノロジーカンパニーと位置づけております。特にソフトウェア技術が重要になりますので、今後もロボット要素技術としてソフトウェア技術の開発を中心に開発を行ってまいります。

日本のもの作りを継承する上で今まで日本経済を支えて頂いた多くの方々と共にコミュニケーションを親密にし調和をとりながらものを作る事は、今後の物作りには大変重要なミッションであり、我々は特に大事にしたい事でもあります。今は、もの作りの職人さんの気概を若い世代に伝授しなければ、、、と危機感を大変抱いております。

 

東京と横浜の違いを感じますか

私のイメージでは、東京は文化を作ろうというよりかは、ひと儲けするという意味で人が集まるように思えます。よって、少し淡白なようにも思えます。
それに対して横浜は、歴史的な背景を持った人たちが集まっているので、言葉に重みがあるように感じます。
経済面では、特に最近の横浜は元気がないように感じますが、やはり東京は常に新しい情報が入り発展しようと気概を感じます。

 
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横浜の魅力は、良き文化を残し、新しい文化を取り入れるところだと思うのですが・・・開港当時の横浜の熱気を是非取り戻してほしいですね。
「151年前の横浜復権」を目指しましょう!

大塚社長は、自らが「ヨコハマ・ドリーム」を実践していくのだという気概がありました。
10月20日に開催するシンポジウム「ヨコハマ・ドリームを語ろう会」に、パネリストとして参加される予定です。大塚社長の熱い想いを会場でお聴きください。 シンポジウムの詳細はこちら

 

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