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しあわせの「コツ」(第15回) 実は凄い「けがれ」という考え方

by staff on 2018/3/10, 土曜日

第15回 実は凄い「けがれ」という考え方

3月と言えば「ひな祭り」。
今は女の子のお祭りという印象の行事ですが、元は5節句*のひとつである「上巳(じょうし)の節句」と言われていたそうです。上巳というのは旧暦の最初の巳(み)の日、3月3日に当たります。明治になってから新暦の3月3日に引き継がれました。

*5節句:人日(じんじつ)の節句(1月7日)、上巳の節句(3月3日)、端午の節句(5月5日)、七夕(7月7日)、重陽(ちょうよう)の節句、の5つ。

古代中国(300年ころ)では上巳を忌むべき日として、川辺で禊祓いをしました。この「上巳節」が遣唐使によって日本に伝えられ、最初は帝のために厄祓いをしていましたが、平安時代には公式な宮廷行事として、「上巳の節会」という宴会が行われるようになりました。

上巳の節会では、水の流れる場所で杯を流し、自分の前を通り過ぎるまでに歌を詠んだり、お酒を飲んだりする「曲水の宴」が行われたり、人形(ひとがた)で自分の身体をなでて穢れを移し、それを川や海に流しました。これが「流し雛」の始まりと言われています。

今も地方によっては続いている「流し雛」

上巳の節会が宮中で行われていた平安時代、貴族階級の子供たちの間で「ひいな遊び」が流行っていました。現在のおままごとのようなものです。「ひいな」とは「小さくてかわいらしいもの」という意味があり、ひいな遊びで使われていた人形は人の代わりに厄を受けてくれると考えられ、厄祓いの流し雛として川や海に流されるようになりました。

宮中行事としての「上巳の節会」と、子供の遊びとしての「ひいな遊び」が年月とともに重なり合い、現在のような「ひな祭り」になったと思われます。

こうしてみると、「ひな祭り」は「禊」であれ、「厄祓い」であれ、「穢れを清める」ことが本来の意味合いであったといえましょう。桃の花をお供えするのも、桃に邪気を祓う力があると考えられたからです。

京都御所の桃の木:「桃の節句」と言われるほど、ひな祭りと縁が深い桃の花

「穢れを払う」(あるいは「祓う」)と言うとき、私たちは「清浄vs穢れ」のように対立するものとして捉えていません。「穢れている」ということは、「もとは清らかだった」のです。だから、祓ってあげれば清浄な姿に戻る、という暗黙の認識があります。

もともと神道ではすべての行事は「つみけがれ」を祓う事から始まります。「つみけがれ」といっても、「つみ」は犯罪などの「罪」ではありません。神様から頂いた本来の素晴らしい姿を「包み隠してしまう」ことを指しています。「つみ」とは、「包む身」のことなのです。

一方「つみけがれ」の「けがれ」も「汚い」という意味ではなく、神様から頂いた神気(宇宙エネルギー)が枯れてしまった状態、つまり気・枯れ(=けがれ)のことを指しているのです。

熱海梅園:神気溢れる古木

東洋医学では「怒・喜・憂・思・悲・恐・驚」の7つの感情が原因となって病気などの「気・枯れ」が起きると考えます。面白いのは、「喜び」も「気・枯れ」の原因になっていることです。

私たちは「喜び」は多ければ多いほど、大きければ大きいほど良いと思いがちですが、昔の人は過剰な喜びや快楽も神気を奪う「気・枯れ」と考えていたようです。確かに私たちは、興奮して遊び過ぎた後、疲れ切ってしまうことはありませんか? まさにエネルギーが枯渇した状態になりますね。「行き過ぎた快楽」も「けがれ」と考えるところに、「けがれ」という概念の深さがあるように思います。

「けがれ」は「気・枯れ」、すなわち神気の不足だとするなら、補ってあげれば「けがれ」は清まることになります。ではどうやって清めるのでしょうか?
-その方法は拍子抜けするほど簡単です。

そう、「感謝すること」によって、神気を増すことができるのです。それも単に神様や仏様だけでなく、ご先祖や家族、あるいは植物などの生物、道具などの無生物にも感謝をしていくのです。

最近は「ありがとう」を沢山言うと幸せになるとか、「感謝」が金運を引き寄せる、と言った説が多くの人々に支持され、関連書籍も多数出版されています。

その背景には、「ありがとう」「感謝」という言葉のポジティブなエネルギーで、ネガティブなエネルギーを中和できるという考えがあります。確かに-100のネガティブエネルギーに+100のポジティブエネルギーを足せばプラスマイナスゼロになります。ポジティブエネルギーが+200だったら、(-100)+(+200)=+100で、それはもう、幸せいっぱいになるでしょう(笑)。

「けがれ」を「清浄vs穢れ」と言う対立関係の中で見るのではなく、「神気(宇宙エネルギー)が満ちているか、それとも枯渇しているか」という視点から見る時、私たちはあることに気づかされます。それは、昔の人が具体的な事物を「物質」であると同時に「エネルギー」として捉えていた、ということです。

現代物理学が、物質は粒子であると同時に波動である、という認識に到達するには、20世紀の量子論の登場を待たねばなりませんでした。それを思うと、私たちの先祖の意識の先進性に、改めて驚きを禁じ得ないのは、けっして私だけではないと思います。

筆者紹介

 
本 名 田尻 成美 (たじり しげみ)
略 歴 著述家・株式会社エランビタール代表取締役
著書 「しあわせのコツ」(幻冬舎)
主な訳書「都市革命」(H・ルフェーブル著 晶文社)、
「空間と政治」(H・ルフェーブル著 晶文社)、
「文体論序説」(M・リファテール著 朝日出版社)
比較文化的視点から、日常の出来事をユーモアを交えて考察していきます。
著 書 「しあわせのコツ」(幻冬舎)



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