楽しい文字の世界(第10回) 書の型を学ぶ王道
第10回 書の型を学ぶ王道
「人生100年時代」 ということばを良く耳にするようになりました。
オリンピックを応援していると、競技している殆どの方がその前半部分です。
フィジカルなことを考えれば当然ですね。
ところが書道は、ピークは山なりにはなりません。ずーっと右肩上がりを続けることが可能です。人生経験を積めば、言葉に重みも貫禄も出ます。そしてそれが書にも表れてくるのです。
ではいったい何を学ぶのか。
書の学習方法の王道は「臨書」です。
古典の文字を良く観察し、技法を探ります。臨書は、書の技法を習得するための最良の方法です。いわゆる書の「型」を身に着けるのです。
ところが、これは大変地道で時間のかかる作業です。
夏目漱石の「こころ」は「読むたびに感想が変化する。」と言われますが、それと同じような感覚を覚えます。同じ古典を良く観察し、臨書しても、その度に感じるものが違うのです。
臨書については4種類あります。
形臨…文字の形を良く観察して忠実に捉えて書く方法。
意臨…文字の特徴的な趣を捉えて書く方法。形をそのまま臨書しなくても特徴をつかめばよい。
背臨…手本を見ずに書く方法。頭の中に入れてしまう訳です。
倣臨…臨書によって学んだ特徴や表現技法を、他の文字に生かして書く方法。
ここまでこれたら自分のものになっています。
臨書によって学んだ表現技法を十分に生かして、創作していきます。
歌舞伎の世界でも言われますね。型を身に着けるからこそできるのが型破り。そうでなければただの型無し。
基本ができていない文字は、土台がしっかりしていないので、やはりおぼつかないです。
どんなに大家で、創作の書を世に生み出していても、臨書は並行してされているはずです。
手前左:王羲之 右:欧陽詢
筆者紹介
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