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書評「リーダーになる人に知っておいて欲しいこと」 PHO研究所 松下幸之助「述」

by staff on 2018/5/10, 木曜日
 
タイトル リーダーになる人に知っておいて欲しいこと
新書 123ページ
出版社 PHP研究所(2009/3/24)
ISBN-10 4569704107
ISBN-13 978-4569704104
発売日 2009/3/24
購入 リーダーになる人に知っておいてほしいこと

「戦略・戦術は大事 しかしそれ以上に大切なことがある」という帯の言葉に興味をもった。

6項に “敵をほめる” 「商売や経営では相手をくさすことはしない。ライバルのいいところを見て、それを頂戴する。政治も同じく、相手のよい政策は取り入れ、そのうえで味付けをすればいい。そうすれば日本の政治もよくなる」がある。相手をほめる。そして私らの考えは、あじつけはこういう風にしている、だからよりいっそういいと、話したらいいという。

9項は “自分から進んで吸収する” 「考えても答えのでないものはある。しかし、志のある人は、歩いて尋ねて教えを請い、いずれ答えを出すだろう。自分から進んで学ぶ。おしえてくれるなどと思ってはいけない。」いつまでも教えてもらえると思っていてはいけないのだ。自分から学んでいかないといけないのだ。
相手をほめる。自分から進んで学ぶ。

10項は “運命をかける” 「悲観したり、思うようにいかなかったり、迷うときもある。そうしたときに、もうこれしかないと運命をかけることができるかが、成功と失敗の分かれ道となる。」武蔵は絵だけでなく、剣がうまい。その彼が学んだ先生はいなかった。宮本武蔵は自分で修めて、会得したんだという。武蔵は鐘の音を聞いて、風が吹いてきたと知り、その鐘の音で何かを会得していた。「ああ、風が吹いて寒いな」ということは考えていないと言われる。「宮本武蔵という人には師匠はない。自分で剣の術を会得した。だから諸君も宮本武蔵みたいに自分で研究・工夫したらいい。全世界の人々にこうしたらいい、こうしたら人間の幸せというものが約束できるという心情を発見したら、それを発表したらいいわけや。そんな完全なものまでいかんでも、これが今いちばん現世において最高のできやという論文ができたら、それを発表したらいいわけやな。」

12項は “人間の本質を知る” 「われわれ人間は、お互いに “飼いあい” をしていると考えればいい。だから、成功しようと思うのなら、まずは “相手の本質を知る” 、つまり “人間というものはこんなもんや” ということを知る。そこから出発していけばいい。」人間の本質を知って初めて政治が政治として成功するかどうかがわかるのだと言われる。

24項は “なにごとにも熱意が基本” 「何事も基本となるのは、熱意である。四六時中、頭の中は仕事のことでいっぱいになる。そうなると不思議なもので、新しいことが浮かんでくるものだ。浮かばないとしたら、それは熱意が足りないことにほかならない。」熱心さは必要に迫られ、切羽詰まったら自然にうまれてくる。そして、誠実に、素直な心で、自分の境遇、自分のおかれている状況というものを見つめたならば、自然に感謝の心も生まれ、これに報いるために何をすべきかということがわかり、それが使命感なのだと言われる。

29項は “簡単な第一歩から始める” 「武士は、いずまいを正すこと、つまり “座る” ことが基本だった。仕事にも儀礼がある。挨拶や掃除は、業績とは一見関係がないように思えるけれども、人間としての基本であり、極めて大切な事である。」松下さんは九歳のときに船場へ奉公に出て、厳しくしつけられたと言われる。朝早く起きて、顔を洗い、むこう三軒両隣を掃除するわけだが、掃除の仕方が悪いとよく叱られたのだそうだ。お得意さんへ行くときは、お辞儀の仕方からあいさつの仕方まで全部おしえてもらった。「こんにちはいいお天気ですね」の挨拶、それから、「こういうふうに言って、こうやって、最後にこういうふうにお辞儀して帰ってきなさい」というように基本をきちっとやることをおしえられた。

36項は “感動する手紙をかいているか” 「相手が感動する手紙を書いているか。通りいっぺんの手紙になっていないか。礼状一つでも、違いが出ることを忘れずに。そこから人間同士の関係がはじまるのだから。」通りいっぺんの手紙でなく、ほんとうに感激して書いたら、そういう手紙が書けるはずという。一ペンの講演を聞いただけで非常に感服して偉くなる人と、同じ講演を聞いても聞き流してしまう人いる。成功する人はみんな、一言聞いたらそれを全部生かしている。そういうところに違いがある。だから一挙手一投足が、みんな修行になるのだという。

43項は “自分を使いこなす” 「人間の心は伸縮自在である。まずは自分の心を使いこなすこと。自分を使いこなすことができないようでは、他人を使いこなすことなどできるわけがない。」十五歳のとき、船から海に落ちたことがあった。その時に、えらい災難にあった。着物もなにも塩水にいっぱい浸かってしまった。これをまた洗濯しなければならないと思うだけだったら何にもならない。ところが幸之助はそう思わない。死なないで助かったということは、これは運が強いなとおもったのだという。だから腹はたたなかった。そういうように発想をいい方に転換しないといけないのだ。

46項は “自己観照する” 「他人に観てもらうより、自分で自分を観る。自分のどこがいけないかを自分で見つける。この自己観照が大切である。」いつも自分自身を、自分の中にあって観ている。それをいっぺん、自分が身体から外へ出て行って、そして出て行った自分が、今、現に存在している自分を観る。そうした自己観照をしてみるのだ。

われわれはお互い奉仕しあっている。お互い仕えるということ。仕え会うということが非常に大事な事であり、忘れてはいけない。その心持がお互いの絆をつなぐことなるのだ。

(文:横須賀 健治)

 

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