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2018年10月 三ツ池だより 「和歌うたとHULAを金沢文庫で楽しむ」

by staff on 2018/10/10, 水曜日
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「日本とハワイの文化交流」に参加しました。まず会場に驚きました。称名寺の前なのでした。寺の案内門を入って少しのところに右に入る細い道をいくと、そこに会場があるのでした。お寺の門を通っていける仏教の心の広さに驚きました。別の道を行くとお寺を通らずにそこには行けます。そして日本の言葉をHULAという踊りに取り入れたセンスは見事でした。最後は見ている者も皆が一緒に踊るのでした。早苗ネネさんの努力とセンスが光った催しでした。踊り手の力を引出し、謳いあげる早苗ネネさんの力を感じました。早苗ネネさんは「ヨコハマNOW」に「和歌うた」を寄稿されています。

翌日カードをひいたら
   Mano 迷った時は勇気がいる方を選択して
   もう一枚 縁の下の力持ちに徹してみて

迷っている自分を示され、現状の姿を想像させた。今はその時をすごしているのだ。自分の役割が見えている。もう一枚を引いてみました。
   もう一枚 冒険をするときです。
常識の枠をこえて自分のルールブックで行動するのです。
昨日の今日という日に、このカードが示されたことに喜びました。何か書けそう。

昨日の出し物は「迎春」という和歌うたとHULAのコラボでした。
「迎春」には次の四首が歌われていて、4人のHULAの舞い手が一首づつ担当して創作HULAを創られました。

  • いづくとも 春の光は わかなくに まだみ吉野の 山は雪降る
    詠み人:凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)
  • 桜散る 木の下風(このしたかぜ)は 寒からで 空に知られぬ 雪ぞふりける
    詠み人:紀貫之(きのつらゆき)
  • あすからは 若菜つまむと しめし野に 昨日も今日も 雪は降りつつ
    詠み人:山部赤人(やまべのあかひと)
  • まきもくの 檜原もいまだ 曇らねば 小松が原に あわ雪ぞ降る
    詠み人:大伴家持(おおとものやかもち)

古典和歌とHULAの舞手が、一人一首を担当して創作舞を創り、その四曲を組曲とした「和歌うた」を歌って、それに合わせ創作舞をされました。感動し驚き、日本とハワイのつながりも感じました。全く違和感がなく、素晴らしい感動を創りあげられていました。観客の私達に語りかけHULAをされる舞い手の方々のしぐさも美しく、そして和歌に曲をつけられて歌われるネネさんは神々しくも感じられました。厳かな中に柔らかく優しさを感じさせていただきました。

和歌うたについて次のように早苗ネネさんは述べられています。

「和歌は日本文化の根幹にある宝物です。歴史を紐解けばそこには大陸からの渡来人が作ってきた古代社会がありますが、それらの異文化が日本列島の中で融合して一つの情緒とも言える感情的思考を生み出しました。それが大和という言葉に代表される民族意識です。日本と言う国の礎に絶対に必要だった言葉の文化が、和歌と言う美しい織物として残されています。これから又五年十年と和歌を歌い続けて参ります。やっと少し形になってきました “和歌うた” というジャンルがいつか日本の謡曲の中で小さな席を頂けるように・・」

♪ めぐりあいて 見しやそれとも わかぬまに 雲隠れにし 夜半の月かな ♪
     詠み人 紫式部(むらさきしきぶ)

「久しぶりね! 本当に貴方なの? だいぶ合わなかったから一瞬分からなかったわ。その上月が雲間に隠れるように早々に帰ってしまって・・もっと話がしたかったのに。」

これは「ヨコハマNOW」の2012年12月号に掲載されたネネさんのものです。本当に「和歌うた」というジャンルの席が用意されることを祈るのでした。

♪田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ ♪
     詠み人 山部赤人(やまべ の あかひと)

「田子の浦の海岸に出てみたら、真っ白な富士山が見えて、山頂には今も雪が降っているようだ。」

これは2014年1月の掲載です。「やはり新春にふさわしい和歌といいますとこの歌が一番でしょう。真っ青な空に真っ白な富士山。掛け軸や絵葉書に出てくる富士山とこの一首はまさに日本人の持つ冬の富士山のイメージを代表しているような気がします。最近新幹線に乗る機会が増えて、岡山と新横浜間をよく往復します。そして座席から富士山を眺めるのですが、世界遺産に登録されてから心なしか輝きが増したような気もして・・。晴れた日などは本当に美しくて、つい毎回シャッターを切ってしまいます。」と早苗ネネさんは書かれます。

♪ 来ぬ人を まつほの浦の 夕凪に 焼くや藻塩の 身も焦がれつつ ♪
     詠み人 権中納言定家(ごんちゅうなごんていか)

「恋人が 来ない。夕凪の海岸で誰かが塩を焼いているけど、待ち焦がれた私の心も、塩焼だわ。」

これは2017年8月の掲載です。「この和歌。藤原定家さんが女性の気持ちを歌ったものだと知ったのは、実は先程です。まさか女心を歌っていたなんて、まったく知りませんでした。この歌を8月の一番熱い時期にコラムで書く事はだいぶ前から決めていましたが、私は最初から男性の歌だとばかり思っていたので、アルバム “和歌うた 小倉百人一首” でも男性歌人の恋の歌を集めた “Passion Night 情熱の夜” という組曲の一番最後に歌っています。」早苗ネネさんは書かれています。

素晴らしく楽しい企画でした。鑑賞させていただきありがとうございました。

 

Photos

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(文・写真:横須賀 健治)

 

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