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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第69回)

by staff on 2018/12/10, 月曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第69回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

細川藤孝(幽斎)は戦国時代の武将。室町幕府に仕えた後、織田信長に引き抜かれ大名に。 “本能寺の変” 後、信長に殉じて剃髪。長男・細川忠興の妻は明智光秀の娘(後のガラシャ)。光秀は藤孝の支援を期待しましたが、信長に恩義を感じて動かず。それが豊臣秀吉の天下取りに繋がり、その恩から秀吉は光秀の娘と忠興を赦したといいます。徳川家康にも重用され細川家の礎を築くことに。一級の文化人で、和歌・能・茶の湯などに優れるリベラルアーツの先駆者。その奥行きが信長・秀吉・家康に重宝された一因かも。グローバル戦国時代の21世紀を生き抜くヒント。また、忠臣蔵の赤穂47士は4大名家にお預けになり、大石内蔵助はじめ17人は細川家で切腹しています。他の大名家では血に染まった庭を水で洗い清めましたが、細川家だけは忠義の血としてそのままにしました。その庭は今も “17人忠列の跡” として保存されています。梁塵秘抄では “わぬしは情なや 妾があらじとも棲まじとも 言わばこそ憎からめ 父や母の離けたまう仲なれば 斬るとも刻むとも世にもあらじ” とあります。どの時代も反対を突き進むのが解決への道。 “自分の内部の不良少年を枯死しないようにする” と哲学者・鶴見俊輔。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

平常時と非常時 非常時は、被害者へのメッセージが最重要
過去の戦争に責任はないが、これからの戦争には全員が責任
創造はボトムアップが基本 失敗対策はトップダウンで徹底
メッセージの九九%は誤解・曲解 リベラルアーツで見抜く

平常時と非常時が頻繁に繰り返される時代。専門性は一段と重要になりますが、それもリベラルアーツという土台の上での話。リベラルアーツの理念的な源流はギリシャ・ローマ時代。一人前の人間が持つ必要がある技芸(実践的な知識・学問)の岩盤。現代に置き直すと、人文科学・社会科学・自然科学を貫くもの。21世紀は、無重力状態の中での三次元発想(上下左右もない)が求められています。まさに、自由人として、誰からも誰をも管理しない人間として生き抜くこと。最近、哲学の人気が高まっていますが、無意識に21世紀の世界への適応を模索しているのかも。 “フェイク(偽)ニュース” の最終防御も一人ひとりの仕事。 “はじめのチャンスは見送れ” と十五世名人・大山康晴。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

物事は目標と段取り・工程 ユーモアは、流れを変える強力な武器になる
もっとのびのびと感じ・考え・動く 規律と不文律を使い分ける二重構造
くたばるまで仕事をする 人生は服と同じく使い込むことで馴染んでくる
組織は、内部に敵をつくり出した時に崩壊する 情報収集より情報編集力

“人類が生き延びてきた理由は、予想や目標を持たずランダムであったこと” との見方があります。とはいえ、目的・目標を明確にして段取り・工程を共有しながら前へ進むのが日常活動の基本。その中で臨機応変に流れをつかむには、人間の持つユーモアが強力な武器かも。時代を嗅ぎ分ける鼻が利くことが生命線。AI時代の最大の武器は、人間の人間たるべきもの。これまでは情報収集に力点が置かれていましたが、今後の勝負は情報の加工・編集・再創造を通じて、資本の限界生産性を打破すること。技術革新を追求しながら、収益性の高い資本用途を掘り起こすこと。 “人間は出来損ない。みんな失敗もする。その出来損ないの人間そのものを愛せるかどうか” と政治家・田中角栄。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

人間も生き物 その一員としての規律さえ身につけず社会へ出る怖さ
南極で犬が決まった時間に吠える 親犬が同時刻に網走で吠えている
便利で速いことを評価してきた 価値転換の学習へのスイッチを急ぐ
人間の足で行き来できる環境を重視 老人・子供も全員参加の仕組み

人間も生き物。その中で、規律は生きていくうえで欠かせないもの。人間の規律で最も素晴らしいものが良き習慣。自分で心から大事だと思うものを “習慣化” できれば強力な武器に。習慣とは、変えないことだけでなく素早く変える力量も含まれるもの。便利で速いことだけを評価する軸から、価値転換の学習への腕力も蓄積。これらはあくまで全員参加。重視すべき概念の一つが “インテグリティ”。インテグリティとは “高潔さ・誠実さ” が基本。何より、人間の短所でなく長所に注目すること。正しいことを正しく実行すること。 “自分の能力を疑いすぎる。自分で自分を疑っていては、最善を尽くすことはできない。 自分が信じなかったら、誰が信じるのか” とマイケル・ジャクソン。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(七)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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(第69回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(七)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

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