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しあわせの「コツ」(第30回) 「断捨離」のその先は

by staff on 2019/6/10, 月曜日

第30回 「断捨離」のその先は

「片付けの女王」 近藤麻理恵さん

今、日本だけでなく、海の向こうのアメリカでも「片付け」が流行っています。今年の1月、「人生がときめく魔法の片付けノート」 の著者こんまり、こと近藤麻理恵さんの片づけ方法がアメリカのテレビで紹介されるや瞬く間にブームとなり、一時は処理できないほどの大量の不用品が持ち込まれ、買取中止を宣言したリサイクルショップもあったほどだそうです。

日本ではやましたひでこさんの著書 「人生を変える断捨離」 がヒットし、「断捨離」という言葉が日本中に知れ渡りました。「片付け」や「断捨離」という言葉はすっかりポピュラーになっています。実際、断捨離を実践してすっきりした部屋に暮らし、お金も時間もゆとりが出てきたと満足する人が大勢います。

左:やましたひでこ氏の著書   右:断捨離して片付いた部屋

その一方で、思い切って断捨離したのに、「またものが増え始めた」「捨てなければよかったと後悔している」という失敗組も大勢います。むしろ成功組より多いのではないでしょうか。

一体その違いはどこからくるのでしょう?

ブロガーのザク男爵さんも断捨離失敗組の一人です。最初はザク男爵さんの部屋を見た母親の強引な断捨離に渋々合わせていたのですが、そのうち捨てることが快楽になり、布団や暖房器具など必要なものまで何でも捨ててしまったのです。そこから先は・・・。言わなくてもお分かりですね(笑)。
そんな後悔に満ちた断捨離を経験して、ザクさんはある結論に行き着きました。

「『断捨離とは、モノを捨てないこと』であります。
https://baron-zaku-present.com/archives/2124493.html
(My Home・Lovers)

断捨離なのに「ものを捨てない」というのはなんだか矛盾した話ですが、「片付け女王」のこんまりさんもただ「ものを捨てろ」とは言っていません。「ときめかないもの」を捨てろ、と言っているのです。

つまり、「断捨離」のポイントは、「もの」ではなく、ときめきを感じるか否かの「自分の心」なのです。言い換えれば、「ものを捨てる」のではなく、「ときめきを感ずるものしか持たない」というライフスタイルを身につけることなのです。

ザク男爵は言います。

「断捨離で本当に大切なことは、モノを捨てることではありません。
モノを捨てる行為は、単にモノをゴミとして捨てているだけなので、本質的に何も変わりません。
断捨離で本当に大切なのは、モノを捨てない。モノを買わない。
そして、モノを大切に扱って愛用品を増やすことです。
モノを心から愛する精神(スピリッツ)こそ、断捨離の神髄なのでございます。

そうなのです! 断捨離の神髄とは「ものを捨てること」ではなく、「ものを心から愛すること」なのです。目からウロコではありませんか? でも、これで、なぜ断捨離の失敗者が多いかが分かりますね。
失敗者の多くは、ただあふれかえる「もの」を捨てているだけで、「それがときめくかどうか」と、自分の心と対話してから結論を出したわけではないのです。だから後になって「しまった、あれは捨てるんじゃなかった」と後悔したり、また同じものを買ったりしてしまうのです。
ある女性は、クローゼットの中を断捨離したところ、モノトーンの服ばかりが残りました。その時彼女ははじめて「そうか、私はモノトーンが好きだったんだ」と気が付いたそうです。友達とお揃いで買ったイエローのカットソー、バーゲンの値札に釣られてつい買ってしまったサーモンピンクのセーター、そういうものは、本当は自分の好みではなかったことに改めて気が付いたのでした。

以後、彼女は服を買う時はモノトーンを選ぶようになりました。すると、手持ちのものとコーディネートしやすくなり、結果として余分な衣装を買わなくなったそうです。
断捨離とは、自分と向き合い、自分を知るための行動だったのですね。
風水に基づいた徹底的な断捨離を勧めるカレン・キングストンさんは家のどの場所にガラクタが詰まっているかによってその人の人生に及ぼす影響が異なり、その場所をきれいに片づけると文字通り人生が変わると言っています。

左:カレン・キングストン著 「ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門」
右:同書 P.77

まず、家の見取り図を作り、そこに風水の定位盤を置き、各方位が司る意味を知ります。例えば、あなたが人間関係で悩んでいるなら、家の北東の方角にガラクタが溜まっているのかもしれません。運動もダイエットもしているのに、全然体重が減らないなら、家の中心部に不要なものが詰まっている可能性があります。
実際、体重と家のガラクタはかなりの相関関係があるようです。私の主人の会社ではマンションなどの配管洗浄を請け負う仕事もしていますが、従業員の一人がこんな事を言っていました。
「台所とかリビングが片付いていない家に限って、どういう訳か奥さんが太っているのですよ。」

キッチンは主婦の生活習慣を映す鏡か

従業員の発言はまさにこの風水的な見方を実証しています。
キングストン女史はご自分の方法を「スペース・クリアリング」と呼び、一年の半分をバリ島で暮らしながら、世界中を飛び回って活動しています。2002年に出版されたこの本は、こんまりさんの「片付け術」にも影響を与えたのではないか、と私は思っています。

キングストン女史曰く

「あなたとあなたの所有物は、エネルギーの細い糸で結ばれています。家の中が好きなもの、よく利用されるもので満ちていると、あなたの人生に力強いサポートと養分を与えてくれるのです。その一方、『ガラクタ』はあなたのエネルギー・レベルを落とし、長く溜め込むほど影響は大きくなっていきます。人生にあまり意味のないもの、重要でないものを処分することによって、あなたは体も、心も、そして魂も軽くなることでしょう。」

「自分の所有物とエネルギーの細い糸で結ばれている」ことを、私は実感したことがあります。数年前、キングストン女史の本に触発され、クローゼットを整理したことがありました。こんまりさん風に「もうときめかない」衣装をバンバン取り出し、クローゼットの3分の一ほどの衣類をごみ袋に入れました。
最後のごみ袋をきゅっと縛ってベランダに出したとたん、「あれっ?」と思いました。何だか腰の周りが軽いのです。今まで腰の周りに座布団でも括り付けていて、それが急に外れた感じです。体全体も軽やかです。「不思議!」と思いましたが、不要な衣類のエネルギーから私の身体が解放されたのだと分かりました。

どうやら断捨離はただ不用品を処分するだけではないようです。無意識のうちに溜め込んだ余分なものが私たちの人生の進路を妨げており、それを取り除くことで人生が好転するということを教えてくれているのです。
社会のあちこちで行き詰まりが感じられる昨今ですが、こういう時代に「片付け」や「断捨離」が流行っているのは、閉塞した現状を何とか打破しようと、私たちの無意識が呼び寄せているにかもしれませんね。

筆者紹介

 
本 名 田尻 成美 (たじり しげみ)
略 歴 著述家・株式会社エランビタール代表取締役
著書 「しあわせのコツ」(幻冬舎)
主な訳書「都市革命」(H・ルフェーブル著 晶文社)、
「空間と政治」(H・ルフェーブル著 晶文社)、
「文体論序説」(M・リファテール著 朝日出版社)
比較文化的視点から、日常の出来事をユーモアを交えて考察していきます。
著 書 「しあわせのコツ」(幻冬舎)



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