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楽しい文字の世界(第18回) 増田窯x紅花

by staff on 2019/7/10, 水曜日

第18回 増田窯x紅花

和紙に書いた文字や墨絵が他のものに謄写され、出来上がってきて、箱から出すワクワク感はたまりません。それが思った通りであったり違った時の一喜一憂も。今回は二度焼き直しをしていただき、完成しました。

髙島屋さまから、このお話をいただいたのが月は師走。丁度私は1月開催の紅花書道塾25周年展の準備も佳境で、睡眠時間をどう確保するかと戦っていた時期でした。しかし、横浜を代表する増田窯様の器に私の筆文字や墨絵がのる…それは、どう考えてもお断りする理由が見つかりませんでした。期限は1月2日。
私はもともと紙に向かって悩むより、日常を過ごす中で頭の中であれこれ考え、最終的に紙に向かうようにしているため、紙に向かう時間は思ったほど取っていないかもしれません。

横浜らしい商品、「ありがとう」や「感謝」の気持ちを表したもの。そんなお題をいただき、制作にあたりました。
増田窯様の工房にも何度か足を運び、私の筆文字や墨絵が実際に焼くと、どのようになるであろうとの長年の経験をいかしたプロのアドバイスをいただきながら、器の形、色、デザインなどを決めていきました。

できあがった器は3種。
ペアのフリーカップ。みなとみらいの昼間の風景(白)と夜景(紺)。

ペアのフリーカップ

白は昼間の青々とした港町。内側にカモメが飛んでいます。
紺は夜景の美しさ。星空に三日月が浮かび、みなとみらいの建物群はシルバーに輝いています。
そんな横浜の暮らしに、感謝の気持ち「心をこめてありがとう」の筆文字を添えました。
取っ手がないので、日本茶、紅茶、コーヒーなどオールマイティティに飲んでいただけます。
中にはそばちょこに丁度よいというお声も。増田社長曰く、軽くて丈夫なため、海外への横浜のおみやげにも最適とのことです。

お湯のみ

横浜の市花のバラ。内側には赤いくつ。こちらも墨絵で描きました。
「元気でね いつまでも」

小学3年の生徒が1人で髙島屋にこのお湯のみを1つ買いに行き、「おばあちゃんにプレゼントしたら、おばあちゃんすごく喜んでくれました。」と報告してくれました。
それは感動話です。作ってよかった!と強く思えた瞬間でした。

横浜焼の精神を受け継ぐ横濱増田窯。その名前が器の裏に。器のお墨付きをいただいた感じです。
小学校3年の女の子のおばあちゃんのように、どこかで誰かに喜んでいただけたら作者として幸せです。

 

【お知らせ】
髙島屋オンラインショップで横濱増田窯×紅花の器をお買い求めいただけます。
https://www.takashimaya.co.jp/shopping/gift/keiro/…
 

筆者紹介

 
書家名 粟津 紅花 KOUKA AWAZU
本 名 粟津 絵里 ERI AWAZU
略 歴 愛知県生まれ。 横浜市在住。
3歳から筆を持ち、書を学ぶ。
銀行勤務を経て紅花書道塾を主宰して25年。
現在10か所の教室で門下生を指導。
また古典書道の作品制作に加え、店舗ロゴ、商品ロゴ、ポスター等のデザイン書道を手掛ける。
書道パフォーマンス、障害をお持ちの方への書のボランティア指導、セミナー講師などにも力を入れるなど、国内外で幅広く活動中。
読売書法会会員。
謙慎書道会会員。
横浜書人会審査員。
日本デザイン書道作家協会正会員。
カルチャーセンター講師。
著 作 法華経書写書き込み練習帳―釈尊の究極の教え
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