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ゆるマナー講座(第46回) 夏の楽しみ方-浴衣でお出かけ

by staff on 2019/8/10, 土曜日

マナーアドバイザー/フレアLLP 岡田 承子

花火に神輿、納涼祭など夏祭り真っ盛りの季節です。
趣向を凝らした花火は華やかさと儚さをあわせもち、打ちあがる度に「わぁー」という歓声とともに、どこか心に沁みるものがあったりします。お神輿好きの方は、この時期神輿を担ぎたくていてもたってもいられなくなるようですね。
子どもから大人まで楽しめる夏祭り。日本ならではの浴衣を着て彩を添えてみてはいかがでしょうか。

着物が大切にするもの

さて、浴衣は夏用の着物の一つですが、一般的に着物を選ぶ際に気をつけなくてはいけないことがあります。
それは「季節感を大切にする」ということです。

ヨーロッパを中心とした洋装のマナーの基本は、着る「時間」と着ていく「場所」によってふさわしい服装に着替えることですが、そこに季節感を取り入れるということはあまりないようです。しかし四季のある日本では、季節によって生地や裏地のある無しで、装いを替えることが求められます。暑さや寒さの厳しい時期もあるため、これは理にかなっているのかもしれません。着物だけに限らず、季節を意識して衣替えをする習慣は今でも受け継がれています。
それとともに、草花や鳥や動物、虫に至るまで柄で季節を取り入れる、そんな粋な楽しみ方もできるのが着物です。

着物の衣替えの基準は、10月から5月は裏地のついた「袷(あわせ)」、6月と9月は裏地のない「単(ひとえ)」、7月8月は「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」といった織り目の粗く薄い生地のものを着ます。
また、下に着る肌襦袢や長襦袢の生地を替えることにより暑さの調整ができますし、長襦袢につける半衿の生地や帯、帯揚げ、帯締めも着物に合わせて選びます。

このように並べあげると、特に若い方は「着物ってやっぱり大変!帯や小物、下着に至るまで何を選べばいいのだろう。着方や合わせ方が難しい!」と思ってしまいますね。それに着物は高価なものが多いので、いくらかかるか分からないとも…。
でも着物の着物の良いところは、サイズが合っていれば昔のものでもそのまま着られることです。最近は着物専門のリサイクルショップもありますから、お手頃なものを手に入れることもできます。着丈が短ければ、おはしょりで長さ調整ができます。私の周りにも、おばあちゃまからいただいたという着物を素敵に着こなしている若い女性もいます。

日本の民族衣装ですから、成人式や結婚式の時だけでなく、普段にもちょっと着られるようになると良いですね。
まずは着てみること、そして着物に慣れていくこと。

その手始めとして、浴衣は最適ではないでしょうか。

浴衣の着方

とはいえ、浴衣は本来寝巻きなのだから外出着にはならないという考え方もあります。
でも、正式な場でさえなければ、夏祭りに、風鈴市に、お友だちとお茶をしになど、ちょっとしたお出かけに着るのは全く問題ありません。

最近は、浴衣をセットで売っているところも多くあります。組み合わせがわからなければ、そのようなセットを試してみてはいかがでしょうか。着方はYouTubeで見ることもできますし、浴衣の着方1回レッスンなど様々な教室もあるようです。

ほんの少し、着こなしのポイントです。
浴衣の生地によっては透けるものもあるので、浴衣の下には浴衣用のスリップを着ましょう。なければ洋服用のスリップ、タンクトップやキャミソールにペチコートなどで代用できます。
着丈は少し短めに。
着崩れしないためには、腰ひもを結ぶ時にしっかりと締めることです。しっかり締めても腰の位置なので苦しく感じることはありません。
また間違っても衿の合わせ方を右と左で間違わないようにしましょう。間違ってしまうと亡くなった方と同じ着方になってしまいます。ご自分から見て、右側の衿の上に左側の衿がくるのが正しい合わせ方(右前)です。

「あ~、でも難し過ぎる」と思った方には、着付けがセットになったレンタル浴衣という方法もありますね。

身のこなしも着物仕様で

せっかくきれいに浴衣を着ても、普段通りに歩いていては “浴衣美人” にはなれません。
ヒールを履いて背筋を伸ばして大股で颯爽と歩く女性は、自信や行動力に溢れていてかっこいいなと私は個人的には思うのですが、着物の場合は少し違ってきます。

背筋はもちろん伸ばしましょう。でも歩幅は狭く、内股気味に歩きます。裾が乱れないようにするためです。大股で歩いて乱れた裾から生足が見えるのは、素敵とは言い難いですね。
腕を振って歩くのもよくありません。
階段の上り下りも、着物の上前がはだけないように、手で軽く抑えるなどしてみてください。
椅子に座る時は、どっしりと腰掛けず、浅く掛けるようにしましょう。

いかがでしょうか。
ほんの少し気を配るだけで、ただ浴衣を着るということから、素敵に浴衣を着こなすという風に変わってきます。
歩き方や振る舞いも、ぜひ着物仕様を目指してみましょう。

自分流もありかも

先日見かけた浴衣姿の女性は、足元が下駄ではなくサンダルでしたが全く違和感がありませんでした。
冬の着物の下にタートルネックのセーター、草履の代わりにブーツを履く方もいらっしゃいます。

時と場所を考えれば、そのような装い方もアリかもしれませんね。
いかに素敵に着こなすかは、その人次第とも言えます。

この夏、“自分流の浴衣でお出かけ” してみますか?

 

筆者プロフィール

岡田 承子(おかだ しょうこ)  

岡田 承子(おかだ しょうこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空国際線客室乗務員を経て、国際交流協会での仕事、また社会福祉法人では障がい者国際スポーツ大会事務局の運営業務やマナー研修に

携わる。現在は、自治体、企業での接遇研修や、NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師として大学で指導をしている。

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)  

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空株式会社国際客室乗務員を経て、2009年よりマナー講師に。企業や自治体、大学、専門学校で接遇研修や マナー・プロトコール講

座を行っている。NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師。

本の紹介です

ゆるマナー 始めましょ

 

 

 

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