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夕されば 門田の稲葉 おとずれて 葦のまろやに 秋風ぞ吹く

by staff on 2019/9/10, 火曜日

♪ 夕されば 門田の稲葉 おとずれて 葦のまろやに 秋風ぞ吹く ♪



絵・千絵崇石
 

読み人:大納言経信(だいなごんつねのぶ)

歌意: 夕方になると 家の前にある田んぼで黄色く実った稲の穂がさやさやと波打って急に涼し気な風が部屋の中を通り過ぎた。なに、この切なさは! そうか! もう秋なのね。

私がこの原稿を書いている日は丁度曇り空で 部屋の中も急に寂しさを漂わせるような気温。とても過ごしやすいのですが、秋の気配がそこかしこに感じられます。この季節、私は切なさが感じられてとても好きです。哀愁が漂っていて、恋に落ちる季節。

10代の頃のファーストキッスも20代の結婚に繋がった出会いも、私は9月でした。残念ながら中高生の自殺が多いのもこの時期です。そういえば中学生時代、学校帰りに一人になりたくて多摩川の土手をぼ~っと歩いていて補導されたのは夏休み後の季節でした。

もう一つ私にとってのこの季節の思い出は、子供時代に住んでいた、三ッ池公園のふもとにある 二つ池に広がる田んぼと畑の風景。まだ小学校に上がる前の原風景です。私が田舎志向なのはこの時の田舎暮らしがとても幸せな子供時代だったからでしょう。100%愛されているという信頼感を両親と姉たちから頂いた時期でもあります。三ッ池公園や二つ池、今は開発されて私の記憶にある景色は消滅していますが、横浜にはちょっと都心から離れれば まだ田んぼや畑が残っているところが沢山ありそうです。黄金色の稲穂が風にそよぐ景色は感傷的とは全く違って、豊かな収穫の季節が来ていることを教えてくれます。

さて作者の大納言経信さん。恋のエピソードがないかしらと 探したのですが残念ながらありませんでした。でもちょっと変わったエピソードを見つけました。 経信さんが八条辺りに住んでいた頃9月の月がとても美しくて空を見上げていると 遠くから布を柔らかくするための砧(きぬた)の音がトントンとわずかに聞こえてきました。そこで彼はその頃、歌人達の間でヒットして、自分でもお気に入りだった和歌を詠みました。

♪ 唐衣 うつ音聞けば 月清み まだ寝ぬ人を 空に知るかな ♪ 紀貫之作

歌意・・月が清らかなこの夜に衣を打つ音が聞こえる。私と同じようにまだ寝ていない人がいるんだなぁ!

すると突然、前庭の向こうで恐ろしそうな声で漢詩を述べる大きな影が出てきました。

「北斗星前横旅鴈 南楼月下櫂寒衣」
(ほくとせいぜんりょがんよこたわり なんろうげっかかんいをうつ)

歌意・・秋が深まった星空を見れば 南へ帰る鴈の群れが北斗星を横切って飛んでゆく。南の楼閣では夜も更けて月も出て 冬の衣を柔らかくする砧の音が聞こえている。

経信さんは感心して声のした方を見ると、なんと背丈が天井を超え髪の毛が逆立った異様な姿の物の怪が立っていて、彼が驚き唖然としている間にす~っと消えていきました。朱雀門に住んでいる鬼は風流を好んで時々こんな悪戯をしたと昔から聞いていたので、きっと朱雀門の鬼の仕業だろうという事です。くわばらくわばら! めでたしめでたし!

ところで、9月27日から始まる “早苗ネネとゆくマウイ島リトリートの旅” の申し込みは8月27日をもって締め切らせていただきました。又来年も同じ時期に募集いたします。今年タイミングを逃した方、今から是非予定に入れておいてくださいませ。
ありがとうございました。

(早苗ネネ♪)

 

迎春

 

ネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)を立ち上げました

日本古来の大和ことばで綴られた和歌を現代の調べにのせて歌う「和歌うた」。私 早苗ネネはもう20年近くこの「和歌うた」を歌い続けています。お蔭様で、じゅん&ネネと共に「和歌うた」は私のアーティスト活動の中心軸となり、多くの方々からご支援を賜り各地で和歌うたライブを開かせて頂いております。

この度立ち上げたネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)は、「和歌うた」とHULAや太極拳などの異文化や全国に受け継がれている伝統文化とのコラボレーションをはかります。世界の民族が持つ固有の文化とその文化の根底にある言霊が「和歌うた」と融合することで生まれる新しい表現をみんなで共有する取り組みです。

「和歌うた」のライブは歌い手と聴き手という構図です。ライブ会場はみんなで一体になって盛り上がりますが、歌い手と聴き手という構図は否めないものがありました。ネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)ではワークショップ形式で参加して下さったみなさんと一緒に作品を作り上げていきたいと考えております。みんなで作った作品にはみんなの愛情が込められています。出来上がった作品はみなさんの元気の源の一助になることでしょう。

ネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)Official Website:
nenegoose.love

 

三十六歌仙CDアルバムによせて

 

10代の頃、じゅん&ネネのネネとして歌っていた時、多くの方から「北の政所のねね様と同じ名前ですね」と言われ、歴史上に残る方と同じ名前を頂いた事で直ぐに覚えて頂き、良い事が沢山ありました。時が経ち、50歳を過ぎた頃にやっと自分のライフワークを見つけ、「和歌うた」を歌い続けて13年程に成りますが2014年の京都高台寺音楽祭に出演させて頂いた折に、三十六歌仙が高台寺様に遺されているのを知りました。その時にぜひ三十六歌仙にメロディーを付けて同じ名前のねね様に奉納したいとの思いを抱き、2015年9月6日、ねね様のご命日に発表させて頂く事に成りました。

和歌のアルバムとしては10年ぶりでやっと二枚目アルバムです。一枚目のアルバム「花のいろは」は蟠龍寺スタジオの仲間に助けられて生まれました。そして今回のアルバムも製作費は今まで私の和歌うたを聞いて応援して下さった方々のご支援で賄われています。暗中模索と無我夢中で今までよろよろと歩いてきましたが、そんな私を支えてくれる大きな愛情に気が付いて、なんて幸せ者なのかしらと思います。有難うございます。これからも自分の道を信じて歩いてゆきます。

早苗ネネ/京都・高台寺 北の政所・ねねさまに捧げる三十六歌仙 『和歌うた』CDアルバムは、 ヨコハマNOWオンラインショップ で販売しております。

 

早苗ネネさん 和歌うたLIVE

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

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