楽しい文字の世界(第19回) 調和体
第19回 調和体
私は書道の複数の会に所属しており、出品作品を常に作っています。その中の一つ読売書法展が現在東京都美術館と国立新美術館で開催中です。東京を皮切りに、中国、四国、東北、北海道、中部、九州と巡回します。
作品は毎回時間切れで提出するわけで、自宅で書いた作品を広い会場で目にした時、満足できたことは何十年やってきても未だかつて一度もありません。反省ばかりです。ゴールがないということでしょうと自分に言い聞かせています。
左:読売書法展会場入り口
右:場内の様子
自身の作品
さて書道展の部門は会派によって分け方が多少違い、読売の場合は、「漢字」「かな」「調和体」「篆刻」に分かれます。その中の「調和体」についてお話したいと思います。
私たち日本人の日常を文にする場合、中国から伝わった漢字のみでは組めません。また全て和語(やまとことば)ではわかりにくなります。中国で生まれた漢字と、その漢字が日本に伝わってから日本で生まれた和字、そして時には欧字を組み合わせていきます。それを書作品に表現したものが「調和体」です。
「漢字かな交じり書」、「新和書」「近代詩文」などとも呼ばれます。
自身の作品(調和体)
日本を代表する書道展では、毎日書道展は昭和29年に「近代詩文書」部門を設けました。昭和30年には日展が「調和体」部門を、その後平成7年に読売書法展が「調和体」部門を設置しました。
日常の国語表記によって書かれた文を一般に読めるように作品にする、つまり第一義が「可読性」にあります。そしてその日常を芸術作品にすることが必要となります。書の世界にいない一般の方が足を運んでも、読めて楽しめる書をということです。芸術作品は、読まないで絵のように感じて欲しいという書家が多い中、逆行のようですが、楽しみ方は人それぞれ。会場でみていると、やはり読める書に足を止めている方が多いように思いました。
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筆者紹介
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