ゆるマナー講座(第49回) ワールドカップとこれからの国際交流
マナーアドバイザー/フレアLLP 柳田 圭恵子
ラグビーワールドカップでの日本チームの素晴らしい活躍には本当に感動しました。
私のようにルールはよくわからなくても、手に汗を握りながら応援した方も多かったのではないでしょうか。パワフルで息つく間もないスピードのチームプレーの連続でトライを決める選手達をハラハラ、ドキドキしながら応援していました。
今回は、熱いプレー以外に選手達から改めて気づかされた国際交流について触れてみましょう。
異文化尊重の精神
外国の選手が観客席に向かってお辞儀をしているシーンがありました。日本の文化を尊重してくれる振る舞いは日本人としてちょっと嬉しい気持ちになります。相手を尊重する礼の形は各国違っても、形に込められた心は通じるのだということを実感した場面です。
また、日本の子どもたちがニュージーランド代表の前でハカを踊っていたのも相手の文化を理解しようとする気持ちの表れですね。
「異文化尊重」の精神はプロトコール(国際儀礼)の原則の一つですが、東京オリンピック、パラリンピックが間近になり、外国人との交流が益々増えてきた今、交流をスムーズにするためにも一般市民にとっても大切な心得といえます。
異文化を尊重するには、まず相手の国の文化や習慣などに関心を持ち、違いを知ることです。違いがあるからこそ異文化コミュニケ―ションは楽しいのです。海外に行くと、日本と違う景色や食事、人々の暮らしを発見する度に、嬉しくなります。そして、その背景にある宗教や歴史も知ることでその国の人々への理解も更に深まります。
その前提として大切なのが自国の文化、伝統について理解していることです。自国のものとは言え、全てに精通するのは大変難しいことです。何か一つ、例えばお茶や生け花、お習字、剣道、柔道などを習ったり、歌舞伎や能を観劇したり、今海外でブームの和食や日本酒について勉強する、また正月や桃の節句、端午の節句などの年中行事のしきたりを家族と楽しむことでもよいのではないでしょうか。
外国の方との交流の中で、ご自分の知っている自国の文化について話せるようになれば、ますます相互理解が深まっていくでしょう。
「認め合うことが、チカラになる。」(AC JAPAN広告より)
「2020年には訪日外国人旅行者数4000万人」を掲げている観光庁の目標も今や達成されそうな勢いです。
多くの外国人旅行者の中には、日本の伝統や文化、習慣、暮らしぶりに触れることで、日本の良さを日本人以上に感じ取ってくれる方もいます。
最近AC JAPANの「認め合うことが、チカラになる。」という広告をポスターやテレビCMでよく見かけます。
外国人が日本の文化である落語や漆塗り、和太鼓の良さを認め、極め、継承している姿です。日本人の継承者が少なくなっている昨今、伝統文化が外国の人々によって新たな息吹を吹き込まれているのです。本当に“認め合うことはチカラになる”のですね。
もちろん日本人にも外国の文化に触れて、それらを極めている人達が沢山います。互いに互いの文化や伝統、習慣を認め合うこと…今更ですが、異文化コミュニケーションの基本なのでしょう。
ラグビー日本代表のキャプテン、リーチ・マイケル選手は、15歳から日本に住み、日本の歴史や文化から学んだことをメンバーにも伝えていたと聞きました。国籍や民族の違いがあっても日本チームとしての結束を高め、同じ目標を掲げて戦う選手の気持ちを一つにするのに役立っていたようです。
ディズニー映画「マレフィセント2」主演のアンジェリーナ・ジョリーが言っていました。
「マレフィセントのテーマは多様性を認め、文化や民族の違い、他の人を受け入れる…など、少しずつみんなが歩み寄れば、世界が変わって行く…」
相手を尊重する振る舞いこそこれからの国際交流に必要なのだと改めて感じたワールドカップでした。
筆者プロフィール
柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ) |
岡田 承子(おかだ しょうこ) |
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