Skip to content

山側に 風のかけたる しがらみは 流れもあえぬ 紅葉なりけり

by staff on 2019/12/10, 火曜日

♪ 山側に 風のかけたる しがらみは 流れもあえぬ 紅葉なりけり ♪



絵・千絵崇石
 

読み人:春道 列樹(はるみち の つらき)

歌意:山と山の間に流れる川沿いに なんとも美しい柵(しがらみ)があったけど、それは風が落として集まった紅葉だったよ。

柵(しがらみ)意味:水の勢いをせき止めるため杭を打ち並べてその間に木の枝や竹などを絡ませて結び付けた物。

古典の和歌を歌っていて大和言葉の由来に触れると不思議なカルチャーショックを覚えることがよくあります。今回もこの「しがらみ」と言う言葉。普段自分が何の気なしに使っている言葉なのですが、今までは自分にとって人間社会の中で断ち切ることが難しい立場にいる人々との関係性を表す言葉だと思っていました。婚姻関係にある相手の家族や、仕事の上で親の代からのお付き合いがある人などの関係です。その意味する処の言葉の由来がまさか大昔からあったとは、私の「しがらみ」と言う言葉感覚からは思いもよりませんでした。そこで自分のしがらみ感が世間のしがらみの言葉の意味と符合しているのか辞典で調べてみるとまあ!もっと暗い言葉だわ! まとわりついて行動を引き留める物。邪魔をするもの。等 なんか嫌いな言葉10選なんていうテーマがあったら1,2番にあげられてしまいそうなネガティブWordです。この古い大和言葉を歌にして使っている和歌が他にないかとちょっと探してみると、あるんです。今回の春道さんの生きていた時代をもっとさかのぼって、天武朝 持統朝の頃の歌人。今でいう御用歌人の柿本人麻呂さんが歌った歌が万葉集に残っていました。天智天皇のお嬢さん 明日香のひめみこが崩御された時の和歌です。

♪ 明日香川 しがらみ渡し塞(せ)かませば 流るる水ものどかにあらまし ♪ 柿本人麻呂

歌意:飛鳥川にしがらみをかけて、せき止めていたら 流れる水も(彼女の命も)もっとゆっくり流れただろう。具合が悪くなるのをせき止めておくための何かがあれば、まだ永らえたイノチだったのかもしれない。

春道列樹さんも 柿本人麻呂さんも「しがらみ」 という言葉をとても良い意味で使っていて現代人の感覚とは一味も二味も違います。いつ頃からこの「しがらみ」 が嫌な言葉のように使われだしたのか、きっと江戸時代でしょうね。

言葉は人が使わないと死語となってしまいます。そういう意味ではこの「しがらみ」現代の日本ではまだまだ十分に使用価値がありそうです。
でももっとポジティブな言葉としても使って行けたらいいなと

例えば・・・長期政権の腐敗の流れにしがらみをかけるための立候補! とか。
      貧困と格差社会にしがらみを投じる! とか

読み手の春道列樹(はるみちのつらき)さん。多分30代前半でこの世を去った歌人なのではないかと思います。したがって彼の事はどんな若者だったのか殆どわかりません。が亡くなる前の彼の役職が太宰府の長官で その後壱峻守になり赴任する前に亡くなったという事なので九州のお役人さんだったのでしょう。彼のお父さんは主税頭(一説には雅楽頭)。
息子の列樹さんはきっと頭脳明晰な若者だったのだと思います。

(早苗ネネ♪)

 

迎春

 

ネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)を立ち上げました

日本古来の大和ことばで綴られた和歌を現代の調べにのせて歌う「和歌うた」。私 早苗ネネはもう20年近くこの「和歌うた」を歌い続けています。お蔭様で、じゅん&ネネと共に「和歌うた」は私のアーティスト活動の中心軸となり、多くの方々からご支援を賜り各地で和歌うたライブを開かせて頂いております。

この度立ち上げたネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)は、「和歌うた」とHULAや太極拳などの異文化や全国に受け継がれている伝統文化とのコラボレーションをはかります。世界の民族が持つ固有の文化とその文化の根底にある言霊が「和歌うた」と融合することで生まれる新しい表現をみんなで共有する取り組みです。

「和歌うた」のライブは歌い手と聴き手という構図です。ライブ会場はみんなで一体になって盛り上がりますが、歌い手と聴き手という構図は否めないものがありました。ネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)ではワークショップ形式で参加して下さったみなさんと一緒に作品を作り上げていきたいと考えております。みんなで作った作品にはみんなの愛情が込められています。出来上がった作品はみなさんの元気の源の一助になることでしょう。

ネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)Official Website:
nenegoose.love

 

三十六歌仙CDアルバムによせて

 

10代の頃、じゅん&ネネのネネとして歌っていた時、多くの方から「北の政所のねね様と同じ名前ですね」と言われ、歴史上に残る方と同じ名前を頂いた事で直ぐに覚えて頂き、良い事が沢山ありました。時が経ち、50歳を過ぎた頃にやっと自分のライフワークを見つけ、「和歌うた」を歌い続けて13年程に成りますが2014年の京都高台寺音楽祭に出演させて頂いた折に、三十六歌仙が高台寺様に遺されているのを知りました。その時にぜひ三十六歌仙にメロディーを付けて同じ名前のねね様に奉納したいとの思いを抱き、2015年9月6日、ねね様のご命日に発表させて頂く事に成りました。

和歌のアルバムとしては10年ぶりでやっと二枚目アルバムです。一枚目のアルバム「花のいろは」は蟠龍寺スタジオの仲間に助けられて生まれました。そして今回のアルバムも製作費は今まで私の和歌うたを聞いて応援して下さった方々のご支援で賄われています。暗中模索と無我夢中で今までよろよろと歩いてきましたが、そんな私を支えてくれる大きな愛情に気が付いて、なんて幸せ者なのかしらと思います。有難うございます。これからも自分の道を信じて歩いてゆきます。

早苗ネネ/京都・高台寺 北の政所・ねねさまに捧げる三十六歌仙 『和歌うた』CDアルバムは、 ヨコハマNOWオンラインショップ で販売しております。

 

早苗ネネさん 和歌うたLIVE

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

Comments are closed.

ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

Page Top