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【新年のご挨拶】
みなさま、新年明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

しあわせの「コツ」(第37回) われらが内なる「縄文のDNA」

by staff on 2020/1/10, 金曜日

第36回 われらが内なる「縄文のDNA」

「縄文ブーム」と言われています。2018年に東京と京都の国立博物館で開催された「縄文展」は東京だけで延べ35万人が来場しました。その後も縄文関連の展示会は後を絶ちません。地方でも国宝の「合掌土偶」を展示する青森県八戸市にある是川縄文館などは、来場者が急増しています。

国宝 「合掌土偶」

展示会だけではありません。コミック「ゴールデンカムイ」は、縄文時代を彷彿させるアイヌの生活文化の史実に基づいた描写と、明治末期の北海道を舞台にしたダイナミックなストーリー展開が話題を呼び、目下大ヒット中です。

「ゴールデンカムイ」 野田サトル(作)

なぜこれほどに「縄文」が注目されるのでしょうか?
それは、私たち日本人のなかに「縄文のDNA」が息づいているからにほかなりません。私たちは「縄文」の中に自分のルーツを見出しているのです。「これ」と名指しできないほど、「縄文」は私たちの中に深く深く根ざしているのです。

中には、「え、これも?」と思う意外なものがあります。
たとえば、「宴会好き」なこともそのひとつです。

忘年会、新年会、お花見、暑気祓い、それに歓送迎会、あるいは合コン、仕事の打ち上げなどなど。日本人は本当に宴会が好きです。これに結婚式やお誕生パーティを入れたら、年間相当数の宴会が日本中で開かれていることになります。居酒屋の数が多くても潰れないのは、この宴会好きのDNAに助けられているからでしょう。

季節を問わず日本中で毎日どこかで繰り広げられている「宴会」

「宴会好き」のDNAは、はるか昔にさかのぼります。
「ねずさんのひとりごと」と言うブログに、こんなことが書かれていました。
http://nezu3344.com/blog-entry-436.html

738年ごろ成立した大宝令の注釈書『古記』に、さらにそれより古い文献からの引用と言うことで、次のようなことが書かれていました。

以下引用(ねずさんによる現代語訳)
 
日本の国内の諸国の村々には、村ごとの神社があります。
その神社には、社官がいます。人々は社官のことを「社首」と呼んでいます。
 
村人たちが様々な用事で他の土地にでかけるときは、道中の無事を祈って神社に供え物をします。あるいは収穫時には、各家の収穫高に応じて、初穂を神社の神様に捧げます。神社の社首は、そうして捧げられた供物を元手として、稲や種を村人に貸付け、その利益を取ります。
 
春の田んぼのお祭りのときには、村人たちがあらかじめお酒を用意します。
お祭りの当日になると、神様に捧げるための食べ物と、参加者たちみんなのための食事を、みんなで用意します。
 
そして老若男女を問わず、村人たち全員が神社に集まり、神様にお祈りを捧げたあと、社首がおもおもしく国家の法を、みんなに知らせます。
 
そのあと、みんなで宴会をします。
宴会のときは、家格や貧富の別にかかわりなく、ただ年齢順に席を定め、若者たちが給仕をします。
 
このようなお祭りは、豊年満作を祈る春の祭りと、収穫に感謝する秋のお祭りのときに行われています。
 
(引用終わり)

日本人は大昔から、花見や収穫祭などの宴会をしていたのです。
しかも、家の格や貧富の差に関係なく、ただ年齢順に席を決め給仕は若者がする、という至って平等で合理的に行われていました。

このことは3世紀末に書かれた『魏志倭人伝』にも記述があります。

「その会同、坐起(かいどう、ざき=集いとそのあとの宴会)には、父子男女の別なし。人性酒を嗜む」とあるそうです。

およそ1800年前の書物にも「日本人は集いの後の直会では、親子や男女の別なく、みんなで酒食を楽しんだ」と書かれているのです。決して上司だから上座、などということはなく、至って平等であったことが分かります。

そういえば、天照大神が天岩戸にお隠れになった時も、岩戸の前で神様たちが宴会をしていましたね。日本では神様も宴会好きのようです。

ところで、平等な宴会にもっともふさわしい料理は、一体何だと思いますか?
答えは、「鍋料理」です。冬の人気料理「お鍋」は、縄文由来なのです。

昔は家の中心にあった火で、様々な食材を一つの鍋で煮込んだ料理を皆で分かち合って食べていたのでしょう。そこにはおのずと「平等」「分かち合い」「老人と幼子へのいたわり」がありました。
鍋料理は、なぜか「ほっこり」とします。それは単に食材が温められているからだけではなく、「鍋を囲む」と言う言葉があるように、人々が互いのぬくもりを感じながら輪になって同じ鍋をつつく一体感があるからでしょう。

縄文文化が失われ始めてから2000年近く経った今日、再び縄文文化にスポットライトが当てられたのは、決して偶然ではありません。数々の「差別」や「葛藤」で行き詰った現代に、「分離から統合へ」のシフトを渇望する私たちの内なる縄文DNAが、復活の狼煙をあげたからです。

今月も日本中の至る所で新年会や賀詞交歓会が行われることでしょう。宴会文化をとおして、私たちの内なる縄文DNAが強化され、楽しみのうちに受け継がれ、更に大きく開花していくに違いありません。

筆者紹介

 
本 名 田尻 成美 (たじり しげみ)
略 歴 著述家・株式会社エランビタール代表取締役
著書 「しあわせのコツ」(幻冬舎)
主な訳書「都市革命」(H・ルフェーブル著 晶文社)、
「空間と政治」(H・ルフェーブル著 晶文社)、
「文体論序説」(M・リファテール著 朝日出版社)
比較文化的視点から、日常の出来事をユーモアを交えて考察していきます。
著 書 「しあわせのコツ」(幻冬舎)



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