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ゆるマナー講座(第51回) 和暦と和風月名

by staff on 2020/1/10, 金曜日

マナーアドバイザー/フレアLLP 柳田 圭恵子

明けましておめでとうございます。
平成27年冬からヨコハマNOWでマナー講座をUPさせていただき、今年で5年目に入ります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
令和最初のお正月…皆さまはいかがお過ごしになりましたか?子ども達が巣立ってしまうと家族が揃うのはお正月などの行事くらいでしょうか。まさに睦月です。今回は和暦や和風月名についての話です。

和暦「令和」

「令和」は、「初春の令月にして、気淑く風和らぐ。」…(良き新春正月、外気は快く風は和らいで…)万葉集の梅花の宴から名付けられました。(角川ソフィア文庫 万葉集より引用)数字だけが並ぶ西暦と違って「大化」から続く和暦にはそれぞれ意味があり、「令和」が万葉集の歌から名付けられたのを知ると、美しく心地よい音の響きとともに親しみが湧いてきます。
英語で「Beautiful Harmony」というのも日本的で「和を以って貴しと為す」という十七条憲法の言葉にも通じるように思います。この和暦にふさわしい良き時代になって欲しいものですね。

和風月名

和暦だけでなく日本には「和風月名」もあります。旧暦での各月の呼び名ですから、若い人はあまり使うこともないようですが、日本の自然の移り変わりや人々の暮らしぶりがわかります。

1月「睦月」 正月は人が集まり、互いに睦ぶ(親しくする)から。
2月「如月」 旧暦では春なかば。春物に着替えをするなど。衣更着(きさらぎ)とも言う。
3月「弥生」 木草弥生茂るから由来。
4月「卯月」 卯の花が咲くからという説の他にも複数ある。
5月「皐月」 早苗(田植え)をする月。
6月「水無月」 田に水が少なくなるので田に水をはる「水張りの月」ともいう。
7月「文月」 稲の穂が実る穂含月(ほふみづき)から。
8月「葉月」 木々の葉が落ちる葉落月(はおちづき)から。
9月「長月」 秋の夜が長いという夜長月から。
10月「神無月」 八百万の神が出雲大社に集まり、国元を留守にすることから。
11月「霜月」 霜が降りるから。
12月「師走」 暮れで忙しく、師も走るから。
(ビジネス社 明石伸子著『セレブなお作法 和のしきたりと大人のマナー』より引用)

10月の「神無月」は、出雲では「神在月」と呼びます。神様が集まっている様子を想像するとなんともユーモラスな呼び名です。

季節を表す名称

日本には、春夏秋冬以外にも時候を表す「二十四節気」「雑節」「七十二候」などもあります。自然のめぐりと共に暮らしを営んできた日本人の繊細な感性を感じます。

「二十四節気」は立春から始まり、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨…と続き、冬の大寒で終わります。春夏秋冬をさらに約半月(15日)ごとに分けた名称です。中国で生まれた名称ですが、農耕の目安にしていたものです。

「雑節」…
さらに日本の気候に合わせて生まれた名称です。「節分」「八十八夜」「入梅」「土用」「彼岸」などがあります。

「七十二候」…
二十四節気をさらに5日ごとに分けた名称です。気候の変化や動物の動きを短文にして表しています。
例えば、

「東風凍を解く」(とうふうこおりをとく)
暖かい春風が吹いて川や湖の氷が解けだすころ。(新暦2月4日~8日頃)

「黄鶯睍睆く」(うぐいすなく)
春の到来を告げる鶯が、美しい鳴き声を響かせる頃。(新暦2月9日~13日頃)

(東邦出版 白井明大著「日本の七十二候を楽しむ」より引用)

そう言えば、今朝二羽の子どもの鶯がモッコウバラの枝の間を飛び回っているのを見つけました。季節の先取りですね。

「二十四節気」や「雑節」「七十二候」を知ると、日々の忙しさから自然の変化に鈍感になり、虫や動物の動きを見過ごすことが多くなっていたことに気付かされます。

昨年、新しい元号になり日本独自の和暦について改めて関心が集まりました。皇位継承の様々な行事を映像で見ながら、継承されてきた日本の文化やしきたりの素晴らしさを感じた方も多いのではないでしょうか。今年は美しい日本の自然の移ろいにも心を寄せながら少しゆったりと暮らして参りたいと思います。
どうぞ佳い一年となりますようお祈りいたします。

 

筆者プロフィール

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)  

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空株式会社国際客室乗務員を経て、2009年よりマナー講師に。企業や自治体、大学、専門学校で接遇研修や マナー・プロトコール講座を行っている。NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師。

岡田 承子(おかだ しょうこ)  

岡田 承子(おかだ しょうこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空国際線客室乗務員を経て、国際交流協会での仕事、また社会福祉法人では障がい者国際スポーツ大会事務局の運営業務やマナー研修に携わる。現在は、自治体、企業での接遇研修や、NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師として大学で指導をしている。

本の紹介です

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