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ハチゴロウの鳥撮り日記 第12回「里山の冬の小鳥たち(横浜近郊)/『聞きなし』遊び」

by staff on 2020/1/10, 金曜日

第12回 里山の冬の小鳥たち(横浜近郊)/『聞きなし』遊び

隔月で投稿している『ハチゴロウ鳥撮り日記』は、今回で12回目となりました。2年間もお付き合いいただきありがとうございます。今回は久しぶりに横浜近郊に戻ってまいりました。

2003年から2013年まで、横浜近郊の里山で探鳥していました。なぜか最近は足が遠のいています。約10年間に里山で撮影した鳥たちの記録の一部です。今回は冬(一部秋も)に見られる小鳥たちです。

ハチゴロウ鳥撮り日記の第11回でコマドリをご紹介いたしましたが、駒鳥と呼ばれる由来の「聞きなし」の説明を忘れてしまい「聞きなしって何ですか?」というご質問をいただきましたので、今回は『聞きなし』のいろいろも一緒にご紹介いたしましょう。

イカル

2003年1月に撮影したイカルです。全長23cmほど。通常は群れることの多い鳥ですが、一羽で木の実や種子を食べに来たようです。太くて黄色い嘴が目立ちます。「イカルコキー」という鳴き声から「イカル」と名づけられたとも言われています。この鳥の鳴き声を『お菊二十一』または『月、日、星』と紹介することもあります。

このように鳥の鳴き声を人の言葉に置き換える遊びを『聞きなし』と言います。聞き慣れない『聞きなし』という言葉ですが、皆さんも既にご存知の筈、ウグイスの鳴き声は『法・法華経』、コノハズクは『仏法僧』と書けばなんだか有り難く思えてきますよね。

他にも有名なのは、メジロの『長兵衛、忠兵衛、長中兵衛』やホトトギスの『特許許可局』、ツバメの『土食って、虫食って、渋い~』とか、ホオジロの『一筆啓上、つかまつり候』。
面白いのはセンダイムシクイの『焼酎一杯、ぐぅいーっ!』やヒバリの『利取る利取る、日一分 日一分』。もちろん、人によって聞きようも様々なので、ヒバリの鳴き声が「ヒエ食えヒエ食え、腹なる、腹なる」と聞こえた人もいたようで、さぞかしお腹が空いていたのでしょうね(笑)
さて皆様、ご存知のものがいくつありましたか?

次の写真は、珍しい小鳥ではありませんが、イカルの仲間のシメですイカルと姿形が似ていますが、ちょっと小ぶりで色合いが地味です。『質』って鳴きます。

クロツグミが『おい、おい、手打て、五両で手打て』と鳴き、メボソムシクイが『銭とり銭とり』と鳴いた後にシメが『質』と鳴き、ヒバリが『利取る利取る、日一分、日一分』と鳴けば落語のようですが、自然界ではそうは行きません。現れる季節も場所も違いますからね。

シメ

次にご紹介する写真はウソです。ウソでもホントウの小鳥です。スズメよりちょっと大きいくらい、全長15.5cmほどです。名前の由来は、『フィー、フィー』という鳴き声から、古語で“口笛”を意味する“ウソ”になったとの事です。ウソは珍しい小鳥ではありませんが。

ウソ

鳴き声が名前の由来になった鳥は前回のコマドリがそうです。馬のように『ヒヒーンカラカラ』と鳴くので駒鳥と言われるようになりました。身近な鳥では鳩もそうです。『クー・クー』と鳴くので九に鳥で鳩になったようです。これもウソのような本当の話です。

さて、アカウソならば、珍しいのではないでしょうか。その後、里山でウソには出会いましたが、アカウソとは一度も出会っていません。真っ赤なウソではありません。

アカウソ

アカウソは群れでやってきて、桜や梅の花芽を好んで食べるので、桜や梅の景勝地では嫌われています。場所によっては、天敵のフクロウやタカのデコイ(狩猟などで囮に使う模型)を置いているところもあるようです。

アオジもよく見かけるスズメに似た地味な小鳥ですが、綺麗な個体もいます。お腹が綺麗な黄色です。ゆったりとしたテンポで「チョッ、チョッピー」と鳴きます。可愛らしい鳴き声です。

アオジ

モズです。肉食性で小鳥を襲うこともあります。 全長20cmほど、小さな猛禽と呼ばれています。捕らえた獲物を小枝や有刺鉄線などに串刺しにする習性があり、「モズのはやにえ」と呼ばれています。そのことから、江戸時代ではモズは凶鳥とされ、忌み嫌われていました。また、漢字で『百舌』と書くように、他の鳥の鳴きまねが上手な鳥です。
秋になると『キィー・キイキイキイ』と大きな声で高鳴きしています。縄張りを争っているのだそうです。メスは下面が淡褐色で褐色の波状の横斑があります。

モズのオス

モズのメス

ルリビタキです。全長14.5cm。『聞きなし』だと『キョロ キョロ キョロリ』と鳴くと紹介しています。里山の冬鳥で最も人気があるのではないでしょうか。オスの羽は綺麗な瑠璃色しています。美しい瑠璃色になるのに2~3年かかります。それまではメスに見間違えることも・・・メス同士が交尾しているなんて誤解を受けたこともあったとか?

ルリビタキ

寒くなり、木々が葉を落としてくると、小鳥も見つけやすくなります。
『聞きなし』で鳴き声を覚えておくともっと見つけやすくなりますよ。お気に入りの小鳥を探しに、近くの里山へ出かけてみてはいかがでしょうか。寒い中、鳥が出てくるのをじ~と待つのは忍耐が必要です。くれぐれも風邪などお召しになりませんように。

筆者紹介

 
本 名 樋口 幸春 (ひぐち ゆきはる)
略 歴 1950年6月、母の実家の東京都中野で生まれ、横浜市南区万世町で育ちました。現在は帷子川近くの保土ヶ谷区西谷町で生活しています。
県立高校の電子科を卒業し、計算機の保守サービスの仕事を約10年間従事しました。
1970年後半になると、公共の上下水道プラントシステムが計算機により制御されるようになってきたので、それらの設備の現地試験調整する部門に転籍しました。
2003年に早期退職し、アルバイトをするようになりました。この頃、近くの公園にカワセミがいることを知りました。自由な時間が増えたので、頻繁にカワセミを撮影するようになりました。
昔から鉄道を撮影していたので、カメラは持っていました。そのうちにカワセミ以外の野鳥にも興味を持つようになりました。
今では、年に数回、北海道や沖縄で、野鳥を撮影しています。
ブログ 八五郎の思い出写真館
http://08561926.at.webry.info/

 

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