楽しい文字の世界(第22回) のし袋の御
第22回 のし袋の御
筆ペン講座の時、「のし袋の表書きがさらさらっと書けたらいいなと思います。」と良く言われます。
手書きの機会はめっきり減っているでしょうが、こうしたいざと言う機会は意外に減っていないので、普段書かない分、こういう時に、より一層戸惑ってしまうでしょうね。
御礼、御祝、など決まった言葉とお名前なので、取りあえずそこを集中的に覚えてしまうと良いと思います。
さて、一文字目の「御」が失敗すると心が折れてしまいます。是非この文字をマスターしましょう。
早速先ずは「御」を近くにあるペンで良いので書いてみましょう。
いかがでしょう。
下の左右の「御」を見比べてください。あなたはどちらタイプでしょうか。
私は仕事柄、非常に多くの方の文字を見てきていますが、8~9割方の方が、1タイプです。
「御」のように、3部構成の文字は、横並びにせず、真ん中を上に上げた2タイプで書くと、文字に立体感が出て、大人っぽい字形になります。他に「術」「樹」などもそうです。男性のお名前に「樹」が付く方がいらっしゃったら、是非参考にしてください。
さて、話は変わりますが、ほんのお礼の現金を包むとき、表書きはどのように書くでしょう。
「御礼」という言葉が一番先に思い浮かぶかもしれません。また、「寸志」も使われるでしょうか。書いて字のごとく、「ほんの僅かな気持ちです。」という意味です。特に改まった祝儀袋でなく、白い封筒に書いても良いです。
とても便利ですが、気を付けることがあります。「寸志」は目上の方へは失礼にあたるので、避ける必要があります。
そんな場合、私はよく「松の葉」を使います。「松の葉」は針葉樹でとても細いです。松の葉に隠れるほど少ないという意味です。目上、目下両方に使えるのでオールマイティで、相手を選ばす便利な言葉です。
また、「心ばかり」も良く使います。表書きは、楷書で書くことが一般的ですが、書をされている方には、変体仮名を使ってこのように書くこともしばしばあります。「心ば可里」先生のお教室のお手伝いをしていた頃、「僅かばかりですけど、ありがとうね。」という言葉と共にいただいた封筒にこう書かれていて、学生だった私にとって、とても大人で素敵な封筒に憧れたものです。
今、この言葉を書いて渡すとき、あの時の先生と自分を毎回思い出すのです。
筆者紹介
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