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第六回 常に成長し、自立する横浜を目指して

by staff on 2010/10/10, 日曜日

1989年、昭和64年は平成元年でもあり、年号が変わるだけでなく、横浜にとっての節目でもありました。
その年は、横浜開港130年で、市政100年でした。それを記念してMM21地区では横浜博覧会(YES89)が開催されました。6ヶ月間(3月25日~10月1日)の開催期間で1,333万人の観客を動員しました。横浜のイベントとしては過去最大でした。この頃からバブルがはじけて時代も経済も大きく変わり始めました。
この年にはベイブリッジも開通しました。飛鳥田市長時代に発表された横浜市六大事業の一つのMM21地区が完成し、仕上げの年になったのです。その当時から残っている建物は横浜美術館です。丹下健三が設計しました。パビリオンは取り壊さわれ、更地の中でランドマークの建設が始まりました。

そして、昭和の歌姫、「美空ひばり」が亡くなったのもこの年でした。「横浜を象徴する歌」は、昭和が終わるとともに「美空ひばり」ともに終わりを告げましたね。

平成元年(1989年)にマルシアの「ふりむけばヨコハマ」が発売されました。マルシアのおじいさんは昭和の初めに横浜港から船に乗ってブラジルに渡り、苦労を重ねて農地を開拓しました。日系三世のマルシアは1986年、17歳のときに歌唱力を見込まれてスカウトされて、日本にやってきました。平成2年(1990年)の紅白歌合戦では、マルシアはブラジルのサンパウロから衛星中継で「ふりむけばヨコハマ」を熱唱しました。

ふりむけばヨコハマ

作詞 たきのえいじ/作曲 猪俣公章

夢の続きはおしまいですか
全て白紙にかえるのですか
もしも叶うなら この体投げだして
ついて行きたい
閉じたまぶたにあなたが映る
別れ話を打ち消すように
汗がにじむ程 もう一度抱きしめて
映画のように
恋はいつも 背中合わせ
追えば追うほど 手の平返す
ふりむけばヨコハマ くちびるが淋しい
ふりむけばヨコハマ 置いてきぼりね

港離れる外国船を
ひとり見送るホテルのロビー
あなたここに来て おもいではいらないわ
悲しすぎるわ
めぐり逢わせのいたずらなんて
それで終わりにしないで欲しい
そばに居るだけで華やかなひとときを
生きてゆけるわ
窓を叩く雨のしずく
たぶんあなたも旅人なのね
ふりむけばヨコハマ あなたしか見えない
ふりむけばヨコハマ 肌が恋しい

ふりむけばヨコハマ くちびるが淋しい
ふりむけばヨコハマ 置いてきぼりね

「ふりむけばヨコハマ」をお聴きください。

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最初のブラジルへの移住者を乗せた笠戸丸が横浜港を後にしたのは、明治41年(1908年)。その後、日本は経済成長を遂げ、昭和46年(1971年)、ぶらじる丸が最後の移民として107名を輸送しました。その間ブラジルに移民として渡った日本人の総数は約24万人と言われています。最初の移民から100年。昔は日本から行った移民が、現在は三世、四世の人たちが日本に戻ってきて働いています。日系三世のマルシアが、横浜の歌でデビューしたということは、移民の歴史とともに意義深いものがあると思います。

平成になってからは、ご当地ソングは少なくなってきました。

平成10年、1998年にTBSで放送された「Sweet Season」というテレビドラマで歌われたのが、サザンオールスターズの「LOVE AFFAIR ~秘密のデート~」という主題歌です。テレビドラマは不倫をテーマにしたもので舞台が横浜でした。歌に登場するのは大黒埠頭です。ホテルニューグランドの「シーガーディアン」というバーも出てきます。
大黒埠頭は、戦後の埋め立てで造成されたところですが、流通センターや海釣り公園があります。平成10年(1998年)になって横浜の湾岸が歌として戻ってきましたね。

LOVE AFFAIR ~秘密のデート~

作詞・作曲 桑田佳祐

夜明けの街ですれ違うのは
月の残骸と昨日の僕さ
二度と戻れない境界を越えた後で
嗚呼この胸は疼いてる

振り向くたびにせつないけれど
君の視線を背中で受けた
連れてかえれない黄昏に染まる家路
嗚呼 涙隠して憂う Sunday

君無しでは夜毎眠らずに
闇をみつめていたい

マリンルージュで愛されて
大黒埠頭[だいこくふとう]で虹を見て
シーガーディアンで酔わされて
まだ離れたくない 早く去かなくちゃ
夜明けと共にこの首筋に夢の跡

愛の雫が果てた後でも
何故にこれほど優しくなれる
二度と戻れないドラマの中の二人
嗚呼 お互いに気づいてる

棄ても失くしも僕は出来ない
ただそれだけは臆病なのさ
連れて歩けない役柄はいつも他人
嗚呼 君の仕草を真似る Sunday

好き合うほど何も構えずに
普通の男でいたい

ボウリング場でカッコつけて
ブルーライトバーで泣き濡れて
ハーバービューの部屋で抱きしめ
また口づけた
逢いに行かなくちゃ
儚い夢と愛の谷間で溺れたい

マリンルージュで愛されて
大黒埠頭(だいこくふとう)で虹を見て
シーガーディアンで酔わされて
まだ離れたくない 早く去かなくちゃ
夜明けと共にこの首筋に夢の跡
だから愛の谷間で溺れたい
Oh…

「LOVE AFFAIR ~秘密のデート~」をお聴きください。

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横浜出身の歌手もたくさんいます。

その一人が小田和正です。小田は横浜市金沢区出身で、中・高校は山手の聖光学院に通っていました。彼が高校時代に結成したフォーク・グループが、「オフコース」です。オフコースは1969年から1989年まで活動し、「さよなら」(1979年)「言葉にできない」(1982年)などのヒット曲を生んでいます。オフコース解散後、小田はソロとして活動を続け、「ラブ・ストーリーは突然に」(1992年)などを発表しています。横浜をテーマにした曲としては「港の見える丘公園」を舞台とした「秋の気配」(1977年)があります。

秋の気配

作詞・作曲 小田和正

あれがあなたの 好きな場所
港が見下ろせる 小高い公園

あなたの声が 小さくなる
僕は黙って 外を見てる

目を閉じて 息をとめて
さかのぼる ほんのひととき

こんなことは 今までなかった
僕があなたから 離れてゆく
僕があなたから 離れてゆく

たそがれは 風を止めて
ちぎれた雲はまた ひとつになる

あの歌だけは 他の誰にも
歌わないでね ただそれだけ

大いなる 河のように
時は流れ 戻るすべもない

こんなことは 今までなかった
別れの言葉を 探している
別れの言葉を 探している

ああ 嘘でもいいから 微笑むふりをして

僕のせいいっぱいの やさしさを
あなたは受け止める はずもない

こんなことは 今までなかった
僕があなたから 離れてゆく

こんなことは 今までなかった
僕があなたから 離れてゆく

「秋の気配」をお聴きください。

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最近の横浜の歌手と言えば、「ゆず」です。彼ら二人は横浜市磯子区出身です。中学校の同級生で、伊勢佐木町の松坂屋前で路上ライブを行うストリートミュージシャンとして有名になりました。2003年には松坂屋前からの生中継で「紅白歌合戦」に出場しました。ゆずは、「桜木町」(2004年)など横浜を題材とした歌を世に出しています。昨年の開港150周年ではテーマソングとして「みらい」(2009年)を発表しましたね。

桜木町

作詞・作曲 北川悠仁

海沿いの道を 手をつないで歩いた
あの日の約束はもう叶わない夜空の星
通り過ぎてゆく 人も景色達も
気づいた時はいつもおいてけぼりになってた

季節変わり今も君の事 想い出してしまうけれど
何も無かったような顔して 今日も街に溶けて行く

※さよなら もう新しい明日へ歩き出した
最後の強がり きっとこれが二人の為だよね?
待ち合わせ場所いつもの桜木町に君はもう来ない※

大きな観覧車「花火みたいだね」って
笑った君の横顔 時間が止まって欲しかった

心変わり今は責めても 違う誰かの元へ
そしていつの日か忘れてゆく 君の笑顔も泪も

ありがとう さあ振り返らずに行けばいい
いつの日かまた 笑って話せる時が来るさ
初めて君と口付けた桜木町で最後の手を振るよ

変わり続けてく 見慣れてた街並も
だけど今も目を閉じれば あの日の二人がそこにはいる

繋いだその手をいつまでも離したくなかった
それでも行かなくちゃ 僕らが見つけた答えだから

(※くり返し)
初めて君と口付けた桜木町で最後の手を振るよ

「桜木町」をお聴きください。

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みらい

作詞・作曲 ゆず

子どもの頃見た海は光っていて
ずっと遠くまで霞んで広がっていた
黙ったまま 強がった 幼かったあの頃の日々

生まれ育った街は緑と鳥達の声
いつも暗くなるまで 自転車こいでいた
小さな世界広がった そう思ったあの日の僕ら

未来へと希望乗せて 今創り出される
新しい風に吹かれながら

遠く離れていても 目を閉じれば ほら いつも蘇る
海を渡る鳥達 そして僕らまた明日へと旅立つ
けど心の中にいつの日も消える事のない
美しいふるさとはある

今 目の前に広がる海は光っていて
今も変わらずに僕らを照らしていた
叶った 想い重なった そう願ってまたふり返る

時代は時を越えて 語り継がれてゆく
幾つもの夢を紡ぎながら

永遠(とわ)に続く世界の ほんの一瞬に 泣きながら産まれた
こうして僕らまた 確かめ合うだろう 今を忘れない様に

旅人は明日を見つけ 僕らは未来を知ってく
過ぎ行く時を数えながら

生きているっていう事 繋がっているっていう事
忘れないで

遠く離れていても 目を閉じれば ほら いつも蘇る
海を渡る鳥達 そして僕らまた明日へと旅立つ
けど心の中にいつの日も消える事のない
美しいふるさとはある
消える事のない
僕らのふるさとはある

さあ 夢描こう 僕らの未来へ
さあ 旅立とう 輝く未来へ
さあ みらいへ

「みらい」をお聴きください。

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私の横浜の歌の歴史はこれで終わりです。

流行歌を通して横浜を見ていくと、横浜の良さがわかります。歌は当時の世相をよく表しています。当時自分が何をしていたか、家族が何をしていたかという想いがあると、横浜に対する愛着が一層に感じられます。自分が育った頃、小さい頃からの横浜、人に伝え聞いた戦前の話、本などから知った幕末から明治の話は、歌を通してというところが非常に楽しみでもあります。メロディーを通して自然と横浜の歴史が勉強できるのです。

横浜の良さは、常に成長していることだと思います。
可能性を秘めている、夢を与えてくれる魅力がある街です。

これからの横浜には、・・・東京から自立を目指してほしいです。

小さな県以上の人口を抱えて十分成長している横浜なので、経済的にも自立する横浜になってほしいです。今はまだ東京に依存しています。東京の人から見るとこんなに大きいのに横浜村というイメージがあるのか、横浜在住の東京都民という言われ方をしています。
神奈川県の中心なのだから自立性を出していってもらいたい、そして横浜から夢を発信できる人たちが育ってほしいし、育てていかなければいけないと思います。幕末から明治期に横浜にあった「ヨコハマ・ドリーム」の気運を再び興していきたいですね。

 

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