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ゆるマナー講座(第58回) 感謝をカタチに

by staff on 2020/8/10, 月曜日

マナーアドバイザー/フレアLLP 岡田 承子

待ちに待った電子ピアノが届きました。ピアノといっても、88鍵あるものではなく少し小さなタイプで、音取りをするために欲しかったものです。ピアノを手放してから久しぶりに触る鍵盤です。

サプライズも、あり!

それは、お誕生日と母の日を合わせたプレゼントとしてリクエストしていたもの。
贈る側は、毎年のお誕生日に何を贈ってよいかわからなくなるようなので、最近はもっぱらこちらからリクエストしています。サプライズはないけれど、欲しいものがいただけるので合理的です。

ところが、今回ばかりは、待ちに待った…と言いたくなるほど、すごーく待たされた末にやっと届いたのです。
「すごく待たされた」などと偉そうに言ってはいますが、この歳になってもお誕生日プレゼントをいただけるのはありがたいことだと、実は感謝しています。「とっても嬉しい。ありがとう!」の言葉はすぐに伝えました。

でも、サプライズもやっぱり嬉しいものですね!
自粛期間、家にいる時間が長くなっていた頃、思いがけず手作りのマスクが届いたり、体に良いというお茶が届いたり、「飲み過ぎは禁物」というメッセージ付きのビールが届いたりしました。物をいただくということの嬉しさはもちろんありますが、贈ってくださった方の気持ちが感じられるから、より嬉しくなります。

あるテレビ番組で、「このお花をあなたに差し上げますので、どなたかにプレゼントしてください」と言われた男子高校生が、お母さんにお花を渡していました。もちろん贈られたお母さんは、「えっ、どうしたの?」とびっくりしつつも、「いつもの感謝をこめて」と言われて感激。

驚いたのが、そこにいた三人の学生が三人とも「お花は母に贈りたい」と言ったこと。
日々お母さんが愚痴も言わずに世話をしてくれることに感謝しつつも、ひと言の言葉をかけるわけでもなく、何かを贈るわけでもなく過ごしてきたことに、後ろめたさを感じていたのだそうです。そんな風に思っている子どもたちは案外たくさんいるのかもしれませんね。
このことをきっかけに、彼らが今後、感謝の言葉を伝えたり、サプライズのプレゼントができるようになるといいなと、期待をしながら観る私でした。

1本の花

お花のプレゼントですぐに思い浮かぶのが、私の友人です。体調を崩して家にいることを余儀なくされた彼女は、「よく考えたら、私の好きなことはお料理を作ることだし、家にいるしかないけれど、家族のために好きなお料理を作るだけでいい生活って、実は幸せなことなのよね」と、明るく話してくれました。そして嬉しそうに、「夫がね、仕事帰りに毎日1本お花を買ってプレゼントしてくれるようになったの」とも。
もともと仲の良いご夫婦でしたが、何年経ってもお互いを思いやる気持ちが溢れている素敵なご夫婦です。その甲斐あってか、彼女はだいぶ元気になってきました。

毎日「今日も元気でいてくれてありがとう」と1本のお花。気持ちを表すのは花束である必要はないのですよね。

時代を経ても変わらないこと

デール・カーネギーが著書『人を動かす』の中で触れていることに、以下のようなくだりがあります。

「大むかしから、花は愛の言葉と考えられてきたが、それほど高価なものではない。…それでいて、世の夫たちは、一束の水仙も家へ持って帰ろうとしない。彼らは、花と言えば蘭のように高価なものばかりだと思っているか、あるいはアルプスの高嶺の花のエーデルワイスのように、容易なことでは手に入らない貴重品ばかりとでも思い込んでいるのだろう。たかが数本の花を妻に贈るのに、彼女が入院するまで待つことはなかろう。明日は、帰りがけに、バラの2、3本も買ってみてはどうだろう。ためしにやってみることだ」

この本の初版は、1936年。今から80年以上も前に書かれています。
さて、時代は流れたけれど、人は大きく変わっていない気がするのですが…。

夫婦の間だけでなく、親子でも友人同士でも、日頃の感謝を言葉やカタチにしてみてはいかがでしょうか。ほんのひと言を、ほんの小さな贈物を、そう、ためしに。
きっとあなたの気持ちは、あなたが思う以上に相手に届くはずです。

 

筆者プロフィール

岡田 承子(おかだ しょうこ)  

岡田 承子(おかだ しょうこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空国際線客室乗務員を経て、国際交流協会での仕事、また社会福祉法人では障がい者国際スポーツ大会事務局の運営業務やマナー研修に

携わる。現在は、自治体、企業での接遇研修や、NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師として大学で指導をしている。

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)  

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空株式会社国際客室乗務員を経て、2009年よりマナー講師に。企業や自治体、大学、専門学校で接遇研修や マナー・プロトコール講

座を行っている。NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師。

本の紹介です

ゆるマナー 始めましょ

 

 

 

「ゆるマナー 始めましょ」
(岡田 承子・柳田 圭恵子 著 / ほんの木)
簡単で、誰でも、いつでもできること、だけど何だか優しくて
温かい気持ちになる。そんなマナーを「ゆるマナー」と名づけました。
 
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